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流行は繰り返す(英: Everything old is new again)」と言うように、2018年は過去のグラフィックデザインのトレンドをよりモダンにし、ここ数年人気だったフラットなデザイントレンドから移行する年となることが予想されます。ミニマルスタイルやシンプルなデザインは引き続き人気がありますが、いくつかの懐かしいスタイルをモダンな雰囲気にアレンジしたトレンドにも要注目です。

 

この記事では、これから2018年に注目したい、グラフィックデザインの最新トレンド10個をまとめています。「アッと驚かすデザインをつくりたい。」そんな思いにさせてくれる、たくさんのデザイン事例と一緒にご紹介です。

 

 

コンテンツ目次

 

 

01. レスポンシブ・ロゴデザイン Responsive Logos

 

レスポンシブデザインがWebに革命を起こし始めてから10年が経ち、いまではウェブサイトの標準となっています。モバイル端末による閲覧、ブラウジングの急速な増加(また無限にあるスマホ端末と画面サイズの組み合わせ)により、従来のウェブサイト設計に重大なユーザビリティの問題が生じるようになりました。

 

デザイナーや開発者は、ひとつのウェブサイトですべてのユーザーの画面サイズにコンテンツが表示されるように、さまざまな方法で実験をはじめたことが、「レスポンシブデザイン」の基礎を築き上げました。

 

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via Responsive Logos

 

表示サイズに関するユーザーの要求に応えるために、ロゴを変更することは、今までほとんど考えられませんでした。しかし、ロゴを近代的で簡素化したバージョンへと、数年をかけて一新する企業も増えてきており、レスポンシブ・ロゴデザインは、新しいデザイン変化に対応できるかしこい方法と言えるでしょう。

 

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via Skype

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via Google

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02. グラデーション/カラー・トランジション Gradients / Color Transitions

 

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via NYC Pride

 

グラデーションカラーは昔から人気の高いデザインで、ウェブサイトのボタンやヘッダーデザイン、プレゼン資料などにもよく利用されていました。しかし2007年後半ごろに、フラットデザインの時代を訪れたことで、いつの間にかあまり使われなくなっていたスタイルです。

 

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via Stripe

 

フラットデザインが進化を続けることで、グラデーションカラーはフラットデザインのモダン版とし復活を遂げるでしょう。このテクニックには、「フラット2.0」または「セミフラットデザイン」と呼ばれることもあります。

 

iOSに再登場したことや、Instagram や Stripe といった大企業が採用したことで、再びグラデーションカラーの人気が加速し、結果としてUIデザインやブランディング、背景デザイン、イラスト、写真カラーオーバーレイなど、活気に満ちたカタチで見かけるようになりました。

 

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via Asanna

 

またひとつの傾向として、グラデーションを参照するときに、「カラートランジション(英: Color Transitions)」という単語を利用するケースが増えています。さまざまな意味で利用される単語ですが、「カラートランジション」はフラットデザインにマッチする、活気があり、滑らかで、より「フラット」な最新のアプリケーションを指す場合もあります。

 

 

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最近のウェブデザインでよく見かける、鮮やかな配色のグラデーションカラーをお探しですか。 WebGradients は、どんなウェブサイトでも利用できる
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色はどんなデザインにおいても重要な要素です。鮮やかな色合いでも、ミニマルなモノクロデザインでも色の使い方によって、デザイン全体を魅力的に仕上げることができます。

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03. セミフラットデザインでより奥行き感を。 More depth (with semi-flat design)

 

最近よく見かけるデザイントレンドのひとつで、2018年にドロップシャドウが本格的に復活すると言えるでしょう。グラデーションカラー同様、リアルな質感を演出するように背景に利用されます。

 

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via Brooklyn

 

奥行き感は、ユーザーが画面上で優先順位を確認したり、フォームを入力したり、行動を促すのに役立つツールです。Googleのマテリアルデザインが登場したとき、フラットなデザインに奥行きや重なりを表現する方法として、「ロング・シャドー」エフェクトも試されました。そこからすこしずつ変化を続けたことで、大きすぎず、違和感のない、奥行き感のあるドロップシャドウが追加されるようになったのです。

 

 

好き嫌いは別れるかもしれませんが、フラットデザインの基本原則である「使いやすさ」と「シンプルさ」を向上させることで、奥行き感をうまく活用できるようになります。今後は、少しだけ影を付けた「セミフラット」なデザインの人気が予想されます。すでに、アイコンやイラスト、ウェブサイトやアプリなどのインターフェースでも、このトレンドを見かけるようになっています。

 

 

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最近ウェブサイトやUIデザインなどを見ていると、ふわりと浮いているような奥行き感を表現しているものがあります。これは拡散型シャドウ(英: Diffuse Shado

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04. デュオトーンの人気。 Dashing Duotones

 

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via Afrisam 2018 Corporate Stationary

 

もともとデュオトーンは、伝統的な印刷プロセスに期限を持ち、1つのハーフトーンがコントラストのある色の上に印刷されることで、2トーンのイメージが作成できる技法です。

 

この基本的で歴史のある印刷技術は、デジタルメディアにおいて新しい使い方が注目されています。画像編集ソフトウェアやアプリを利用すれば、デュオトーンやモノトーンエフェクトも手軽に表現できます。

 

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via Spotify

 

Spotify は、アプリやプロモーション用サイトなどでデュオトーン画像を使用することで、大きな話題となりました。限られた配色カラーパレットで作成されたイメージは、セミフラット・デザインとの相性もよく、よく使われるテクニックとなっています。

 

大胆な色使いによる美しいアプリケーションの可能性により、デュオトーンは2018年に最も人気となるテクニックのひとつと予測されています。

 

 

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ウェブサイトやグラフィックデザイン、音楽サービス Spotify などで見かけるようになったデザインのひとつが、鮮やかでシンプルな配色の組み合わせが特長のデュオトー

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05. 80&90年代の配色パターン。 Palettes & Patterns Inspired by the 80’s & 90’s

 

淡いパステルからネオンカラーまで、80年や90年代を連想させる配色カラーが、再び人気を集めています。フラットなデザインの人気が衰えるにつれて、幾何学パターンなどのデザインを見かける機会が増えています。

 

 

80から90年代に生まれた大人の子供たちが、ブランドの主要ターゲット層として影響力を持つようになったことで、このトレンドはどこか懐かしい、ノスタルジックなデザインを演出できるでしょう。

 

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プロデザイナーの作成した素材を使って、あらゆるデザインを手軽に表現できるベクター素材集「The Totally Artistic, Vector Supply Kit」が、2週間の

 

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via Moo

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06. 動き: Gifアニメーション | シネマグラフ Movement: Animation, GIFs & Cinemagraphs

 

最近、マイクロインタラクションについて多くの話題を耳にしているかもしれませんが、実際のところ何なのか、どうやって使うべきか理解できているでしょうか。

 

簡単に言えば、マイクロインタラクションは、ユーザーとのコミュニケーションやタスクの実行を促すために利用される、ごくわずかなアニメーションエフェクトです。UX全般に関連し、これまでで過去最大のUXデザイントレンドと言えるでしょう。

 

 

マイクロインタラクションは、あらゆるところで使われており、意識せずに使っていることもしばしば。facebookの通知を開いたり、好き嫌いを左右のスワイプによる決定も、ごくわずかなマイクロインタラクションが活用されています。

 

マイクロインタラクションは、自分の行動に対するフィードッバックを提供することで、ユーザーがインターフェースを操作している気分にさせるのに役立ちます。マイクロインタラクションを細かい部分に注意しながら活用すれば、デザインを次のレベルへと引き上げることができるでしょう。

 

 

 

より大きなアニメーションになると、アイデアやコンセプト、プロセスを伝え、ユーザーが興味を持ちやすいコンテンツ作りに、GIFやSVGは重宝するデザインツールです。

 

GIFははるか昔からずっと進化を続けており、最新のWebデザインにも完璧にフィットしています。広告やメルマガ、イラスト、アイコン、ロゴなどにもマイクロインタラクションを加えてみましょう。

 

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via Bloom

 

魅力的なアニメーションといえば、GIFとビデオ動画を組み合わせたようなシネマグラフにも注目が集まっています。シネマグラフは、基本的に静止画像ですが、画像の一部分のみ繰り返しループとなったアニメーション技法で、写真とも動画とも違う不思議な感覚を作り出します。

 

シネマグラフは、短いビデオ動画や写真コレクションから作成でき、動画またはGIFアニメーションとして公開できます。2018年は、ウェブサイトやアプリ、ソーシャルメディア広告などより身近なところでシネマグラフが登場するかもしれません。

 

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ブラウザやウェブサイト体験が進化したことで、さまざまなアニメーションを実装したウェブサイトや、モバイルアプリへの注目が集まっています。今回は「気持ちの良い動き」がポ
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写真が部分的に動いているように見えるデザイン手法、シネマグラフ(英: Cinemagraphs)。写真では伝わらない不思議な雰囲気を加えることができ、これまでに当サ
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写真の一部分に、無限につづくループを加えることで、不思議な感覚にさせるシネマグラフ。もともとアメリカ人写真家Kevin BurgとJamie Beckによるファッシ

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07. 巨大タイポグラフィとセリフ書体の復活。 Bold Typography (and Serifs Return to the screen!)

 

 

タイポグラフィーの2018年トレンドは、より大きく、大胆な使い方になることが予想されます。デザイナーは、よりデザイン性の高いエフェクトを用いたり、非常に大きなフォントサイズの見出しを採用したりするでしょう。

 

また、Helvetica に影響されたサンセリフ書体は、Webデザインにおいて圧倒的で、2018年も利用され続けます(特に極太スタイル)が、来年はより多くの書体が利用されるようになるでしょう。

 

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via Bolden

 

書体のバラエティには、デコレーションたっぷりで手作りのフォントや、セリフ書体も含まれます。セリフ書体は、急激に利用するケースが増えており、特にサンセリフ書体とペアで組み合わせるデザインが人気となっています。

 

多くのブランドがオンラインで展開するいま、これまで避けられていたセリフ書体の利用が、優れた Google Webフォントなど選択肢が増えたこともあり、これからも人気となることが期待されています。

 

 

 

主に雑誌やポスターなどの印刷物で見かけるトレンドも、ウェブサイト上でより利用されるようになるでしょう。より実験的でデザイン性の高いタイポグラフィや、イメージ画像を含むよりクリエイティブなレイアウトや配置、整列やカーニングなどさまざまなバリエーションが登場します。

 

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via Polaroid Originals

 

 

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サンセリフ書体が、主にコンピューターやオンラインなどデジタルデザインに適しているのに対し、セリフ書体は雑誌や文庫本など、より印刷プリントに向いたスタイルです。
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当サイトでも毎月の新作フリーフォントを紹介しているように、ウェブ上には無数の異なるスタイルや書体が存在します。手書きフォントやレトロフォント、SFフォントなど利用す
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当サイトでは、毎月新しく公開されたフリーフォントをまとめて紹介しています。その中でも日本語、和文フォントは特に人気の高い素材ですが、英字フォントに比べて量が少ないこ

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08. カスタマイズされたグラフィック・アートやイラスト。 Custom Graphic Art and Illustration

 

 

気まぐれでも、実用的でも、純粋にデザインを楽しんでいても、カスタムグラフィックアートとイラストの需要は、新しい年を迎えても引き続き増加するでしょう。カスタムされたイメージ画像は、印刷媒体において常に大きな役割を果たしてきました。しかし、デジタルメディアに関しては、カスタムグラフィックアートとイラストが、過去10年間のあいだに安価なストックイメージの代替案として使われるようになっています。

 

 

カスタムアートワークとイラストを使用すると、ブランドの個性を高め、視覚的なビジュアル言語を形成します。2018年には、より幅広いスタイルのアートワークが見られるようになり、まだまだ可能性を秘めたデザイントレンドと言えます。

 

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via House at Khlebny

 

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09. 高画質な写真素材 Authentic Photography

 

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via Yeti

 

撮影した写真を使うときも、ストック写真を使うときでも、感情を伝えたり、物語を伝える画像イメージを探しましょう。モデルが手を振りながら笑っている商業的な写真ではなく、より自然な(もちろん興味がわく)写真へとトレンドは向かって行くでしょう。

 

 

この私たちのリアルライフを捉えた写真の人気は、2017年に一気に増えており、デザイナーは安っぽいストック写真を避けるようになったことで、2018年はさらに成長するでしょう。幸いなことに、高品質なストックフォト写真を提供してくれる素晴らしいフォトグラファーが、世界中にたくさんいます。

 

 

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10. ディテールにこだわったビンテージ。 Highly Detailed Vintage

 

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via Martis Lupus

 

ビンテージスタイルは、決して新しいものではありませんが、2018年はこのトレンドがより強くなるでしょう。ディテールまでこだわった美しいロゴやイラストレーションは、時代に関係なく愛されるミニマルスタイルかもしれません。古いクラシックなデザインの美しさは、他との差別化につながり、洗練された雰囲気を演出できます。

 

 

このトレンドは、誰にも実用的というわけではありませんが、飲食やドリンク関連のブランド、特にワインやリキュールなどは、長年にわたり魅力的なデザインを作成できます。オーガニックやナチュラル製品のブランドは、手作りの風合いを残した、健康的でシンプルな製品を提供するために、このデザインを愛用するようになるでしょう。

 

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via Ginventory

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2018年の準備はできていますか。 Are You Ready for 2018?

 

2018年は、グラフィックデザインにとって変化の多い、興味深い年になるでしょう。フラットデザインの人気が衰えてきたことで、グラフィックアートはより変化の多く、エキサイティングな動きを見せています。

 

デザインシーンは、ブランドのオリジナル性と個性によりフォーカスすることで、さらに面白いものとなるでしょう。新旧スタイルが集まったことで、リスクを恐れずマンネリパターンを打ち破るチャンス。2018年もデザインを楽しんで!

 

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海外サイト 99designs で公開された 10 inspirational graphic design trends for 2018 より許可をもらい、翻訳転載しています。

 

参照元リンク : 10 Inspirational Graphic Design Trends for 2018 – 99designs