「認知症」介護を軽減!?高校生の斬新アイデア
11/28 22:17
祖父母の介護経験を活かして発案
近い将来、高齢者の5人に1人が発症するといわれる「認知症」。
家族による介護の負担など認知症が抱える問題の解決に、女子高生が取り組んでいます。
彼女たちが出した最先端のIT技術を使ったアイデアとは?
【コンテストでの発表】
「私たちは2人とも、認知症患者を在宅介護していて、
家族が苦しんでいる所をずっとみてきました」
中学生や高校生が参加し、大阪で開かれたコンテスト。
「認知症」にまつわる様々な課題を解決するアイデアを出し合います。
年々増加している認知症患者。
2025年には全国でおよそ730万人にのぼるとみられ、
その介護の負担も大きな社会問題になっています。
この認知症の問題に取り組む、2人の高校生がいます。
中本好乃さんと高尾美結さんは認知症の祖父母を実際に介護してきた経験から
コンテストへの参加を決めました。
【中本好乃さん】
「楽しく祖母と話していても、何度も同じ話が始まると、認知症だなと思ってしまう心があって」
【高尾美結さん】
「実際に在宅介護していていろいろあきらめていたこともあって、徘徊とか暴力とか。
介護している人があきらめていてどうするんだ!って思って、
絶対に解決してやるっていう思いが強くなりました」
認知症の患者の介護をする家族のストレスを軽くしようと2人が考えたのは、
最新のIT技術を使った仕組み、名づけて「こえつなぐ」です。
認知症の患者と介護する家族がいる場所に人工知能を搭載したスピーカーを設置。
介護をする人の声からストレスを感知すると、リラックスさせる音楽を自動で流したり
ほかの家族にSOSを伝えたりします。
迎えた、コンテスト当日。
【高尾美結さん】
「今できることは、今この瞬間に認知症患者と関わっている人を救うこと。
絶対に届かせます!」
【2人の発表】
「こんにちは!チームうえしのぐの中本好乃と、高尾美結です」
「介護疲れでストレスがたまっているようです・・・」
「もーーー!」
「まあまあ落ち着いて音楽でも聴きませんか?」
「グーグルホームが反応しました!音楽が流れはじめました!」
「音楽聴いてたら落ち着く~」
「見てください!グラフの数値が下がってます!ストレスが改善されたようです」
順調に発表を進めていましたが、祖母の介護に追われている母親の話になると…
【2人の発表】
「母の仕事中に電話、『買い物に行きたい』。
またすぐ電話、『買い物に行きたい』。
このようなことで母は介護離職。今は車で30分かかる祖母の家に毎日通っています」
声が震えてしまう場面もありました。
【中本好乃さん】
「普段の練習の時はあんな泣きそうな声にならないんですけど、
なぜか意識してないのに勝手に(涙が)出てきて、
これが本当に私がつらいことなんだなって思って」
入賞は逃したものの、改めて自分の経験と向き合うことができました。
【中本好乃さん】
「(介護の)つらい経験がなかったらここまで泣くほどの努力はしてこなかったと思うし、
介護者の気持ちっていうのは絶対に忘れずに進んでいきたいと考えてます」
「今は過去じゃななくて未来を見てます!」
コンテストで発表されたアイデアは今後、認知症の患者のために活かされていきます。