スペインのカディス県のカディス湾内にあるバイア・デ・カディス自然公園内には「自然の脳」と呼ばれるようになった沼地がある。
印象的な色彩の脳そっくりの景色。だが、沼地にその呼び名がついたのはつい最近のことで、この画像がきっかけになって広く定着したという。
これを撮ったのは自然生物写真家のクリストーバル・セラーノだった。彼は2015年に、初めてカディス湾上空を飛んだときにこの異様な眺めを見て驚いたという。
そしてすかさずその風景をカメラにおさめたそうだ。
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広大な自然公園に広がる脳状の沼地
カディス湾の南に位置するバイア・デ・カディス自然公園は、大小の川の流入によって生まれる多様な地形を楽しむ自然保護区でもあり、その面積はなんと105平方kmもある。
沼地や湿地、浜辺や松林などを内包する広大な公園は、自然愛好家の間でも人気のスポットなのだ。
そして写真の場所は、サンフェルナンドという地域にある平坦な沼地で、土地が低いために隣接する湿地や川の排水が流れ込んだ跡が随所にみられるという。
これは別の人物が撮ったもの。色は暗めだが同じく脳っぽい
image credit:Juan Tebar/Dronestagram
その跡が脳を連想させるうねうねした模様を作っていたのだが、普通に地上から眺めてもわかりにくいだろう。こうした沼の溝は以前から上空で見られていたが、色は一般的な沼地や湿地にあるようなものだった。
脳を彩る印象的な色の正体は?
セラーノは干潮時にこの風景をとらえた。それは絶妙なタイミングだったようだ。
image credit:Cristobal Serrano/cristobalserrano.com
沼地の「脳のしわ」や幾何学的な模様は、干潮時に現れる。そして緑の部分はアオサ類の色で、紫色に見えるのは紅色硫黄細菌の色だという。その細菌は嫌気性で主に水中の酸素が無い環境や水辺の溝などでみられるそうだ。
色彩加工は一切なしの非現実的な風景
それにしてもずいぶん鮮やかな画像だと思う人もいるだろう。だが自然生物の写真家を自負するセラーノは色の加工はしていない、とし「私の仕事は、自然がたまに見せてくれる非現実的な光景を見せることです」と話している。
セラーノがとらえた独特な色の沼地はネット上で瞬く間に注目を集め、知名度が一気に上がったサンフェルナンドの沼地は「自然の脳」という異名を持つことになった。
なお、湾に注ぐグアダレーテ川はアラビア語で「忘却の川」を意味するそうで、「自然の脳」にふさわしい名だといわれている。
かつて脳細胞と宇宙の画像が驚くほど似ているという記事を紹介したが、地球内生命体は自然や宇宙を模倣しているというか、深い繋がりがあるのかもしれない。
関連記事:脳細胞と宇宙は激似していた!驚くほど似ているマクロとミクロの比較画像
とはいえこの場所の魅力的な風景はこれ一つのみではない。この沼地はさまざまな写真家の被写体になっており、それぞれに摩訶不思議な姿を見せているのだ。
via:odditycentral / newscientistなど / translated by D/ edited by parumo
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コメント
1. 匿名処理班
人間も自然の一部なんやなって
2. 匿名処理班
ただのさざ波模様の砂浜にならないのはバクテリアや藻類の群体が取り込んだ砂などの微粒子を安定させて礁を形作っているからかな。ストロマトライト的な。
3. 匿名処理班
マクロじゃなくてミクロの世界見てるみたいだなぁ
ふと思ったけどトライポフォビア(?)の気がある人はこういうのもきついのかな
個人差はあるだろうけど
4. 匿名処理班
???「私が…「オリジナル」だ…」
5. 匿名処理班
エネルギー供給の効率とかの面でこういう形がいいのかな
あとメロンの表面とかも良く見ると血管みたいで生き物感がすごいのでじっと見てはいけない
6. 匿名処理班
脳みその画像はなんともないのに
なぜかこれは…だめだ
7. 匿名処理班
あ…苦手な造形だ。長く見ていられない。
8. 匿名処理班
え? おれの脳みそも池沼ってこと!?
どうりで義務教育の時からつまづくはずだ・・・
9. 匿名処理班
どれくらいのサイズ感なんだろ
10. 匿名処理班
うっ…キモイ
11.
12.
13.
14.