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8otto×後藤正文×五味岳久 未来世代のために語る音楽と生活の話

8otto×後藤正文×五味岳久 未来世代のために語る音楽と生活の話

8otto『Dawn On』
インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:岩元崇 編集:山元翔一 取材協力:FLAKE RECORDS

「音楽と生活。8ottoは盟友LOSTAGEとは別の方法で、ロックバンドが音楽と共に生きてゆく方法を提示していると思う」「今年リリースした俺らのアルバムは間違いなく最高の出来だった、それに比べてあいつらのアルバムはどうだ。最高に決まってるよな」――これはそれぞれASIAN KUNG-FU GENERATIONの後藤正文と、LOSTAGEの五味岳久が、8ottoのニューアルバム『Dawn On』に寄せたコメントの抜粋である。まだ未聴の方は、まずは一度聴いてみてほしい。君の心に火を点ける、素晴らしいカムバック作だ。

前作『Ashes To Ashes』のリリースからは6年が経過。音楽業界は変化を続け、メンバーの生活にも変化があった。その間、彼らは何を考え、どのようにバンドを転がしてきたのだろうか。8ottoからMasaki MaenosonoとTORA、さらには『Dawn On』にプロデューサーとして参加し、リリース元のレーベル「only in dreams」主宰でもある後藤と、手売りのみで発売した『In Dreams』が大きな話題となった五味を迎え、それぞれの視点から「音楽と生活」について語り合ってもらった。

仕事しながら音楽やるのって特別なことではないけど、いざ働き始めたら思ってた以上に大変で。(TORA)

—先日8ottoの6年ぶりのアルバム『Dawn On』が発表されました。この6年はバンドにとってどんな期間だったのでしょうか?

Maenosono:前のアルバム(『Ashes To Ashes』)を出したあとも曲はいくつかできてて、次もいいペースで出せたらなって思っていたんですけど、生活のペースと活動のペースがだんだん合わなくなっていったんです。当時の僕は家庭と仕事がグチャグチャの状態で、次のライブを決めるのもままならなくなっていて。

Masaki Maenosono(8otto)。取材は大阪にあるレコード / CDショップ「FLAKE RECORDS」にて行われた
Masaki Maenosono(8otto)。取材は大阪にあるレコード / CDショップ「FLAKE RECORDS」にて行われた(サイトを見る

—それで歩みを止めざるを得なかったと。

Maenosono:そうです。そのあとちゃんと仕事をやり始めて、活動のペースも落ち着いてきて、曲もいい感じに揃ってきた頃にゴッチ(後藤)が「そろそろアルバム出したほうがいいんじゃない?」って言ってくれて。

TORA:マエソン(Maenosono)が大変になってた時期は、他の三人はまだちゃんと仕事をしてなかったのもあって、マエソンにペースを合わせていたんです。でも、そうなるとバンドを動かしたくても動かせないから、それぞれのモチベーションが下がっていって。

そういう状況でいろんな人と話すなかで、「みんなちゃんと仕事したほうがいいんじゃない?」ってことになったんです。仕事しながら音楽やるのって、特別なことでも何でもないから、そういうやり方に切り替えればいいんじゃないかって。でも、僕も含めていざ働き始めたら、思っていた以上にスケジュール調整が大変で、それで6年かかっちゃったっていう(笑)。

TORA(8otto)
TORA(8otto)

8otto『Dawn On』収録曲。監督はTORAが務めている

当時はメジャーにいけば、売れて、音楽で食えると思っていた。(五味)

—LOSTAGEも2000年代後半にメジャーを経験して、その後自主での活動に切り替えたという意味では、8ottoと近い歩みをしていると言えますよね。

五味:ちょうど同じくらいの時期のメジャーデビューで、会社は違ったんですけど、お互い「一旗揚げるぞ!」ってめちゃめちゃ意気込んでたときに出会って。で、一度バーンといったはいいけど、同じような感じでしぼんで(笑)。そこからのやり方は違うけど、自分がやれるキャパのなかでどうやって続けていくかっていうスタンスは今も同じかもしれないです。

—当時は音楽と生活のバランスについて、どう考えていましたか?

五味:その頃は何も考えてなかったです。メジャーにいけば、売れて、音楽で食えると思っていたんで、バランスどうこうは考えず、ひたすらバンド活動に専念して頑張れば、何とかなると思ってた。

まあ、浅はかだったんですよ。時代的にもちょうどCDからデジタルに移行していく時期で、僕らのやっている音楽もちょっと歪だったですし。結局無理だったから、やりたいことをやるために、「これくらいなら仕事できるな」とか、やりながら考えていった感じですね。

五味岳久(LOSTAGE)
五味岳久(LOSTAGE)

—後藤さんは20代でデビューしてから、メジャーの第一線で活動を続けていらっしゃいますよね。

五味:ゴッチはいつから音楽だけなの?

後藤:メジャーにいってからだから、26歳とかかな。最初は給料少なかったけど。

五味:その前は会社員やってたんだよね?

後藤:やってた。だから、働いている人のこともわかるんです。自分は運がよかったと思うところもあるけど、「音楽だけで食ってる」とかは関係なく、周りにいる友達はみんなかっこいい音楽を作っていて、その作品に優劣はないと思います。

そもそも、「プロかプロじゃないか」って考え方自体が変だと思うし、みんながもっと普通に音楽をやれるようになったらいいと思う。普通に音楽をやるための手伝いをしたいっていうのは、前から思っていることですね。

後藤正文(ASIAN KUNG-FU GENERATION)
後藤正文(ASIAN KUNG-FU GENERATION)

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リリース情報

8otto『Dawn On』
8otto
『Dawn On』

2017年10月18日(水)リリース
価格:2,500円(税込)
ODCP-016

1. Ganges-Fox
2. SRKEEN
3. Romance
4. It's All Right
5. 赤と黒
6. Rolling
7. Summer Night
8. 愛を集めて
9. Mr. David
10. I Wanna Light

プロフィール

8otto
8otto(おっとー)

2004年8月8日結成。2004年、2005年とNYへ渡りDEMO制作、LIVEを行う。SUMER SONIC、RISING SUN ROCK FES、ROCK IN JAPAN、NANO-MUGEN FESなどのFESや浅井健一Johnny Hell Tourなど、多数のイベント、ツアーに出演。初の全国ワンマンツアー、日本全国47都道府県ツアーなどを行い、2010年ライブ活動休止。2010年末、約1年の休止を経て復活。復活後、FUJI ROCK FESTIVAL出演、韓国でのライブ、初のUK&Parisへのツアーなどを行う。結成8周年にあたる2012年8月8日には心斎橋BIG CATでの自主企画『One or Eight』を大成功に収めた。OASIS、The Rapture、Beady eyeなど海外アーティストとの共演も多数。2015年にはニコニコ動画などで配信されているアニメ『ニンジャスレイヤー フロムアニメイシヨン』第4話のエンディングテーマ「SRKEEN」を書き下ろした。2017年10月、ASIAN KUNG-FU GENERATIONの後藤正文全面プロデュースのもと、約6年ぶりとなるアルバム『Dawn On』をリリース。2018年2月6日の代官山UNITのワンマンライブを皮切りに全国ツアー『Dawn On』Release Tour 2018-1019 –TOUR TBA−の開催が決定している。

後藤正文(ごとう まさふみ)

ASIAN KUNG-FU GENERATIONのボーカル&ギターであり、楽曲全ての作詞とほとんどの作曲を手がける。これまでにKi/oon Music (SONY)から8枚のオリジナル・アルバムを発表。2010年にはレーベル「only in dreams」を発足させ、webサイトも同時に開設。また、新しい時代やこれからの社会など私たちの未来を考える新聞「THE FUTURE TIMES」を編集長として発行するなど、 音楽はもちろんブログやTwitterでの社会とコミットした言動でも注目される。Twitterフォロワー数は現在310,000人を超える。2016年6月、約2年ぶりとなる2ndアルバム『Good New Times』をリリース。

五味岳久(ごみ たかひさ)

1979年生まれ、奈良県桜井市出身。2001年に実弟・五味拓人と共にロックバンドlostage(LOSTAGE)を結成、現在も地元・奈良を拠点に精力的に活動中。実店舗兼インディーレコードレーベル「THROAT RECORDS」主宰。2017年6月より、7枚目となるフルアルバム『In Dreams』を、ライブ会場と「THROAT RECORDS」店頭およびオンラインストア限定で販売している。

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