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2017-12-02

「2017年マンガ10傑」を選定します。第2回「内山安二賞」なども併せて授与。Add Star

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ぱち

ぱち

ぱち、と。

本格的なマンガ賞が発表される前に、先行して発表しようと思います。ことしの「このマンガがすごい!」や「このマンガを読め!」はいつ発表なのかな。



それでは・・・・・「2017年漫画10傑」をだらだらと。その前に、この賞の特徴、注意点を。

【重要な注意点】

「10傑」は1-10位の順位付けをしているわけではありません。

うちの賞の基準として、一度選んだものは、ことしは自分が実際に面白いな、すごいな、と思っても優先しないようにしています(多少の例外はある)。

「なんであれ入ってないの?」と思うものは、これが理由なことも多いと思います。

※この記事の末尾に、過去の賞へのリンクがあります。

同時に、2017年から、それを補う特別枠も作りました


それではいってみよーー

■「2017年マンガ10傑」


レイリ /室井大資,岩明均

長篠の戦いから4年、黄昏ゆく武田帝国と勃興する織田軍団の血戦のはざまで、数奇な運命を生きる少女の名はレイリ。巨匠渾身の原作を新感覚の鬼才が作品化! 衝撃の本格戦国時代劇、開幕!!

難攻不落と呼ばれ、天下の堅塁と呼ばれた遠州・高天神城。武田の最前線拠点であるこの城は今、織田徳川連合軍に完全包囲され、武田中枢が下した決断は城の放棄だった! 城の主将をつとめるのはレイリの命を救い育てた恩人・岡部丹波守。ここにおいて少女は立ち上がる……心のおもむくままに! “盾”となって死ぬために!! 高天神城血戦編、開幕!!

なんどか紹介…というか、この前の「おんな城主直虎」エピソードに関係した「高天神城」の話として、紹介しましたね。

※とある戦国史が専門の学者に、私がこの作品を紹介したツイートから。

@HIRAYAMAYUUKAIN そうだ、以前「漫画は最近読まなくなった」と伺っているので、情報だけ(でもご存知かな?)。「寄生獣」「ヒストリエ」などの世界的人気漫画家岩明均氏が「原作」の形で連載中の「レイリ」という作品、舞台が私も「武田氏滅亡」で初めて重要性を知った「長篠後」「高天神城の攻防」なのです。

「滅亡」でも印象的に描かれた武田信勝(その影武者が表題のレイリ)が非常に重要な役で、周囲が(勝頼を差し置き)「救国の英雄」を期待する中、賢すぎる彼はそれを虚勢を交えて演じつつ、本音は…との複雑な造形です。岩明氏は歴史に詳しく、後書きでちょっと謎を提示したり。

以上報告です。

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ここでは書ききれなかったが、武田信玄が「後継者」に指名した孫の武田信勝の造形がなんとも面白い

この後継者指名ってのは史実でいうと『勝頼は、いちどは信州の諏訪家を継がせ、母も諏訪の御料人…つまり占領した旧敵国との縁が強いから、武田嫡流を継ぐのは難しい、という判断だった』ということらしいんだけど、そこを「武田信勝は信玄が潜在的な将器を認めた若き天才である(と言われてる)」と見立てたのはさすがの岩明的ストーリーテリングです。

そして、画像にあるように、確かに才能ある少年だからこそ、周囲の期待を”忖度”して「我は天才なり!」と傲慢に自称しつつ「もう織田に勝てるわけがない」とも見通してしまう…という悲劇。

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これが、史実上も痛ましい、最期に繋がっていくのでしょうか。

史実(としての伝説)上の武田信勝の最期を、ネタバレでもいいから知りたい人は http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20170713/p1 をどうぞ。


主人公レイリは、少女だけども武田信勝影武者が務まるほど瓜二つ、という設定も面白いけど、普通の男がかなわないほどの武芸の達人かつ、「いつ死んでもいい」という虚無感と捨て身の心を持つ。それが強さでもあり弱さでもある…というと、短編「剣の舞」の女性主人公を発展させた、という面もあるかもしれませんね。

雪の峠・剣の舞 (KCデラックス アフタヌーン)

雪の峠・剣の舞 (KCデラックス アフタヌーン)




シューダン! /横田卓馬

サッカー王国と呼ばれる静岡で少年団に所属している小学六年生・桜田創始は、チームメイトと一緒になんとなくサッカーを楽しむノンガチ勢! そんな少年団にある日、女の子が入団することになり――!?

シューダン! 2 (ジャンプコミックス)

シューダン! 2 (ジャンプコミックス)


あくまでも一般的な話、平均値でいえば、小学校低学年ぐらいまでなら、そもそも基本的フィジカル、体力で女子は男子を上回ってる―んだっけ? 高学年ともなるとそうも行きにくいけど、それでもトップグループなら差がないか上回ることもあり、そして実際に学童野球や少年サッカーは、男子と女子がまじって公式の試合もしている。

そんな舞台背景を元に、「男子チームに混じった紅一点の女子選手」を軸に物語が回っていくのだけど、その混じり方がなんとも自然で、ナチュラル、…でありつつ女性であることに意味はちゃんと持たせてあるという、実にそういう面で優れた作品だと思います。決して「魔球を投げられるから、彼女は男の中で活躍できるんです」みたいなストーリーではないのだ(いやいや、当時の水島新司野球狂の詩」は、そういう設定であるからこそ描ける「女性とスポーツ」を作品にした画期的なものだけどね!!)

このへん、いわゆるこのブログでネタにすることも多い<ポリコレ>的に見たとしてもポイントが高い、ような気がする。

過去の3例の記事&外部のまとめにリンクを張っておきます

ベイマックスの「政治的正しさ」とクールジャパン - Togetter https://togetter.com/li/764958

シン・ゴジラで女性性を強調しない登場人物(尾頭課長補佐)が人気に見えるのは、ポリコレ的に大変いいこと…なのかしら? - http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20160810/p2

高度に発達した「テンプレ破り」は、ポリコレと区別がつかない(俺は)。女性、民族キャラクターなどを例に…… - http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20160508/p3

しかしそんな中で「少年」ジャンプ、本丸中の本丸で、こんなふうな作品が生まれたのは興味深い話です。もともとこの人の前作「背筋をピン!と」でも、当然のように男女ペアの競技において、実に自然に、どっちがどっちに優位でもリードでもなく、イコールパートナーシップを描いていたから当然といえば当然かもだけど、あれは「社交ダンス」だから、そういうふうなのが描けてもまあ、一番描きやすいというべきかもしれない。

だが、それがいきなり二段目は、フィジカルコンタクトが渦巻くフッチボウで描くってすごいよ!!

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・・・・・・・といいつつ、このジャンルでは、「四月は君の嘘」を描き、今は純粋な女子サッカー漫画さよなら私のクラマー」を連載中の彼女が既に「男子に混じって女子がサッカーで戦うなら」というテーマに正面から挑んだし、「海街diary」でも、この話が印象的なまでに物語の骨格として描かれた。その系譜にある作品ともいえるだろう。

海街diary 2 真昼の月 (flowers コミックス)

海街diary 2 真昼の月 (flowers コミックス)

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海街diary 8 恋と巡礼 (フラワーコミックス)

海街diary 8 恋と巡礼 (フラワーコミックス)

だが!!!2017年12月冒頭現在、少年ジャンプの掲載順番的にね・・・・・・・・・・・・・まだそういうアナウンスはないけどね…「新展開」になっただけと思いたいけどね・・・・・・某作品や某作品が「どんな野心作でも、まずは生き残らないとダメなんだよ!!ポリコレなんか置いといて、私たちのように”見せて”いれば……(※何をだよ)」と、先に逝ってしまった戦友をDisりつつ追悼する光景が目に浮かぶ。ここはエリア88……。

最期はいろんなものが混じってしまったが、ここで終わろうと、続こうと、素晴らしい作品であったことは間違いない。



淋しいのはアンタだけじゃない /吉本浩二

新感覚ドキュメンタリー!…&ミステリー?

かつてなかったマンガになるのではと思われます。[ブラック・ジャック創作秘話]、[さんてつ]を送り出してきたマンガ家吉本浩二さんは、日本福祉大学のご出身。ただ福祉関係からは遠い職歴でした。そんな吉本さんが、あるご縁にも助けられ、聴覚障害の世界を描くことに。そしてご縁は不思議な糸でつながっていき………。マンガならではの表現で、聴覚障害が、そしてストーリーが描写されていきます。

日本中を騒がせた、あの佐村河内守氏の事件も取り上げます。この件は既に映像作家森達也さんが映画にされると発表されていますが、森さんと吉本さんはお会いしたものの、互いにその内容については関知していません。

新しいドキュメンタリーマンガであり、且つ、ミステリーとも言えるかもしれません。ぜひ最後までお読みいただき、読者の皆さんにも一緒に考えていただきたい、そんな内容です。

【編集担当からのおすすめ情報】

[ブラック・ジャック創作秘話](『このマンガがすごい!』2012年オトコ編1位)の作者が送る、新感覚のドキュメント漫画です。

あの佐村河内守氏の騒動の奥、聴覚障害をめぐる知られざる真実に、漫画ならではの、かつてない表現で迫ります。

映像作家森達也氏による話題騒然の映画公開とも、真っ向勝負です!


深層へ!!

聴覚障害者、患者と医師に迫り、探れば探るほど、

その不思議、厄介さにおののく。

マンガは、マンガ家は、

実態を描くことができるのだろうか?

そして、僕らの“ほんとう”は、どこにあるのだろうか?

マンガで進化する新感覚ドキュメンタリー!

& ミステリー!?

深層へ!!!

【編集担当からのおすすめ情報】

1集の発売以来、大変ありがたいことにSNSなどで多くの方々から、

また書評等の新聞TV雑誌WEB多くのメディア上で評価をいただきました。

しかし正直まだ評価いただくのは早かったのではと思う気持ちもあります。

この問題をマンガにする難しさを吉本浩二氏はますます痛感され、精一杯の模索をしています。ぜひ、続きを御覧ください。


ついに完結!その「最奥」にあるのは…?!

(文化庁メディア芸術祭〈第20回〉・マンガ部門・審査委員会推薦作)

医療の現場でふれた、課題と光明。

しかし、取材をすすめれば、取材対象者の見解をすんなり描けない

現実にもぶつかって…

マンガ家は、自分のマンガに揺れ動く…

結局、僕らの“ほんとう”はどこにある?

マンガで進化する、新感覚ドキュメンタリー!!

&ミステリー!?

ついに完結へ!!

マンガいちばん人に迫るのだ!!!

【編集担当からのおすすめ情報】

2集の発売後、事情により連載を中断、休載が続いた関係で

この続刊の発売も遅れましたが、ようやく連載再開、そして完結3集の発売に至りました。

障害に迫る医学者の挑戦と到達、

そして、マンガの到達点をご確認ください。


この前、このツイートが多くのブクマを集めた(のちにまとめになった)。

突発性難聴」になったら48時間以内が勝負!後から治療はできないので気をつけて!の呼びかけは広まってほしい件について - Togetter https://togetter.com/li/1176395

有益で知られてほしい情報だが、そういう事例も含めて「聴覚障害の世界」をドキュメント漫画として描くことを目指した野心作が、この作品。

作者の吉本浩二氏が「ブラックジャック創作秘話」(原作つき)「さんてつ」「カツシン―さみしがりやの天才」などで、ドキュメント漫画の優れた書き手として頭角を現したあと、次は何をテーマに描きますか?と投げられ、自分が福祉を大学時代に学んだ経験から興味を持った障害―それも聴覚障害を取り上げようとした。

ところが、それに前後してかの「佐村河内騒動」が勃発し、聴覚障害コミュニティも大きく動揺する。このテーマを扱うなら、彼にも話を聞かねばならない、ということになり、接触とインタビューに成功する。しかし……

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作品は、市井の聴覚障碍者の悩みや日常を丁寧に描き、また、なんとも感覚的なものだから追体験がし難い「聴覚障碍者の『難聴』とは、どんなふうに聞こえにくいのか?」を視覚化する難業に挑んだ。実はそれゆえに、なんか筒井康隆の是根井的ギャグのような、活字などを工夫した描写とかも出てくるのだが…。

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それと同時に「日本中が大注目したスキャンダル当事者」を取材することになり、そこからまた面白いものとなる。彼は「自分は本当に聴覚に障害があるのだ」ということをつらつら、切実さを込めて語る。また当時、森達也氏が「フェイク」なるドキュメンタリー映画を製作途中なので、メディアメディアの邂逅、すなわち <取材するもの、取材されるもの> の逆転などというテーマも含有することになった。

そしてさらに厄介なことに、取材される佐村河内氏は、要は取材を受けながら<あなたは、私の味方になってくれるんですか?(なってくれるなら協力するし、そうでないなら協力しない)>というスタンスを明確に打ち出す。

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その一方で、”あの人”も、「いや、間違いなく佐村河内さんは普通に私と話ができましたよ」と彼らに向かって語る。… 密着取材を旨とするジャーナリズムが、しばしば直面する問題であるが、吉本氏らはある意味で誠実に向き合う。

その過程が、何ともスリリングだ。映画「フェイク」と比較するのも一興だが、誠実さという点では、ちょっと比べるのも失礼なほど大きく異なるんだよなぁ。

そういう過程…ノンフィクションを作成するとき、周囲からの圧力や異論、抗議にどう対処するのか、のメタなストーリーとしても実に面白い

まことに残念なことに、この作品は商業的に成功せず、3巻という短い期間での完結となった(と、作中で語られている)。しかし、ならばこそ、この3巻がもう一度評価され、単行本として爆発的ではなくても長く売れることをねがってやみません。



ふたり生徒会 /ゆずチリ, かとそん

ふたり生徒会(1)

ふたり生徒会(1)

たったふたりの生徒会。でも毎日楽しい。

生徒会長

書記兼会計兼庶務の清士郎くんと

生徒会副会長の水谷さん。

たったふたりだけの生徒会

忙しかったり、そうでなかったり。

提案したり、試してみたり。

ふたりだけど、毎日楽しい。


ふたり生徒会 2 (サンデーうぇぶりSSC)

ふたり生徒会 2 (サンデーうぇぶりSSC)

全国の中高生絶賛!ふたりきりの生徒会

体育祭に、プールに、

こどもまつりに。

ふたりだけの生徒会は、

ふたりだけど、

やっぱり楽しい。

そしてやってきた代替わりの季節。

新会長に選ばれたのは、

やっぱり…?

まさかの…?

編集者からのおすすめ情報 〉

読売中高生新聞サンデーうぇぶりにて大好評連載中!

中高生の方も、そうじゃない方も、ほっこり楽しめる、

ちょっと変わった学園コメディー第2巻です!

世の中グルメ漫画が多すぎるわけだけど、もはやここまでパンデミックになったら、もはや共存するしかない。…というか、あれは新聞に一紙1本ずつ「四コマ漫画」があっていいように、1誌、あるいは1サイトにひとつか二つはあっていいもんだし、実際にそうなってるから絶対数は膨大なのだ、と納得したのですよ。

・・・・で、ほぼそれと一緒の構図で、知らないうちに蔓延してパンデミックになってたのが、『少人数での、限定された場所での小粋(あるいはシュール)な会話劇を中心にしながら、そういう人物たちの”関係性”を描くショートコミック』なんですわ。

これはあとで一覧にでもしてみたいけど、知らないうちにたくさん増えてた!!!年代史的にさかのぼると、実はみなもと太郎氏がそういうのの元祖?に近く(「ふたりは恋人」)、しかもショートコミックなのに雑誌の人気トップに躍り出たこともあるとか。

自分が、実際に面白く読んだのは水口尚樹の「明日にはあがります。」だったなー。

その次は「働かないふたり」だったか。

働かないふたり 12巻 (バンチコミックス)

働かないふたり 12巻 (バンチコミックス)

このジャンルについてはモノ申したいこともいくつかあるが、それは後日のコンテンツにして、その中で最近の収穫に上げたいのが、この「ふたり生徒会」だったのです。

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話自体は単純で、この生徒会は会長(兼会計兼書記兼庶務)と、副会長のふたり。

この会長は、成績も優秀(ただし副会長は超優秀で、それには負ける)だが、基本的お祭り好きのお調子者でいらんことしいイベントや新企画をいろいろと考えては、すぐに実行しはじめる。

要は究極超人あ~るの「鳥坂さん」だ(喩えが古いよ!)。

それに対して、副会長が基本的常識人として突っ込むのだが、中学生でもサンタを信じていたりと、少しやはり浮世離れした面もあって、その二人の言動と会話、関係性で読ませるというストーリー

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なぜ、この作品がパンデミック気味の「関係性ショートストーリー」の中で、選んだのかといえば、いろいろと理由があるのだが、それはこの今度あらためて記事にしよう。

そういえば、次の作品も「関係性ショートストーリー」だなー。



保安官エヴァンスの嘘 /栗山ミヅキ

「恋?愛?興味がないな」

…嘘だ。本当はモテたい。切実に。

強き者が掟であった頃、西の荒野のどこかで。

全ての犯罪者が最も恐れる保安官がいた。

彼の名はエルモアエヴァンス

超一流、西部最強のガンマンでもある彼は、モテたい。

幼少時から女性にモテたいと強く願い、

「ガンマンはイケてる」という(時折ゲスな)父の教えを学んだ。

だが未だに、恋人いない歴イコール年齢。

女性の前でついカッコつけてしまう彼は、モテないこともないのだが、

絶妙にうまくいかず、今日もモテる為に、祝福なき死闘を繰り広げてゆく。



だが彼の近くには、オークレイという賞金稼ぎの女性がいる。

エヴァンスライバルで超一流の銃の腕前を持つが、

射撃一筋でまともな恋愛経験はない。生娘である。

お互いに相手が気になりながら…

「まあ、向こうにその気があれば別だけど」と思っているがっ!?

始まったときから、不思議な作品でねー。

始めは、「モテたくてたまらないのにカッコつけようとしてて(逆に言うと、カッコつけつつモテようとしてて)、そのギャップで笑わせる」という、わかりやすいシチュエーションギャグだったのだが、その後、オークレイという女性賞金稼ぎが現れ、どっちも好意を持っている、という設定になる。だが両方がカッコつけで、素直に好意を表明しないのでそこから誤解や取り繕いやコミュニケーションギャップが生まれる…って、思えば高橋留美子以来のサンデー的王道?

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いや、硬派だったりツンデレ(デレあるか?)だったりしたキャラが、素直に好意を言わないために混乱するって、なんつーか一周回ってクラシック風味があるのだよ。

そういえばこれは、一時騒がれた「少年サンデー、最終防衛線指揮官」たる市原新編集長体制になってからの連載だったはずだ

週刊少年サンデー特集、新編集長・市原武法インタビュー (1/3) - コミックナタリー 特集・インタビュー http://natalie.mu/comic/pp/sunday02

思えば、上の「ふたり生徒会」もサンデーうぇぶり連載で…あれ、ゲッサンにも載ってるよな?

そして

「関係性ショートストーリー」の大ヒット作といってもいい「からかい上手の高木さん」もゲッサンだ。

こういうのが市原カラーなのかもしれませんね。

しかし、あとひとつ!!

今時、21世紀2017年にて「西部劇の世界」でこのネタやってるのだよ???それがすげーと思う。

まんが道の時代なら藤子先生が西部劇マンガ描いても「説明不要、おなじみの西部の世界!!!」で済んだはずだが、今、サンデー読者の中で西部劇の世界を『おなじみのアレね』と受け止める層ってどれぐらいいるのかしら?

もちろん「悪と戦う正義の味方

これは煽りや批判でなく、まじめに検証したい点である。時代劇やSFの「世代間伝承」が話題になる昨今、この問題が気になってしょうがない。







解説未記入の作品は、これから少しづつかいていきます。

そして、

のこり5作品は、このあと発表ーーー。

gryphongryphon 2017/12/02 04:11 「2017年漫画10傑」はだらだらと追加されるので、何度か見に来てくださいねー。

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