ニュース
» 2017年12月01日 10時00分 公開

「Google Play」にマルウェア感染アプリ、古い脆弱性やパーミッションを悪用

Tizi感染アプリは、古いバージョンのAndroidやチップセットなどの脆弱性を突いて、管理者権限を獲得していた。

[鈴木聖子ITmedia]

 人気SNSアプリから、情報を盗み出すバックドア型マルウェアが、数年前からGoogleの公式アプリストア「Google Play」で配信されていたことが分かり、GoogleがAndroidデバイスから削除する措置を講じたことを明らかにした。

 Googleの11月27日のブログによると、このマルウェア「Tizi」は、アフリカのケニアを中心とする複数の国で、標的型攻撃に使われていた。古い脆弱性を突いて管理者権限を取得するアプリが2017年9月に発見され、詳しく調べた結果、複数のアプリにTiziが仕込まれていたことが判明。古いものでは2015年10月から存在していたという。

photo Tiziは、アフリカのケニアを中心とする複数の国で、標的型攻撃に使われていた(出典:Google Security Blog)

 Tiziの作者はWebサイトやソーシャルメディアを通じて、Google PlayやサードパーティーのWebサイトから、ユーザーに感染アプリをインストールさせていたことも分かった。

 管理者権限の獲得には、古いバージョンのAndroidやチップセットなどの脆弱性が利用されていた。脆弱性は全て、2016年4月までにリリースされたセキュリティパッチで修正済み。ただし、悪用された脆弱性が全て修正されている場合でも、高いレベルのパーミッションを通じて、SMSメッセージや通話を不正に操作されるなどの恐れはあるとしている。

photo Tiziの作者はWebサイトやソーシャルメディアを通じて、Google PlayやサードパーティーのWebサイトから、ユーザーに感染アプリをインストールさせていた(出典:Google Security Blog)

 Tiziは約1300台のデバイスで感染が確認されたといい、Googleではアプリの安全性をチェックする「Google Playプロテクト」を使って、影響を受けたデバイスでTizi感染アプリを無効化し、ユーザーに通知した。開発者のPlayアカウントは停止された。

 Googleでは、Tiziのような有害アプリがデバイスに感染するリスクを低減するため、Androidユーザーに対して以下のような対策を促している。

  • パーミッションの確認
  • 画面ロックの設定
  • デバイスの更新
  • Google Playプロテクトの利用
  • デバイスのロケーション確認

関連キーワード

Google Play | Android | マルウェア

Copyright© 2017 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

セキュリティ記事ランキング

  • 本日
  • 週間
  • 半月
  • 月間

Special

- PR -

中堅中小企業の「データの見える化」を後押しするERPが選んだデータベースとは? 「長く使えるERP」になるためにはどのようなインフラが必要なのか?

まだ使えるし安定しているのに、保守切れだからといってサーバやネットワーク機器を変えるのは手間も時間もコストも掛かる……。その悩み、解決できるとしたら?

2020年1月にWindows 7の延長サポートが終了します。Windows 10に順次移行する必要がありますが、そのためには準備が必要です。何をすればいいのか確認しましょう。

いよいよ2019年1月から適用される「IFRS16新リース会計基準」。業務負荷が増加する会計処理を、ミスや抜け漏れなく行うために注意すべき4つのポイントとは。

タスクの海に溺れて凡ミスを連発し、ホウレンソウもなってないあの営業担当が生まれ変わった! 彼の働き方を変えた、セキュリティと効率化に効くITツールとは?

現場を含めた約230人でWindows 10の検証を進めるCygames。一度は移行プロジェクトをストップした同社が、今どのように移行を進めているのか? 「ぶっちゃけ話」を聞いた

機能も十分、使いやすさもOK。それでも、そのシステムが使われないのは、情シスの責任? 東洋大学の情シスが語る、システムを使ってもらえる「文化」の作り方

企業のPC運用管理業務を一括で請け負い、ハード・ソフトの調達からセットアップデリバリー、運用管理、保守、撤去までワンストップで提供。14年の実績があるサービスとは

データベースの統合に関していうと、サーバ仮想化技術は必ずしもベストではないんですって!その理由、分かってますか?私、加藤多佳子がクローズアップしちゃいます!

働き方改革を進めるために「RPA」を導入する企業が増えているが、RPAで自動化できる業務はほんの一部。本当に業務を変えたいなら、人間の「判断」を自動化するべきだ

違反したら巨額の罰金がある、来年施行の「GDPR」。その中でも保護は重要なステップの1つだ。なぜ特権ユーザーが危ないのか、どのようにGDPRを進めるべきなのか紹介する。

ピックアップコンテンツ

- PR -

注目のテーマ

マーケット解説

- PR -