こんにちは、ダメサラリーマンです。
突然ですが私は突発性難聴という病気になり、左耳の聴力を失いました。
低音から高音までの全域で100㏈の音すらも聴き取れない、一番程度の重い重度難聴になりました。100㏈とは電車が通過している際のガード下の騒音のレベルです。
僕は今現在も治療中なのですが、私が感じた違和感と経験をここに綴り少しでも同様な症状の方の参考になればと思います。
まずこの文章を読む前に言いたいことは、突発性難聴は誰でも発症し得る病気で、決して珍しい病ではないということです。年間3-4万人が発症しています。そして突発性難聴の完治率は1/3です。非常に治りにくい病気です。
ただし、発生から医療機関への受診が早ければ早いほど完治率も高くなります。
違和感がある人はすぐにでも病院に行ってください。発症後48時間以内というのが完治しやすい境界線だそうです。
私は土日を挟んでしまったことやもともと病院嫌いだったこともあり発症後5日後の受診となりました。
聴力は一カ月以内に回復しなければそのまま固定され、ほぼ回復は見込めないそうです。時間との闘いです。一生聴こえない耳と付き合っていく覚悟がない人は夜間であってもタクシー使って緊急外来がある病院を訪ねてください。
目次
突発性難聴とは
内耳の蝸牛(かぎゅう)が何らかの原因により障害を受けたため、突然に生じる難聴を特徴とする病気です。その障害が内耳の前庭半規管(ぜんていはんきかん)にまで及ぶと、難聴にめまいが伴って起こります。
音というのは空気の振動です。それが耳介で集められて外耳道を通り、鼓膜へと到達します。鼓膜に空気の振動がぶつかることにより、鼓膜も振動します。鼓膜の裏側には耳小骨という小さな骨がくっついており、それにより振動のエネルギーが増幅されながら、耳の奥、側頭骨の中に埋まっている蝸牛(かぎゅう)という構造まで到達します。
蝸牛は巻き貝の様な形をした骨の管で、蝸牛の中にはコルチ器という振動のエネルギーを電気の信号に換える発電機のような仕組みがあって、ここで神経の興奮が起こります。
振動を電気信号に変換して脳みそに届ける蝸牛というものがなんらかの原因で機能しなくなり音を認識できなくなる(できにくくなる)現象が突発性難聴です。
原因は
蝸牛が機能しなくなる原因は不明です。
これだけ医学が発展しても誰も解明できていないそうです。説としては
・内耳へのウイルス感染
・血流障害による機能障害
などがあるようです。これは
・ステロイドによる投薬治療が一定の効果を挙げている事からウイルス感染が原因ではないか
・血流促進剤を投与することにより一定の効果が挙げられていることから血流障害が原因ではないか
という逆説的な仮定であり、いまだに誰も原因を特定できていないようです。
症状の現れ方は
症状の現れ方としては突然聴こえなくなります。
「○月○日の何時何分から聴こえなくなった」と答えられる患者さんが多いようです。
私の場合は、正直あまり覚えていません。
少し聞こえずらい期間が3-4日ほどあり、耳に何かが詰まっているのかなと思っていました所、いきなり全く聴こえなくなりました。
当時の私は本当に聴こえないのだろうかと以下のような確認をしました。
音量を最大にして音楽を流したイヤホンを左耳に挿入します。
何も聴こえません。
左耳から外した瞬間にイヤホンから出ているシャカシャカ音を右耳で拾い出すんです。
驚愕でしたね。音を何も感じない自分の耳に。
こうなってからでは遅すぎます。皆さんは違和感があったらすぐ医療機関を受診してください。
治療について
難聴が発生してから、できるだけ早期に治療を開始するほど予後が良好であるといわれています。遅くても発生から2週間以内に治療を開始するのが望ましく、1カ月をへた場合には、予後は極めて不良になり、通常は著しい改善が望めません。
一般に、聴力が悪い場合、めまいを伴っている場合に予後が悪いことが知られています。
治療方法としては副腎皮質ステロイド薬、循環改善薬、ビタミン薬などの多剤併用療法を中心とした治療法が多くの病院で行われています。
私は受診した瞬間から上記のすべての治療を開始しました。
基本的に治療中は絶対安静です。疲労を貯める行為や睡眠不足になるような行為は禁止です。
担当の先生の適切な処置により(原因不明なのに適切な処置という表現も不思議ですが)治療開始一週間後の現在は、聴力が全域で20㏈程度(ささやき声、木の葉の触れ合う音)までは聴きとれるほどに回復しました。
閉塞感と、耳鳴り、聴こえ方に関する後遺症が残っていますが、根気強く治療を続けていこうと思います。
なお、強い薬を服用するため私の場合は胃潰瘍になりました。
ステロイドも服用するため体重が増加し、顔も腫れます。
ただし投薬が終われば回復しますので耐えてください。一生耳が聴こえないほうがずっとつらいことです。
耳が聴こえないということ
耳が聴こえないということを皆さんが生活の中で意識することはないかもしれません。私も今まで意識したことはありませんでした。聴こえて当たり前だと思っていました。
ここで声を大きく皆さんにお伝えしたい。
耳が聴こえないということは凄く辛いです。
人がなんて言っているかわからない、
何が近づいているかわからない、
上司に指導されていて、何を言われているか聴こえなくて
「すいません聴こえません」って言った時の惨めさったら無かったです。
反対側の耳があるので音に聴こえる側の耳を傾ければ会話はできます。
ただし反対側の耳に頼って生活するのではなく、すぐに医療機関を受診して適切な治療を受けてください。
そして会社の上司や同僚、家族に報告・相談し適切な治療を受けられるような協力を仰いでください。
私は治療開始時から残業無しで定時に帰らせてもらえるようになり、毎日投薬治療に通い、十分な睡眠も得ることができました。
家族や会社の方々には本当に感謝しています。
鍼灸治療について
西洋医学と並んで比較されるのが東洋医学。針や、お灸、漢方などなど。
藁にもすがるおもいで現在針治療も並行して行っています。
そもそも鍼灸とはなんなのでしょうか?
人の身体は、弱ったところや病気があると、自然に本来の正常な状態を保ち、自分の力で治そうという機能を持っています。鍼灸治療はその『自然治癒力』を高め、血液循環、内臓、免疫などの働きをその人が持つ本来の正常な状態に戻すよう、身体に働きかけるのです。
また、患部の血行を調整し、白血球を増加させ、痛み、疲労、炎症の原因となる物質を老廃物として排出する作用を持ちます。 自然治癒力を高め、痛みを抑えるなどの効果がある鍼灸治療は、継続して治療をしていくことで体質を強く変化させ、自律神経系やアレルギー体質を改善していくことができるそうです。
簡単に言うと、体の中にあるツボを押したり温めたり刺したりすることで体を強くする手助けをする治療方法です。
正直よくわかりませんが鍼灸治療を受けていて思ったことをいくつか書きます。
・治るかもしれないし治らないかもしれない
治るかもしれなければ治らないかもしれません。そういうものだと思ってます。ただし鍼灸師として生計を立てている方々がこれだけ沢山いて、長い間世間で認知されているということは効果が無いということもないものだと思います。
・治療費は高い、でもプライレス
基本的に保険が効かないので高いです。私が通っているところは一回9000円かかります。10回通ってくださいと言われています。
それで治るかもしれないし、治らないかもしれないのです。しかし、聴力が戻る可能性があるのであれば決して高くないんです。
後で後悔する可能性があるなら、できうることはすべてした方がいいというのが私の感想です。
・体感してみて
気のせいかもしれませんが、針を刺してもらっている間は耳の閉塞感や耳鳴りが確かに軽減されているような気がします。
気のせいかもしれませんが信じる方が幸せだと思って信じることにします。
さいごに
医療機関の先生にも言われたのが
・気にしない事
・治ると信じる事
だそうです。
なんだかやっぱり最後は人間本人の意思と治癒能力みたいです。
東洋以外も西洋医学も根本は患者本人の気持ちなんですね。