記事まとめ
- 日本マクドナルドホールディングス12月期通期の純利益は過去最高の200億円の見通し
- カサノバ社長が従業員の賃金水準を上げ、モチベーションが明らかにアップしたという
- 前CEOの原田泳幸氏と逆の経営手法を辛抱強く続け、結果が思いの外早く出た
マクドナルドが虫の息から黒字に転換した「意外な理由」
(提供:週刊実話)
'17年12月期通期の純利益は過去最高の200億円を見通しており、来期は10年ぶりに新規出店への投資に力を入れる姿勢も見せている。
マクドナルドと言えば'14年7月に発覚した中国の協力工場で期限切れの鶏肉を使用した、いわゆる『鶏肉偽装問題』に加え、翌'15年には相次いで異物混入問題も発覚。信頼は地に落ち、上場以来最大の赤字を記録した。たった2年間で過去最大の大赤字から過去最高の黒字へと、驚異の回復を遂げたわけだ。
「一番大きな改革は、カサノバ社長が従業員の賃金水準を上げたことです。モチベーションが明らかにアップしました。前CEOの原田泳幸氏はコストカットを標榜する経営者で、目先の数字を作り出すことには長けていた。しかし、長い目で見た場合、それは劇薬でしかありませんでした。
カサノバ社長は就任当初、原田氏が残した負の遺産の多くをかぶりましたが、逆の経営手法を辛抱強く続けてきた。その結果が思いの外、早く出たということだと思います。先日、久しぶりにマクドナルドに行ったという人の話を聞きましたが、ビックマックの積み方が、以前は食べる前に整える必要があったが、きれいに揃っていたそうです。これもきっと、一つ一つ丁寧に作っている証しなのでしょう」(経済アナリスト)
従業員の賃金上昇は安倍政権が言い続けていることだが、企業側の重い腰はなかなか上がらない。しかし、従業員のモチベーションアップが業績の向上につながった、このマクドナルドのような事例が浸透すれば、経営者の発想も少しは変わるのではないだろうか。