投稿日:

なんでみんなが「ニコニコは一切改善努力をしていない」と言ってるのかわからない

…ということを言ってたら否定的なリプも幾つかもらい、方々で逆張り野郎と嘲笑されてるので理由をかく。どうせ僕はJASRACのまわしものでありNHKのまわしものでありPixivのまわしものでありニコニコのまわしものである。

逆張り野郎と思うのは結構だし特に否定もしない。むしろネットの7割8割が嘘つきだと思ってるので、ただの逆張り野郎のが僕はマシとすらおもってるし、好きに言えばいいと思う。少なくとも僕は「ニコニコは改善努力をしていないというのはウソだろう」と思っているからこう主張している。

僕の主張をまとめると次になる。

  1. 当然ながらniconico(く)の発表会で出された新機能のほとんどはクソすぎるというのは同意する
  2. しかしあの発表会でニコニコが発表したシステム構成そのものは間違ってるとは思わない
  3. ニコニコが一切の改善をしていないはウソで、むしろここ1年前後は明らかに最も仕様変更が行われた時期にあたる
  4. ニコニコに皆が求めているクオリティーはYouTubeであり、その実現は根本的に不可能であり無理な要求である

以下アホほど長文をかく。以上で納得できないなら読めば良いし、アホらしいならどうぞお好きに。単に自己弁護のためにかいてる。

今回の発表会が下らないのは当然

1についてはほとんど説明不要だと思う。

当たり前だがニコ割ゲームだの、配信画面で9面パズルだのやるわけがない。というか以前も似たようなものは実装されていたが、やった記憶がほとんどないしやりたいとも思わない。

オープニングやエンディング映像機能についても同様だろうと思う。どういったシステムでするのかしらないが、おそらくやりたいことは「映像合成が簡単にできる」という点だろうと考えると、デモでやっていたような合成部のある素材を提供したいのだろう。しかし作られる映像は一昔前の家庭用カメラのお寒い映像だったし、素材が良ければ途端によくなるとも思えない。というか根本的にオープニングやエンディングをつけるという発想自体がくだらない。YouTubeのオープニングのキャッチムービーなど本当にくだらないと思うのに、それを長々とやるなんて正気を疑うし、テレビやYouTubeの真似事でしかない。ニコニコの今までの文化そのものともあってないし、将来性もない。

だから発表された機能のほとんどは下らないというのは同意する。

しかしやりたいことが根本的に間違ってるとは思わない

しかし一方で、やりたいこと自体はわからないではないというのはある。僕は内部の人間ではないので詳細を知っているわけではないが、少なくともあの発表を見る限り今までの状態は

通常サーバー + 個別のサービス用の増設サーバー

というツギハギ状態であり、手をいれるのが非常に困難な状態にありメンテナンスや開発に非常に問題があった可能性が高い。ニコニコ側の発表をきくならば、今回のシステム改変は上のサーバーを

新サーバー+双方向サービス用の汎用サーバー

という構成にしたと考えられる。

奇しくもこのサーバーが必要となるであろう例が「ニコる」だったのではないかと思われるので、質疑応答のコーナーは興味深い。ニコる機能はまさにツギハギ的に追加のシステムとサーバーを必要とするシステムであり、そのため保守性や開発が根本的に難しかったために廃止されたと思われる(川上量生の弁が正しければだが)。

事実、元社員の記事によればニコニコはシステムの維持が至上命題化しサーバーの把握が著しく困難になっており、使われなくなった機能を停止することすら難しいと記している。もちろん以上の記事は人間関係の問題が多分に含まれるのでシステムだけの問題ではないだろうが、川上量生の今回の発表が「新しいシステムを開発することを容易にするため」という弁が複数回みられたのは、こういった複雑化したサーバーシステムを一から作り直し、シンプルで真っ当に運営できる状態に開発しなおしたかったのではないかと考えられる。

「それによって実現できるのがパズルやクイズやバッティングゲームかよ」というのはごもっとも。本当に自分も下らないと思う。思うが、あくまで新システムならこういったことも簡単に出来るという、現状のデモンストレーションでしかないのだから、アイディアとして面白いことができるかどうかはまた先の話ということではないかとは思う。

それは技術者的な理屈であり、エンドユーザーからしたら関係ないというのもわかる。わかるが、まず根本のシステムそのものを作り直す必要があるというのは間違っているとは思わないのだ。皆がいっているであろう基礎性能の向上も、モダンな開発環境が実現しなければ実現できるとは思われないし、古い環境のツギハギをマシンパワーで無理矢理まわすのは開発者も金も時間も浪費するだけで、結局誰も幸せにならないんじゃないか。

ここから先は完全に推測だが、やはり根本のサーバーのシステム開発が現状で最も苦しんでいるポイントなのだろうと思う。そこにマンパワーを投入している以上、実装されるシステムがあんな程度のものなのではないかと思うがどうだろうか。

実際、ほとんどの機能は以前あったものを載せ直しただけにすぎない。動画引用機能などはとくに、以前からあった機能な上に、通常なら機能更新として平時のおしらせにあがるレベルの機能だ。そういった機能まで発表会に詰め込んでる時点で、アイディアより先に実装を優先した結果じゃないかと思われる。

はっきり言えば、そもそも発表会の予告などしなければそれが一番よかったんじゃないかと思うが…何かしらの突き上げがあったのかもしれない。こういうこというと一層「ニコニコの肩もとうとしすぎでキモい」とかいわれるんだろうけど、少なくとも実際に働いてるのはみなと同じ普通の人間なわけだ。労働者に寛容になろうよって時代なんだし、寛容にみてあげてもよかったんじゃないかと思う。

一切ニコニコが改善を行っていないとは思わない

ここ一年前後のニコニコの仕様変更は次のようなものがある

  1. 16年8月 投稿容量が1.5GB制限完全エンコード制に移行
  2. 16年10月HTML5版プレーヤーを発表
  3. 16年12月 レジューム再生に対応
  4. 16年12月 新配信ベータの提供開始、1Mbpsへ対応
  5. 16年12月 動画保存量上限緩和
  6. 17年4月 新配信が2Mbpsへ対応
  7. 17年7月 HTML5プレーヤー正式版リリース
  8. 17年5月 HD画質エンコード条件緩和(30分動画まで有効)
  9. 17年8月 ニコ生配信予約無料化
  10. 17年11月 ニコ生新配信への完全移行
  11. 17年11月 マイリスト作成数の上限を増加

もちろん、この中にはいかがなものかという機能は多くあるだろうとは思う。

1.5GB移行については、字面の景気のよさに比べて実際はサーバー側でのエンコードを必ず受けるシステムになったことで批判をよんだ。今までは100MB以内の動画であればエンコードがかからず投稿できたのが、関係なくサーバー側での再エンコードを必ず受けるので、短い動画も画質が劣化するというのが当然になってしまった。これはゲーム投稿者など比較的長い動画投稿者が優遇を受けるという結果になる。

しかし結果的にいえば、複雑な手順を踏むことになり煩雑とはいえ、少なくとも30分以内の動画はHD解像度で上げられるようにもなった。何もかも素晴らしいとは言わないが、全般的に緩和している。

というか1年でここまで条件を緩和したり新しいシステムを導入した年はむしろ今年以外にあったか?と思う。動画の保存量はプレミアムなら上限がなくなり、放送のビットレートは大幅に向上し、延長は無料で誰でも6時間できるようになり、30分までHD再生可能になって、画質や利用に関わる多方面で実用的な点で緩和が進められている。

逆にききたいのだが、これでもまったく駄目だという層は何を望んでいるのだろう?

もちろんFHDのがいいとか、もっと動画のビットレートを上げろ等はあるだろう。おそらくその努力はなされていると思うが少なくとも川上量生の発表会での言葉では確約されたものではない。将来の希望的観測はこの記事では省いておく(ただし来年に動画の完全保存自体は宣言されてるので実行されるのだろうし、それがそのまま直近で高画質化するわけでなくとも、今後改善された画質への対応を進める予定はあるのだろうとは思う)

重いってのも本当なんだろうか。自分はこの期間、第四世代のi5/GF560ti(概ねミドルレンジ)から第八世代のi7/GF1060(ハイエンドとミドルの中間程度)に変わったが、いずれの環境でも明らかにHTML5プレーヤーになって軽くなったと感じるしCPUの消費率はFlashから下がったと感じる。何よりFlash特有の、クラッシュや不具合がないのはストレスがかなり解消された。HTML5動画は、それぞれのブラウザや各個のグラフィックドライバに依存するので一概にどうこうはいいづらいのはある。しかし軽く検索をかけたが、HTML5版のが負荷は低いとコメントしているものが複数みられる。

川上量生は今回の発表会ではまだHTML5プレーは重いと言っており開発段階なのだろうと思われるが、現状でも随分マシになったし自分の体感では普通に使えている。

そもそもHTML5版になり(記憶違いがあったら申し訳ないが)

  • レジューム再生が可能になった
  • ウインドウサイズにあわせた可変サイズが可能になった
  • 秒単位でのシークが可能になった

等、随分動画も見やすくなる仕様になったと思うんだが、それも改善じゃないんだろうか。よくわからない。

そんなの今更できても当たり前だ!というのかもしれない。でも僕はそれは話がおかしいと思う。君らは「YouTubeになれとはいわないが、もう少しマシにしろといってる」という主張が大半だと思っていたが、「もう少しマシ」にしたら「そんなの当然だ」というのだろうか。じゃあ具体的にどうしてほしいの? やっぱYouTubeになれっていってるんじゃないかと思うが、どうだろうか。どんな動画もFHDも4Kも投稿できて、ビットレートも最大限緩和されて、リンク開いてちょっとしたらすぐ再生みたいな状況が「当然」であり、CPU負荷が数%下がったとか、30分以内ならHD動画アップできるとかは「改善の内ではない」のかもしれない。でもそれは無理だと思う。

海外競合や、赤字が許される新進サービスと競争するのはそもそもムリ

別に否定的にいってるんじゃなくて、常識的にわかるでしょうという意味で言ってる。YouTubeは全世界の人間がみて集約されているサービスであり、なおかつGoogleの巨大インフラ上に構築されているものだ。いくらニコニコは会員登録によって絞ったり、プレミアム会員という課金制度があると言っても競争できる相手ではない。twitchもあのAWSをやってるAmazon傘下だ。前提条件がまるで違う。

AbemaTVなどをあげる人もいるかもしれない。しかし直近でAbemaTVは四半期で52億円もの赤字をあげている。これはちょっとびっくりする数字で、メディア事業の売り上げが64億円で、一部を他で相殺しながらの52億円の赤字は普通はありえない数字だと思う。それを許容できるのはサイバーエージェントが他の事業で十分食える体力をもっていることと、この事業は投資対象として進めているからと思うのが普通だろう(僕のみかたが誤っていたりずれてたら申し訳ない)。

ニコニコも当初は赤字で構わないという時期があったが、ここ数年は平均して黒字経営を続けている(前四半期に赤字を示すと鬼の首をとったように騒ぐ程度には)。直近四半期の利益業績が77%も下がったことが話題になった。確かにプレミアム会員は減少しつつあるが、プレミアム会員がそんだけ離れたというわけではなく投資に回っているからだ。なにに投資しているかというと今話題にしている新しいシステム開発等ということになっている。

実際問題、日本国内企業でニコニコ以外で長期間残っている動画サービスって存在するだろうか。それもユーザー動画、ユーザー放送主導といった形だとほとんど存在していないか、忘れられたサービスだらけだ。別にだからあぐらをかいてもいいと言わないが、無茶しても許されるか許されないかのフェーズは存在すると思う。四半期毎に数十億の赤字を出しても構わないなら出来ることもあるかもしれないが、それをある程度続いている企業に望むのは違うのではないかと思う。

多くの人は「誰もYouTubeになれとはいってない」という。では何を望んでるんだろうか。先に示したとおり、僕はかなり基本の部分に手をいれてると思うし、サーバーの構築も最も根本的なところでテコ入れされていると思う。でも駄目だという。僕はそれはやっぱり「YouTubeじゃないから」だと思うし、そうじゃないと言ってる人たちはみんな嘘つきだと思ってる。

そもそも批判してる連中の大半は卑怯だと思う

今回の発表会がすべってるのは僕もそうだと思うし、その件をいろいろいわれるのはしょうがないと思う。でも「基本的な部分が~」って言ってる層は何をいってるんだろうか。ていうかそもそも見てないんじゃないのって思うんだがどうだろうか。調べもせずに言っているのではないかと思うがその点どうなのでしょうか?

大体、レジューム再生や延長完全無料化を「変化の体感がない」なんてことありえますかね?でも周囲の感想を聞いてるとあたかも何もなかったかのようだ。僕はそれは卑怯だと思う。

僕はニコニコははっきり言えば嫌いなところがいくらでもある。ニコニコニュースはまとめブログ並の下劣さで今すぐこの瞬間に消えてほしいし、けもフレ騒動のときの挙動も明らかに人為的な誘導があったと思うので腐ってると思う。ニコ生とチャンネルという機能が別々に存在してセットで使わなきゃいけないのは意味が未だにわからない。ニコ生で「シネマ」とか「~だしね」とかがNGされるのも意味不明。(淫夢の話になって申し訳ないが)ケツピンの削除のように、削除に恣意的な判断が含まれて一貫していないのも本気で腹立つし、「おまんこ」とか動画内の下ネタをコメントして無条件に削除され警告対象になるのも許せない。川上量生という人間も、(お前が言うなって感じだろうけど)妙に煽ったようなことを言いがちで好きじゃないし、個人感情で言うならそもそも生放送主だのを実況者だのをブランド化しようとしてたり、ゲーム実況者がクリ奨目的で同じ新作ゲームに群がってる問題など、気に入らないことは相当ある。

でもそれとこれとは別で、事実と違う話でネットの潮流にのってバッシングごっこするのは卑怯だ。本当に何もしてないならともかく、明らかにてこ入れは過去に比べてかなりなされている。なのにそれを無かったことのようにいうのは何度でもいうが単純に卑怯でしょう。そらYouTubeにはなれないんだから重いだの画質が悪いだのは、永久に言おうと思えばできると思う。そういう叩き方も僕はやっぱり卑怯だと思うし、話がズレてると思う。

俺が卑怯だなーって思うもう一つの点は、「期待してたのにがっかりしたから」とかいう連中だ。ウソつけ!期待なんかしてなかったろ!わかりやすく「くだらないバッティングゲームやクイズ大会」を見せられて、叩きやすい笑える題材があったからってだけだろ!仮にもっとマシな機能のせてたとしても、大した話題になる話じゃねーよこんなの。実際この1年の仕様変更のことは完全に忘れてるじゃん。おまえらはうそつきばっかだよほんと。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です