たった5つの問題に答えるだけで、自分がどのくらいの金融リテラシーを持っているのかがわかったら、便利ですよね?
実は、そんな便利な5つの問題があるのです。その名も「ビッグ5」と言います。
初めて聞いた方は、この機会に「ビッグ5」を解いて、答え合わせをしてみてくださいね^^
「ビッグ5」を解いてみよう!
後で答え合わせをするので、紙に答えを書いてください。
問題① 複利計算
あなたが銀行に100ドル預けていて、利息は年に2%だとします。預金を引き出さない場合、5年後にはいくらになっていますか?
問題② 利息と物価上昇
預金の利息が年に1%で、インフレ率が年に2%だとします。1年後、あなたがその口座のお金で買えるものは増えますか、変わりませんか、減りますか?
問題③ リスク分散
「一つの企業の株式を購入することは、投資信託を購入するより一般的に安全性が高い」
この主張は正しいですか、間違っていますか?
問題④ 住宅ローンの利息
「15年物の住宅ローンはたいてい、30年物の住宅ローンに比べて月々の返済額は多いが、返済する利息の総額は少なくて済む」
この主張は正しいですか、間違っていますか?
問題⑤ 債券価格と金利
金利が上昇したとき、債券の価格は上がりますか、変わりませんか、下がりますか?
答え合わせ
ここからは答え合わせです。赤ペンを用意してください。
問題① 複利計算
解答
約110ドル
解説
1年目は、100ドルに2%の利息分2ドルを加えて、102ドルになります。
2年目は、102ドルに2%の利息分2.04ドルを加えて、104.04ドルになります。
3年目、4年目、5年目も同じ計算をします。
つまり、100ドル×1.02×1.02×1.02×1.02×1.02=約110ドルとなります。
豆知識
利息には、単利と複利があります。
単利の場合、1年目も2年目も元金100ドルの2%の利息分2ドルしか増えません。
一方、複利の場合、1年目は元金100ドルの2%の利息分2ドルが増え、2年目には元金に1年目の利息分を加えた102ドルの2%の利息分2.04ドルが増えます。
このように、複利は単利に比べて、利息が増えやすい特徴を持っています。
問題② 利息と物価上昇
解答
減る
解説
利息1%の預金に100万円入れておくと、1年後は利息分1万円が加わり、101万円になります。
一方、インフレ率2%の社会で100万円の商品は、1年後には102万円になります。
口座のお金は101万円なので、102万円の商品を買うことができなくなります。
豆知識
インフレ率が預金の利息よりも高い社会では、預金だけをしていると買えるものがどんどん少なくなります。
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問題③ リスク分散
解答
間違い
解説
投資信託は、複数の企業の株式や債券を組み合わせてつくった金融商品です。
そのため、ある一つの企業の株価が大きく下落しても、全体的にはそんなに大きな影響を与えません。
一方、一つの企業の株式のみを持っていると、その株価が大きく下落した場合、その影響をもろに受けます。
豆知識
投資信託の方が一つの企業の株式を持つことよりも安全性が高いのは事実です。
しかし、上昇する銘柄を見極めることができれば、安全性が高い株式投資を行うことができます。
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問題④ 住宅ローンの利息
解答
正しい
解説
月々の返済額は、借入期間年数が短いほど、多くなります。
ほとんど変わらない金額を、より短い期間で返済するため、当然です。
また、住宅ローンのだいたいの利息の総額は、元金額×年率×借入期間年数で算出できます。
※これはアドオン方式という計算方法であり、実際は異なります(豆知識を参照)
よって、利息の総額は、借入期間年数の短い15年物の方が30年物よりも少なくて済みます。
豆知識
住宅ローンの利息は、複利計算です。
例えば、3000万円を年利3%で毎月10万円ずつ返済するとします。
1ヶ月目は、元金3000万円×3%÷12ヶ月=7.5万円の利息がかかります。
毎月の返済額10万円-利息7.5万円=2.5万円が元金返済分になります。
2ヶ月目は、元金3000万円-1ヶ月目の元金返済分2.5万円=2997.5万円が元金残高です。
元金残高2997.5万円×3%÷12ヶ月=74,937円の利息がかかります。
毎月の返済額10万円-利息74,937円=25,063円が元金返済分になります。
問題⑤ 債券価格と金利
解答
下がる
解説
金利が上昇した場合、預金した方が得をするため、債券を持っている人が一斉に売り始めます。
一斉に売り始めるので、価格を下げなければ買ってもらうことができません。
結果的に、債券の価格は下がることになります。
豆知識
債券の価格は、需要と供給の関係によって変化します。
金利が下降した場合、預金した方が損になるため、債券を持っていない人が一斉に買い始めます。
一斉に買い始めるので、価格を上げてもどんどん売れていきます。
結果的に、債券の価格は上がることになります。
正答率と金融リテラシーの関係性
4〜5問正解した方
申し分のない金融リテラシーを持っています。
老後の資産形成に困ることはなさそうですね。
2〜3問正解した方
まずまずの金融リテラシーを持っていますが、不十分な可能性があります。
お金について、もう少し勉強をすることをおすすめします。
正解数が1問以下の方
残念ながら、金融リテラシーを身につけていないため、気付かないうちに損をしている可能性があります。
また、将来的に老後の資産形成で困ることが高い確率で起こると想定されます。
まとめ
とはいえ、金融リテラシーが高いと言われている投資大国アメリカでさえ、全問正解できる人は15%ほどしかいません。
今から勉強しても十分に金融リテラシーを人並み以上に身につけることは可能と言えます。
将来のために、今この瞬間からお金の知識を身につけていきましょう♪