12月1日に開かれた皇室会議の意見を踏まえ、安倍晋三首相が、天皇陛下の退位日を2019年4月30日と決めた。皇太子さまは翌5月1日に即位する。退位の2019年カレンダーの印刷開始を間近に控えている時期。天皇陛下、皇太子様のそれぞれの誕生日が祝日になるのかどうか、やきもきしながら見守っている。
カレンダー会社で作る「全国カレンダー出版協同組合連合会」(東京都)の担当者は「2019年5月1日から新しい元号に変わることが早めに分かって安心している。ただまだカレンダーの製造には着手できない」という。なぜか。
天皇の退位・即位に伴う祝日がまだ固まっていないためだ。現在の天皇陛下が即位するまでは、昭和天皇の誕生日である4月29日が「天皇誕生日」だった。平成になると、現在の天皇陛下の誕生日である12月23日が「天皇誕生日」になり、4月29日は祝日「みどりの日」になった。その後、2007年に祝日法改正で、「みどりの日」は5月4日に移動、4月29日は「昭和の日」と呼ばれるようになった。
カレンダー作りは通常、その年の2年前の1月から始まる。つまり、新しい天皇が即位する2019年のカレンダーは、2017年1月からすでに原稿作りが始まっている。校閲などを経て、内容がほぼ固まるのは、まさにいま12月。「直しにぎりぎり対応できるのは、12月中」(同連合会)という。
担当者は「カレンダーは国民の生活に密着している製品。誤った情報を載せると、国民生活に大きな影響を与える。密着度でいうと、平日なのかお休みなのかがとても大事。カレンダーの印刷に当たっては刷り直しになる。混乱しないためには、いまのタイミングで祝日の情報が決まらないと厳しい。」と気をもむ。
天皇陛下の退位日と、皇太子さまの即位日については、12月8日の閣議で正式に決定する見込みだ。「その日、祝日についても何らかの情報が出たら」と、担当者は期待を寄せる。