エストニア共和国より愛をこめて

北欧に位置する人口130万ほどの小国・エストニアに暮らす大学生が、留学・観光・社会・市民生活などの話題を中心にさまざまな情報をお届けします。

「慰安婦問題」っていつまで蒸し返し続けたら気が済むの?



ちょっと前に「サンフランシスコ市が慰安婦少女像の受け入れを決定したことに対し、大阪市が報復のために姉妹都市協定の破棄を決定」という報道がありましたよね。

当たり前のことですが、この件はただでさえ人権状況について批判されることが多い日本の国際的評判を、さらに引き下げようとしています。世界中から「そうか、やはり日本はかつての侵略戦争や植民地支配を反省していないんだ…」とドン引きされています。

日本では相変わらず「自国礼賛番組」というのがTVで流行していると聞きます。「日本は世界中から尊敬されている!!」「日本の技術を世界中の人が羨ましがっている!!」みたいな内容の番組でゴールデンタイムが埋め尽くされているんだとか。

そういったノリの延長で「世界のほとんどの国々は日本のことが大好きだから、日本の戦争責任をめぐる中国や韓国からの批判に対しても、日本の肩を持ってくれるに違いない!!」みたいなことを本気で思っているネトウヨがいるようですが、当たり前ですがそんなことはまずありません

ヨーロッパでは「旧日本軍の捕虜になった」「収容所で虐待された」という経験があるイギリス人やオランダ人が現在でも存命だったりしますし、日本の戦争責任についていまだに追及している人もいます。

<参考> 昭和天皇死去後の「大喪の礼」にエジンバラ公が参列したことに激怒する元日本軍捕虜のイギリス人(2分36秒)

youtu.be

サンフランシスコ市議会に嫌がらせメールを大量に送り付けたネトウヨ集団なんかは本当に知らないのかもしれませんが、日本政府は1995年に第二次世界大戦における日本のアジア侵略と植民地支配の被害国に対して改めて公式に謝罪をしており、以降の日本のすべての政権はこれを継承しています。

村山総理大臣談話

さらには2年ほど前のいわゆる「日韓合意」でも、慰安婦について「日本軍の関与のもと、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた」と認め、謝罪をしています。

日韓両外相共同記者発表 | 外務省

というわけで、国際社会にとっては当然ながら「日本はかつての侵略の被害国について深く謝罪し、今後このようなことを二度と起こさないことを世界に約束しました」という認識なわけです。

にもかかわらず、いまの日本は国際社会への約束をやぶって、慰安婦問題のようなかつて公式に謝罪したはずの問題をわざわざ蒸し返しているのですよ。そりゃ世界各国から批判されて当然ですって。

いま、戦後50周年の節目に当たり、われわれが銘記すべきことは、来し方を訪ねて歴史の教訓に学び、未来を望んで、人類社会の平和と繁栄への道を誤らないことであります。

村山総理大臣談話

と、22年前に非常にマトモなことを日本は言っていて、なおかつ現在の安倍政権に至るまで継承されているわけですから、世界にいちど宣言した約束を守ってくれないと困ります。