カミナリのような出会い?反物質・反粒子のはなし
公開日:2017/11/29
最終更新日:2017/11/28
こんにちは、四谷学院の奥野です。
今日は物理の最新ニュースに関するお話です。
反粒子
原子物理では、反粒子というものを学びます。
すべての素粒子には、質量はぴったり同じだが電気量などの性質がちょうど正反対になる素粒子があって、これを反粒子というわけです。電子の反粒子が陽電子、陽子の反物質が反粒子です。
この反粒子、我々の身の回りには存在しません。
なぜならば、電子と陽電子のようにある粒子とその反粒子が出会うと、γ線としてエネルギーを放出して、粒子と反粒子は消えてしまうからです。
この現象を対消滅といいます。
10年ほど前邦訳されたダン・ブラウンの「天使と悪魔」という小説に、反物質(反粒子からできた物質)が小道具として使われています。
科学者が作り出した反物質が秘密結社によって盗み出される・・・・
のですが、
反物質は物質と触れればただちに対消滅してしまうので、実際にはこのようなことは起こりえません。
カミナリから生み出されている!
さて、その反粒子が、雷によって大気中で生み出されているということが、
京都大学や東京大学の研究グループによってわかりました。
(参考リンク)
京都新聞:雷が大気中で核反応、反物質生む 京大など世界初観測
ポイントとなるのは、検出されたガンマ線のエネルギーが0.51MeV(メガ電子ボルト)であるところです。
<四谷学院の生徒のみなさんへ>
この計算、「物理55マスター」の243ページに問題として載っています。
ぜひ解いておきましょう。
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