エスカレーター、片側空けはNG? 安全、配慮、輸送効率… 両側に立ったほうがよい理由
エスカレーターでは、歩く人のために片側を空ける光景が見られますが、安全性や体の不自由な人への配慮から、これを懸念する声も。むしろ、両側に立つことで輸送効率がアップしたという事例もあります。
「片側空け」で困っている人も
エスカレーターでは、急ぐ人のため片側を空ける光景が見られます。この暗黙のルールのため、困っている人もいるそうです。
東京都理学療法士協会(東京都渋谷区)は2017年夏、日本エレベーター協会(東京都港区)と協力し、東京都練馬区の練馬駅でエスカレーターの両側に立ち止まって乗ることを呼び掛けるキャンペーンを行いました。これについて同協会に話を聞きました。
――どのような理由やきっかけでキャンペーンを始められたのでしょうか?
骨折されている方や障がい者はもちろん、半身麻痺や脳卒中、脊髄や頸椎の疾患、パーキンソン病の方など、半身が不自由なため、エスカレーターの右側に立ち止まって乗りたいという人がいることを知っていただくためです。東京では右側を空ける習慣がありますが、こうした方が右側に立っていると舌打ちされることもあります。そのため遠慮して不安定ながら左側に立ち、その横を人が歩くときに不安な思いをされています。
そもそも、パラリンピック選手の方と「エスカレーターに立ち止まって乗る社会をつくりたいね」と話したことがきっかけです。2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向け、世界から訪れる様々な人が、安心してエスカレーターを利用できる環境を整えたいという思いがあります。
――どのような活動をしたのでしょうか?
駅を利用される方にエスカレーターの右側を「歩く」か「止まる」か、シールで投票していただき、回答に応じて説明やノベルティ配布などを行いました。「歩く」派が多数を占めたものの、家族連れや高齢者の回答が多かったこともあり、「止まる」と答えた方も割と多かったと思います。しかしこれを新宿駅など都心の駅で行ったならば、比率は大きく変わるかもしれません。
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東京都理学療法士協会は、体の不自由な方が右側に立っていても「しょうがないな」と思ってもらえるよう、理解を広げていきたいといいます。
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