ブロックチェーン技術はなにも仮想通貨に限定されているわけではない。ビットコインやイーサリアムなどの非中央集権型の基盤はハードウェア製品にも適用可能なのだ。
Sirin Labs( 14,000ドル、日本円で150万円ほどの価格のスマートフォン「Solarin」を開発した企業)は、今年初めにFinneyという名称のスマートフォンを発表した。同社が「世界で唯一の完璧なセキュリティ」を謳ったこのスマートフォンは、ハードウェアレベルで暗号通貨を保管するために必要な十分な安全性を持つという。
そして今日、Sirin社はこのFinneyにイーサリアムのモバイルクライアント「Status」を組み込むことを発表した。この統合により、FinneyとStatusで扱うトークンの両方をシームレスに利用することができるようになる。
SNTトークンセールス(ICO)により、24時間で1億ドル以上の資金調達に成功したStatusは現在、イーサリアム上で動作する分散アプリケーション(dApp)と連動するオープンソースのメッセージングプラットフォームとモバイルブラウザを開発中だ。
つまりFinneyには、暗号化されたメッセージやスマートコントラクト、暗号通貨にアクセスする機能が事前に組み込まれていることになる。
Statusの共同創業者、Carl Bennetts氏は「私たちはオープンソースコミュニティに対し、この技術を市場に投入することを約束している」と本誌VentureBeatに語る。
「私たちは、今後もイーサリアムベースのイノベーション開発を推進し、世界の人々のスマートフォンにこのソリューションをもたらすため、業界をリードする企業とパートナーシップを続けます」(Carl Bennetts氏)。
セキュアなスマートフォンとStatusのメッセージングおよびブラウザプラットフォームの組み合わせが、ユーザーのポケットの中に完全に分散化されたソリューションを提供するというのは大変興味深い。
「私たちの目標は、シンプルでフレンドリーなユーザー体験を維持しながらブロックチェーン技術を標準化すること」とSirin Labsの創業者兼CEOのMoshe Hogeg氏は語る。
「ブロックチェーンによるトレードとクロスプラットフォーム体験はまだシームレスとまでは言えません。Statusと共に歩む戦略的パートナーと一緒に、私たちはトークン間を繋ぐことのできるセキュアなオープンソースOSを開発し、ユーザーに完全にシームレスかつ「フィーレスな」世界を提供することがこの技術の拡大に寄与すると考えています」(Moshe Hogeg氏)。
StatusがプリインストールされたスマートフォンFinneyは来年に登場する予定だ。