日本の天皇、2019年4月に退位へ
日本政府は1日午前、天皇陛下の退位日を2019年4月30日と決定した。今月末に84歳になる天皇は、高齢と健康上の理由で天皇としての公務を果たすことが難しくなったと、昨年夏に退位を希望する意向を表明していた。
政府は三権の長や皇室関係者からなる「皇室会議」を宮内庁で開き、天皇陛下の退位日について意見を聴いた。安倍晋三首相はこの後、会議の意見を踏まえ、退位日の決定を発表した。
皇太子は5月1日に新天皇として即位する。「平成」の時代が終わり、新しい元号の時代が始まる。
天皇の退位は、江戸後期の119代光格天皇(1771~1840)以来、約200年ぶりとなる。時期については日本で1年以上、議論されてきた。
過去の報道によると、元号と西暦が一致しやすいよう、12月31日に退位し、新天皇の即位を1月1日にするという案も検討されていたというが、共同通信は政府関係者の話として、退位と即位の儀式が年末年始の宮中行事とぶつかるのは望ましくないと、皇室から反対されたと伝えた。
1989年に即位した天皇陛下は、狭心症のための冠動脈バイパス手術や前立腺がんの手術を受けている。昨年8月には「天皇もまた高齢となった場合どのようなあり方が好ましいか」を長年考えてきたと語り、天皇が高齢となった場合に国民の象徴としての公務を滞りなく遂行するにはどうするのが良いか、国民の理解を得たいと求める、異例のビデオメッセージが公表された。
このメッセージは、退位を希望するものと広く受け止められたが、当時はそれを可能にする法律がなかった。
世論の多くは天皇の意向尊重を支持し、政府は今年5月、退位の特例法を閣議決定。特例法は6月に成立した。