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学院紹介

教員プロフィール

周 倩 / Zhou Qian

周 倩
職 名:
准教授
専 攻:
国際広報メディア専攻

担当授業

比較メディア社会論演習(Comparative Media Sociology)
生活文化論演習(Cultural Studies of Everyday Life)
メディア文化概論(Introduction to Media and Culture)
メディア文化特論(Topics in Media and Culture)

授業内容

<比較メディア社会論演習>では、アジアの隣国でありながら、国家体制が違い、文化や歴史などの文脈も異なる日中両国のメディアの事例(テレビ・新聞・雑誌・広告・インターネット・音楽・アニメ・映画等)を社会との関係性の中で捉えながら、比較を行うことによって、比較研究という社会学の基本的方法を実践的に学びつつ、その意義を検証し、地域・分野を越えた横断的な研究姿勢を身につけることを目標とする。

<生活文化論演習>では、住宅、百貨店、テーマパック、観光などの具体例を取り上げながら、私たちの日常生活におけるメディアを介した「場所の消費」を多面的に考察する。メディア研究の視座と分析の手法について、「場所の消費」をめぐる私たちの「日常的実践」から学ぶ。メディア研究およびイメージ分析の意義を確認するほか、メディア研究、消費文化論、観光学などを横断するような学際的な研究姿勢を身につけることを目標とする。

<メディア文化概論>では、カルチュラル・スタディーズの伝統と基礎から説明を行った上で、日常生活におけるメディアの利用頻度と社会階層との関連、メディア・リテラシーにおける階層の格差、メディア上の階層表象、階層的文化消費やライフスタイルの差異を具体例で示すことで、メディア文化と階層の再生産を考察することを目標とする。

<メディア文化特論>では、メディアと空間、そして人々の行動と意識との関わりについて考察し、メディア文化を研究の対象とする際の様々な視点や方法を理解して、自らのテーマを発見し、問題意識を高めることを目標とする。

経 歴

東京大学大学院学際情報学府修士課程修了。東京大学大学院学際情報学府博士課程修了。博士(学際情報学)。日本学術振興会特別研究員(DC2)、東京大学大学院情報学環交流研究員、早稲田大学アジア太平洋研究センター助手、ブリティッシュコロンビア大学社会学研究所客員研究員を経て現職。専門はメディア社会学、日中比較社会学。著書に『現代中国の中産階級』(亜紀書房、2017)、共編著に『勃興する東アジアの中産階級』(勁草書房、2012)、『想起と忘却のかたち』(三元社、2017)、『東アジア観光学』(亜紀書房、2017)。主な論文として、「今日の中国社会における<中産階層ドラマ>の受容」(『マス・コミュニケーション研究』2009年)、「中国の「中産階層」とそのメディア・イメージ――グローバルな視点からの検討」(『年報社会学論集』2010年)、「<ミドルクラス>の再考――社会構築主義とメディア学の視点から理解模型を提示する」(『情報学研究』2013年)、「住宅広告における階層イメージ――現代中国の事例を中心に」(『中国研究月報』2016年)、「Foreign Travels of the Chinese Middle Class and Self Construction in Social Media」(『Asia Review』 Vol.7 No.2, 2016年)、「中国のテレビ海外発信の進捗と、現段階における『内憂』・『外患』」(『第25回 JAMCOオンライン国際シンポジウム』2017年)、「The Spatial Differentiation of social strata in Global City: Based on the analysis of residential segregation In Shanghai and Tokyo」(『中国社会学会年会――包容都市、空間重構、社会関係』2017年)など。

Qian Zhou, Associate Professor, Graduate School of International Media, Communication, and Tourism Studies, Hokkaido University.
Ph.D. of Information Studies, Graduate School of Interdisciplinary Information Studies, The University of Tokyo.
Research Areas: Comparative Sociology, Media Studies, Cultural Studies
Recent publication:
"The Chinese 'middle class' and its image in the media: a global perspective", The Annual review of sociology(23), 59-70, 2010.08.
"Chapter 2 - The definition, reality and image of Middle Class: in comparison with Japan, China and Korea", The growth of East Asian Middle Class, Keiso Shobo, 2012.03.
"Reconsideration of 'middle class': Proposing a new model from the viewpoints of social constructivism and media studies", Journal of information studies(85), 1-13, 2013.10.
"The Social Stratification of Residential Space as represented by the Media: A Comparative Study of Chinese and Japanese Real Estate TV Commercials", Social implications of the city space, Tongji University, 403-425, 2015.07.11.
"The social stratification of residential space as created by real estate ads", Monthly Journal of Chinese Affairs, Institute of Chinese Affairs, 1-17, 2016.06.
"Foreign Travels of the Chinese Middle Class and Self Construction in Social Media", Asia Review (Vol.7 No.2)、The Seoul National University Asia Center, 339-372, 2016.10.
"The Current State and Challenges of International Broadcasting in Key Countries", The 25th JAMCO Online International Symposium, 2017.02.14 http://www.jamco.or.jp/en/symposium/

所属学会

日本社会学会、日本マス・コミュニケーション学会、The Association for Asian Studies (AAS)、中国社会学会

電子メール

zhou1qian4@imc.hokudai.ac.jp

研究領域

メディア社会学、日中比較社会学、階層イメージ研究、消費文化論

研究コラム

日中両国の消費文化・メディアイメージ・意識行動に関する比較社会学

経済成長期に入った後の日中両国においては、都市中間層が増大し、消費に対する欲求の高度化や多様化が進行している中で、メディアは活況を呈し、消費文化が形成されてきた。国民の階層意識や価値観などには変化が起こり、かつての「政治の季節」から「経済の季節」へと移行してきた。では、今日、われわれが日常的に自明視している消費文化は、日中両国の経済成長期において、どのようにわれわれの階層意識や、価値観、行動様式などに影響を与えてきているのか。いかなる政治的・経済的・文化的意味とイデオロギー的役割を担ってきているのか。その裏にいかなるメカニズムが隠されているのか。また、日中両国はそれぞれの経済成長期において、いかなる相違性と類似性を見出すことができるのか。また、その相違性と類似性を把握することによって、今後のわれわれの社会にとっていかなる意義を提示できるのか。これらの問いに答えることは研究の目的である。