あまりお目にかからない食材です

世にも珍しい「うなぎの刺身」。食感はふぐの刺身にそっくりだった!

うなぎの血液には“毒”がある

うなぎといえば、何といっても蒲(かば)焼きが有名。脂がのったほくほくの身と甘辛だれ、ごはんと一緒に口の中にかき込めば、至福のひとときが味わえます。

うなぎの食べ方は蒲焼きがポピュラーですね

うなぎの食べ方は蒲焼きがポピュラーですね

ほかの魚は刺身や鍋、煮魚に焼き魚といろんな調理法があるのに、そういえばうなぎは蒲焼きでしか食べたことがないな…と思った筆者。魚の味がストレートに味わえる刺身が大好きなのに!!

知っている方もいるかと思いますが、実はうなぎの血液には毒成分が含まれているそうで、大量に摂取すると人体に影響があるとのこと(詳しくは最後の解説で)。そのため通常は刺身で食べることをしないようです。

熟練の技で血抜きしたうなぎの刺身があった

しかし先日、熟練調理師がきちんと血抜きしたうなぎの刺身を提供しているお店を発見。しかもネットでも購入可能とのこと。さっそく注文してみました。

クール宅配便で届きます。クール宅配便は宅配ボックスでは預かれないし、取扱店での預かり期間も短いので、日付や時間を指定して確実に受け取るようにしましょう

筆者が注文したのは、うなぎの名産地として知られる浜松市にある有限会社魚魚一(とといち)が提供している、その名もずばり「うなぎの刺身」(登録商標を取得しているようです)。扱いが大変難しいとされるうなぎですが、熟練の技を身に付けた魚魚一の専門調理師の手にかかれば、うなぎの身は生のまま薄くスライスされ、「うなぎの刺身」に生まれ変わります。

筆者は自宅用の簡易包装仕様(紙パッケージ)で注文。贈答用には高級桐(きり)箱仕様のものもありますよ

筆者は自宅用の簡易包装仕様(紙パッケージ)で注文。贈答用には高級桐(きり)箱仕様のものもありますよ

刺身は冷凍された真空パックの状態。ほかに、オリジナルぽん酢ともみじおろし、だし用の昆布がセットされています

うなぎの刺身を冷蔵庫で解凍

いただく前に解凍が必要なので、冷蔵庫に60~90分程度入れておきます。急いで解凍したい場合は5~10分程度の流水で行ってもOK

それではさっそくいただいてみましょう。今回は、右から“わさび醤油”、“セットのぽん酢ともみじおろし”、“だし”の3種類を用意しました

こちらがうなぎの刺身です(黒い容器に入っているのは皮です)

こちらがうなぎの刺身です(黒い容器に入っているのは皮です)

薄くスライスされていることもあって、身は透明で見た目もきれいです。この段階で嫌な生臭さはほとんど感じません

食感はコリコリ! まずは“わさび醤油”で

まずは、刺身をいただくときの定番である“わさび醤油(しょうゆ)”で試してみます。ひと切れ口に含んでかんでみたところ、想像とはまったく違う食感にとまどいます。蒲焼きのようなホクホク感はまったくなく、コリコリとした独特の弾力性があります。鯛やひらめといった白身魚とも異なり、ふぐの刺身(てっさ)に似ています。

うなぎの刺身をわさび醤油で食べる

味わいは、脂分が多いためか、独特の甘みと旨みを感じるところがふぐとは異なります。ただし、刺身自体の味わいはそれほど強いものではないので、“わさび醤油”では醤油の味が勝ちすぎるように感じます。筆者は刺身をいただくときは基本的にたまり醤油を使うので、余計にそのように感じたのかもしれません。

“セットのぽん酢ともみじおろし”でふぐ刺しみたい

続いて試したのは“セットのぽん酢ともみじおろし”。食感は当然ながら“わさび醤油”と同じですが、口に含んだときの味わいはずいぶん異なります。食感が近いふぐの刺身も“ぽん酢と“もみじおろし”を使うこともあって、こちらのほうがしっくりときます。説明書には「お好みで青ネギを入れてください」とあったのですが、横着して用意しませんでした。間違いなく青ネギがあったほうがいいと思います。

魚魚一オリジナルの自家製熟成ぽん酢

セットされているぽん酢は、魚魚一オリジナルの自家製熟成ぽん酢なので悪くありませんが、ぽん酢が変わると味わいはずいぶん変化します。お気に入りのぽん酢があればぜひそちらも試してみてください。

昆布の“だし”と醤油でしゃぶしゃぶ風に

だし用の昆布がセットされているので、これを使った昆布だしを作ってみました。実は、当初は何も入れない昆布だしだけでひと切れいただいてみたのですが、うなぎの刺身の旨みを感じると同時に臭みがちょっと気になりました。こうした臭みは、わさび醤油やぽん酢ではほとんど感じませんでしたので、だし自体の味が薄かったことが主な理由かと思われます。

うなぎの刺身をだしで食べる

そのため、本番の“だし”は昆布だしに醤油と塩を少々入れて少し濃いめの味にしました。これなら臭みは抑えられますし、熱を加えることで、身の周りの部分が柔らかくなるため食感もずいぶん変わります。こうなると、野菜やきのこの鍋にして、「うなぎの刺身」だけをしゃぶしゃぶのようにしていただきたくなります。

“焼いた”場合はおなじみのうなぎ

どうも、これまで食べてきたうなぎとあまりにも食べた感じが違うので、最後はコンロで焼いてみました。するとどうでしょう、脂の出具合、焦げたときの香り、食べたときの食感、間違いなくうなぎでした♪

うなぎの刺身を焼いて食べる

熟練した職人だけが生み出せる「うなぎの刺身」。これまで食べたことのない味わいと食感でした。結構くせになりそうです。みなさんもぜひご賞味あれ♪

*うなぎの毒について*

冒頭で「うなぎの血液には毒成分が含まれている」と申し上げました。厚生労働省の「自然毒のリスクプロファイル」によると、ウナギ目魚類(ウナギ、マアナゴ、ウツボなど)は、血液中に毒成分を含んでおり、「ウナギの新鮮な血液を大量に飲んだ場合、下痢、嘔吐、皮膚の発疹、チアノーゼ、無気力症、不整脈、衰弱、感覚異常、麻痺、呼吸困難が引き起こされ、死亡することもあるといわれている」とあります。

また、「血液が目や口、傷口に入ると局所的な炎症が引き起こされる。目に入ると激しい灼熱(しゃくねつ)感を覚えるとともに、結膜炎、流涙、まぶたの腫れが引き起こされる。目に異物が入った感じは数日残る。口に入ると灼熱感や粘膜の発赤、流涎が、傷口に入ると炎症、化膿、浮腫などが引き起こされる。こうした症例はウナギ調理人の間では有名」ともあります。

これを読むと「うなぎの刺身」なんか食べて大丈夫なの? と心配になりますが、「体重60 kgの人の致死量はおよそ1,000mlと見積もられる」とのこと。つまり、うなぎの新鮮な血液を1L入りの牛乳パックに入れて全部飲まないとならないわけで、これは現実的ではありません。さらに、国内での「食中毒の正式記録はない」ともあり、信頼できるお店で購入した商品なら心配ないのでご安心ください。

近年のアウトドアブームで天然うなぎをつかまえてさばく…、なんてシーンに遭遇するかもしれませんが、こうした場合は注意が必要です。プロの料理人は手際よく的確にさばけますが、素人には無理な話。ましてや、相手はぬるぬるのうなぎ。新鮮な血液が傷口や目に入ったりすると危険です。ビニール手袋をする、血が飛びにくいように背開きにする、といった工夫で対応することもできるでしょうが、処理はプロにまかせて私たちは食べることに専念したほうがよさそうですね♪

わたる

わたる

主に東京の湾岸エリアに生息しているが、中国、タイ、インドネシアなどでの発見情報もあり、その実態は定かではない。仲間うちでは「おっちゃん」と呼ばれることも。

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