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ロボットが薬品運搬 名大病院 新診療棟で導入

(2017年11月29日) 【中日新聞】【朝刊】【愛知】 この記事を印刷する
画像内覧会でお披露目された搬送ロボット=名古屋大病院で

 名古屋大医学部付属病院(名古屋市昭和区)は、来年1月に新診療棟を開くのに際し、人手が薄い夜間に薬品や検体などを自動で運ぶロボットシステムを導入する。28日に内覧会を開き、関係者にお披露目した。

 ロボットは豊田自動織機(刈谷市)と共同開発し、国内の病院での活用は珍しい。高さ1.25メートル、重さ120キロ。自動運転の技術をベースに、時速3.6キロで走る。本体に搭載したレーザーやカメラで周囲の状況を確認し、障害物を避けたり、音声で人に注意喚起したりする。

 看護師や薬剤師、検査技師などの使用を想定し、操作は職員証で個人認証する。ロボット内の棚に物を入れて行き先を入力すると自動で目的地に向かう。管理システムでエレベーターとも連動し、階も移動できる。

 薬品や血液製剤、尿や血液などの検体の運搬は、特に人手が少ない夜間はスタッフの負担になる。ロボットは一度に30キロ、90リットルの量を運搬でき、効率アップにつながる。

 来年2月から計4台で実証実験を開始。当面は午後5時〜午前8時、集中治療室と検査部や薬剤部との間で運用し、経路や配置、時間の拡大を検討する。

 新しい中央診療棟Bは旧西病棟跡地に建設し、8月に完成。地上7階、地下1階建て。放射線治療システムなど最先端の設備を備え、通院での抗がん剤治療室を拡充するなどした。(小椋由紀子)

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