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2017年6月27日(火)

大坂万博の誘致どうなる!?

1970年の大阪万博、技術の粋を集めて表現された未来社会に、大阪は大いに活気付きました。

それからおよそ半世紀。

大阪は再び万博を開くために、ライバルと熾烈な誘致レースを行っています。

 

【60代男性】

「やってほしいなと思うけどね」

「あれ(1970年の大阪万博)で大阪活気出たしね」

 

【20代女性】

「万博自体あまり興味がなくて・・・」

 

万博という夢をもう一度。

この願いは果たしてかなうのでしょうか。

 

おととい開かれた万博誘致のイベント

大阪府の松井知事と熱い議論を交わすのは、特別顧問として誘致のアドバイザーを務める堀江貴文さんです。

 

【大阪府大阪市特別顧問 堀江貴文さん】

「これね、招致はすごいたいへんだと思いますよ」

「プレゼンテーションする人も大事なんですよ、そらもうね、英語でバシっと…」

 

【大阪府 松井一郎知事】

「I am Ichiro Matsui the governor of Osaka prefecture」

「Expo 2025 Osaka, Kansai, Japan」

 

松井知事が英語でバシっとスピーチした場所は、フランス・パリで今月14日開かれたBIE、博覧会国際事務局の総会です。

 

【大阪府 松井一郎知事】

「大阪の交通インフラは国内移動も、そして国外に向かうにも便利です。おもてなしの心を持って世界の皆さんをお迎えします」

「相当英語でのプレゼン練習されたと聞いていますが、出来栄えの方はいかがでしたか?」

「それはもう、評価は自分ではしません」

 

【経団連 榊原会長】

「すばらしい出来でした」

 

【大阪府 松井一郎知事】

「いえいえ」

 

日本のほかに立候補しているのは、88年ぶりの7回目の開催を目指す万博の常連、フランス・パリ、2020年の万博にも名乗りを上げ、ドバイとの誘致競争に敗れたロシア、「人類の首都」をテーマにロシアと同じく初めての開催を目指すアゼルバイジャンの3か国です。
 

【大阪府 松井一郎知事】

「いやもう相手がどこであれ、我々は我々の良さを伝える。日本が一番世界の課題を解決できる技術とサービスを持ってる、そういうことを分かってもらえるのが一番だ」

 

一番の強敵は、博覧会国際事務局の本部のある、フランス・パリです。

今年から誘致活動を始めた大阪に対して、5年前から始めていたパリは、すでに会場の完成予想図まで提示しています。

2025年の万博開催に全力を捧げる松井知事ですが、町の人に聞いてみると、世代によって意見が分かれました。

 

【60代女性】

「来てほしいです」

「昔の万博も来た事あるんですけど、また生きてる間に」

 

【60代男性】

「よかったよ、あれ(1970年の大阪万博)で大阪も活気でたしね」

「やって欲しいなと思うけどね」

 

【10代男性】

「大阪が万博を開こうとしているってご存知ですか」

「知らないです」

【20代女性】

「万博自体あまり興味がなくて」

 

【20代男性】

「盛り上がってくれたらいいなと思いますけど、いまの感じではそこまでいかないのかもしれないですね」

 

1970年の大阪万博を経験した世代は好意的な意見が多かった一方、若い世代は興味を持てないという意見が目立ちました。

 

そんな大阪万博ですが、甲子園球場およそ100個分の広さのある人工島、夢洲が開催地となっています。

 

【記者リポート】

「見渡す限り雑草と砂利が広がるこの何もない夢洲に、大阪は万博という夢をたくしました」

 

鉄道などの交通インフラが整備されていない夢洲が、なぜ万博の開催予定地になったのでしょうか。

 

【大阪府 松井一郎知事】

「人が住んでないからです。人が住んでないエリアそれも都心部にあるというのは大阪だけですから」

 

夢洲や舞洲などのベイエリアは、2008年夏のオリンピックの会場予定地として埋め立てが始まりましたが、誘致に失敗、それ以来、有効活用されることはありませんでした。

まちづくりの専門家は、万博の開催が大阪を再び活性化させることができると考えています。

 

【大阪府立大学 橋爪紳也教授】

「(万博は)夢洲全体のまちづくりの先導的な役割を果たすでしょうし、それ以上に大阪で国際的な博覧会が行われたというメッセージが世界にでますから、世界の中で大阪という都市の存在感をアピールするチャンスである」

 

 

一方、関西の若者たちも、万博開催の実現に向けて、動き出しています。

中高生たちが8年後、どんな大阪万博にしたいか、次々にアイディアを出していきます。

主催したのは、関西の医学生を中心としたグループです。

 

【大阪大学医学部医学科4年 薬王俊成さん】

「若者が関わっていかないといけないなっていう、ある意味一種の危機感って所をいろんな所見てて思いまして、若者から万博を誘致する、万博を作るっていうことが過去いままでの万博の歴史上ないので、そういったところに非常に面白みを感じて」

 

話合いの結果、「折りたためる会場」を作ることで、会場を解体する必要性をなくし、跡地利用の問題を解決しようといったアイディアが披露されました。

 

【高校1年生】

「(万博のことを)考えたこともなかったですけど、今回みんなの意見とか聞いて、本当に日本をほかの国に伝えることがすごく大事だと思ったし」

 

【高校3年生】

「8年後って言ったら、いま自分たちが想像する以上に医療も技術も発展していると思うので、大人では思いつかないような高校生ならではのアイディアで若者を主体として万博を動かしたい」

 

万博の開催予定地、夢洲で熱心に写真をとっている男性。

 

【男性】

「この辺がメインゲートでとか、自分の頭の中で勝手にパビリオンを作れてますから、僕としては今いろいろたっているよりも何もないときの方がギャップが大きいので、そういう風な方が逆にドラマとしては面白いんじゃないかと」

 

何もない草原を熱く語るのは、万博マニアの二神敦さん(44)。

8歳の時、地元の神戸市で開かれたポートピア博を訪れてから博覧会の虜に。

これまで世界各地のおよそ140ヵ所の博覧会を訪れました。

 

【二神敦さん(44)】

「定期的に博覧会にいかないと禁断症状がでてしまって、博覧会の開催イヤーだと必ずはじめと終わりの2回は行かなければちょっとという風に」

 

そんな二神さんが一番憧れるのは、自分が生まれる前に開かれた1970年の大阪万博です。

 

【二神敦さん(44)】

「うちの両親もそうなんですけれども、これだけ海外、100も200も行っても、これひとつみれば十分だと聞かされてきた70年万博に間に合わなかった人間としては、またこの大阪で2025年に地元関西で見たいと思いますね」

 

大阪がライバル国に勝つためには、今年の11月のプレゼンで、どれだけ具体的な中身を示せるかが鍵を握ります。

 

【大阪府 松井一郎知事】

「いすが動くみたいな、ちょっと装置つけたらそのまま自分が移動できている」

「ドラえもんの漫画のタケコプターですよね、そういうのはドローンの技術とか新しい技術革新が生まれれば出来るんじゃないかと思うけどね」

 

大阪はよりよい未来を示せるのか。

誘致競争は、ここからが本番です。

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