事業を継続していく上で、資金繰りは重要な課題のひとつです。さまざまな資金調達の方法がある中で、ビジネスローンは中小企業、個人事業主を対象とした融資です。限られた資金調達手段であるビジネスローンの融資を受けるには、どのような審査をクリアしなければならないのでしょうか。
ビジネスローンとは?
中小企業、個人事業主向けのローンであるビジネスローンは銀行や信用金庫のほか、クレジットカード会社などのノンバンクも扱っています。調達できる資金は、事業性資金として事業用に使われるすべての資金で、開業資金から運転資金、買掛金や人件費、家賃などの諸払い資金、設備投資まで多岐にわたります。
ビジネスローンのメリットは、公的融資に比べて審査が早く、基本的に担保と第三者の保証人が不要なことです。審査が早いので、急に資金が必要になった時には大変助かります。各金融機関の中からビジネスローンを選ぶ際には、金利や限度額、借り入れ方法、返済回数などを比較検討すればいいでしょう。限度内の利用であれば、提携ATMでいつでも借り入れ、返済が自由なカードローン型のビジネスローンもあり、突発的な資金需要にも対応できるのでおすすめです。
経営者が連帯保証人になる
会社がビジネスローンの融資を受ける場合には、契約者は当然ながら会社となります。ビジネスローンは担保と第三者の保証人は不要と述べましたが、経営者である会社の代表者が連帯保証人となる場合もあります。
金融機関は、中小企業に融資する際には以前より代表者に連帯保証人になるよう求めてきました。これは登記簿上、法人組織にしていても、中小企業=代表者個人とみなしているからにほかなりません。別の見方をすれば、中小企業経営者は個人事業主と同じと解釈しているといえるでしょう。法人と個人の違いはあっても、責任の取り方は同じということです。
※平成26年2月から適用された『経営者保証に関するガイドライン』では、経営者保証なしで融資が受けられる可能性もございます。詳しくは中小企業庁HP等を参照ください。
会社と経営者どちらもビジネスローンの審査対象になる
ビジネスローンにおいて経営者が連帯保証人になる場合、会社と経営者の両方が審査対象になるのは当然といえます。主たる債務者である会社が返済できなくなった時に、連帯して債務を負うのが連帯保証人である経営者なので、審査対象になるのです。
審査は、会社については業歴、事業内容、取引先、資金使途、業績、将来性、税金の納付状況などが見られます。業歴は、創業してから何年経過しているかということで、2年以上を求める金融機関が少なくありません。業歴が長ければ安定しているという評価につながります。事業内容に関しては将来性があるのか、売上先や仕入先はしっかりしているのか、財務内容は健全かなどが調べられます。資金の使途は資金計画表、資金繰り実績・予定表、見積書などでチェックされます。
業績は取引先別売上表や決算報告書で確認されます。黒字決算に越したことはありませんが、赤字決算でも黒字転換できる材料があれば、過度に心配することはないでしょう。決算書が精査されたのち、最終的には、会社と経営者がきちんと返済できるかがポイントになります。
経営者のビジネスローンの審査基準とは?
連帯保証人である経営者が受ける審査は、主に個人の信用情報が基になります。提出を求められるものは、確定申告をしていたらその写し、源泉徴収票や住民税課税決定通知書、住宅ローンの借入状況などです。金融機関は、借入金の返済履歴をチェックして、過去に滞納や事故がなかったかを審査します。
家族構成や所有不動産の有無、経営者の人柄も重視されます。ここで重要となるのは、経営者が返済余力となる給与をきちんと受け取っているか、返済履歴に問題がないかということです。会社の審査が通っても経営者の信用情報が良くないと、融資を受けられない場合もあるのです。
経営者として、計画的に利用を
ビジネスローンにおいて経営者本人が連帯保証人になる場合、その審査は会社も経営者も対象となります。会社と経営者が一体とみなされる中小企業経営、足元を固めて資金調達に動きましょう。
※当記事は2016年12月現在の情報に基づき制作しております。最新の情報は各関連ホームページなどをご参照下さい。
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