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【大相撲】

貴乃花親方、処分も 理事会が決議

2017年12月1日 紙面から

日本相撲協会の理事会に臨む貴乃花親方=両国国技館で(七森祐也撮影)

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 日本相撲協会の定例理事会が30日、東京・両国国技館で開かれ、元横綱日馬富士の暴行問題に関して、巡業部長として協会への報告義務を怠った貴乃花親方(元横綱)が処分される可能性が出てきた。「具体的リスク発生後、速やかに主管部の長又は主事に必要な報告をする」と協会のリスク管理規定にあり、それを受け、今回の問題で「必要な懲戒を行う」ことなど理事会で決議した。

 元横綱日馬富士が貴ノ岩への暴行問題を起こしたのが10月26日未明。貴乃花親方が弟子の貴ノ岩とともに、鳥取県警に被害届を提出したのは3日後の29日だった。

 その時点でもまだ巡業部長である貴乃花親方から協会に報告はなく、協会が知ったのは11月2日に受けた鳥取県警からの連絡だった。その後も、協会の調査に「分からない」など、説明を怠った事実がある。

 協会のリスク管理規定には、「具体的リスク発生後、速やかに主管部の長又は主事に必要な報告をするとともに、その後の処理については関係部署と協議を行い、主管部の長又は主事の指示に従う」とあるが、それに違反した場合の罰則はなかった。

 だが、この規定を根拠にして話し合われたこの日の理事会。様々な話し合いが行われ、3時間半にも及んだ。「横綱日馬富士による暴行問題に関し、事実の全容を解明し、必要な懲戒を行い、適切な再発防止策を策定するため、すべての理事、監事、協会員、職員が結束して協力し合う」と決議された。懲戒の対象は、日馬富士だけでなく、監督者である伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)、そして貴乃花親方も入ってくる。

 協会は再三にわたり貴ノ岩が危機管理委員会の調査に協力してくれるよう貴乃花親方に要請してきた。それを断り続けることも今回の決議に照らせば懲戒対象となる。

 危機管理委員長の高野利雄外部理事は「警察の捜査が終わった段階で協力すると言われた」と説明したが、「ただちに処分するかは考えてないが、おっしゃる通りきちんと協力していただく、理事としての責務があるのではないか」とした。

 日馬富士が引退しても貴乃花親方には被害届取り下げの意志はなく、書類送検後に貴ノ岩に協力させる方針だ。協会は12月20日に臨時の横綱審議委員会を開き、その後に臨時理事会を開催。年内での暴行問題決着を目指す。

 

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