引退の日馬富士 会見で「横綱の責任持ちたい」

引退の日馬富士 会見で「横綱の責任持ちたい」
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大相撲の横綱 日馬富士が平幕力士に暴行した問題の責任をとって29日、現役を引退し、記者会見で相撲ファンや関係者に謝罪したうえで「横綱としてやってはいけないことをやってしまった。横綱の名前を傷つけぬよう責任を持ちたい」と引退の理由を話しました。
横綱 日馬富士は巡業中の先月25日の夜、鳥取市内の飲食店で平幕の貴ノ岩を殴ってけがをさせたとして、警察が傷害の疑いで調べています。日本相撲協会は事実関係の調査が終わり次第、処分を決める方針ですが、日馬富士は処分を待たずに、29日午前、相撲協会に引退を届け出て、33歳で現役を退くことになりました。

日馬富士は、29日午後2時すぎから福岡県太宰府市で師匠の伊勢ヶ濱親方とともに会見に臨み、問題が発覚した今月14日以来、15日ぶりに取材に応じました。

日馬富士は会見の冒頭「このたび貴ノ岩関にけがを負わせたことに横綱としての責任を感じ、本日をもって引退させていただきます。相撲ファン、相撲協会、後援会の皆様、伊勢ヶ濱親方に大変迷惑をかけたことを心から深くおわび申し上げます」と述べ、およそ20秒にわたって深々と頭を下げました。

そして、引退を決断した理由について「横綱としてやってはいけないことをやってしまった。親方に横綱の名前を傷つけぬよう責任を持ちたいと伝えた」と話しました。

また、貴ノ岩に暴行したいきさつについては「先輩の横綱として、礼儀と礼節がなっていない後輩にそれを教えるのが義務だと思っている。これからのことを思って僕がしたことが行き過ぎたことになった」と話しました。

暴行の詳しい内容についても質問がありましたが、師匠の伊勢ヶ濱親方が「捜査中のことなのでここでは答えられない」と話すにとどまりました。

16歳のころから日馬富士を師匠として育ててきた伊勢ヶ濱親方は「本人が1番悪いんです。本当に申し訳ありませんでしたというしかありません。ただただ支えて頂いたファン、相撲協会の皆さんに心からおわびします」と涙ながらに話しました。

日本相撲協会 八角理事長「意思尊重し引退届受理」

横綱 日馬富士の引退について、日本相撲協会の八角理事長は「肉体と精神の力を振り絞って、長年にわたり土俵を務めてくれた日馬富士がこのような形で土俵を去ることは協会としましても大変な損失であり、非常に残念です。しかし、どのような理由があろうとも暴力を肯定することはできません。日馬富士の意思を尊重し、引退届を受理致しました。今回の暴行問題では協会の危機管理委員会で、今後も事実の解明に向け全力を挙げる所存です」というコメントを出しました。

横審委員長「相撲協会は再発防止に知恵と努力を」

横綱 日馬富士の引退を受けて、横綱審議委員会の北村正任委員長は「事実確認の調査が終わっていないこの段階で、審議委員会全体の見解をまとめる必要はないと考える」としたうえで、個人の感想として「今回の出来事は誠に残念なことであり、相撲協会は一丸となって再発防止に知恵と努力を重ねてほしい」とコメントしました。

大関 高安「全力で相撲に取り組む」

愛媛県西予市で開かれている相撲の催しに参加した大関 高安が記者団の取材に応じました。

この中で高安は日馬富士の引退について「僕はこれからも全力でファンの皆様のために相撲に取り組むだけです。横綱には僕が関取になる前から目にかけてもらい、たくさん稽古をつけてもらったし、本場所でも何回も戦った方なので、そういったものをしっかり考えて内に秘めて結果を出して恩返ししたい」と話しました。

そのうえで「相撲を愛してくれる皆さんに元気になってもらえるよう、日本の国民の皆さんのために相撲を取って相撲の伝統を守るのが僕たちのつとめなので、大関として自覚をもって取り組んでいきたい。相撲界が新年によいスタートを切れるよう力士の1人として責任を果たしたい」と話しました。

スポーツ評論家 玉木正之さん「引退に値する」

大相撲の横綱 日馬富士がみずからの暴行問題の責任をとって現役を引退したことについて、スポーツ評論家の玉木正之さんは「まだ全盛期という中での引退は残念だが、暴行問題で横綱としての品位をけがしたことは引退に値するのでしかたないと感じた」と話しました。

そのうえで、日本相撲協会に対しては「きょうの引退会見でも日馬富士がなぜ暴行に至ったのかよくわからなかった。相撲協会にはリーダーシップを持って、原因も含め全容を解明してほしい」と話していました。

また、相撲界で暴力の問題が繰り返されていることについては、「相撲は張り手を使ったりぶつかり合ったりする格闘技なので、暴力に対して少し慣れがあり、教育の名の下(もと)にすぐ手が出てしまう。暴力の体質が身にしみてしまっているので、簡単にはなくならないと思うが、相撲協会は理事長を中心として各部屋に通達を繰り返すなど暴力をなくす努力をすべきだ」と話していました。

官房長官「事実関係解明を」

菅官房長官は午後の記者会見で、「日馬富士関と言えば、低い姿勢からの鋭い立ち合い、そして闘志あふれる取り組みでファンをわかして、今の力士の中では軽量級ではあるが、角界最高の地位まで昇りつめた。引退はまさに残念という言葉に尽きる。暴力はどのような場合であっても決して許されるものではなく、日本相撲協会は速やかに事実関係をきちんと解明するとともに、二度とこうしたことが行われることがないように、しっかりと対応して頂くことが基本だ」と述べました。

引退の日馬富士 会見で「横綱の責任持ちたい」

大相撲の横綱 日馬富士が平幕力士に暴行した問題の責任をとって29日、現役を引退し、記者会見で相撲ファンや関係者に謝罪したうえで「横綱としてやってはいけないことをやってしまった。横綱の名前を傷つけぬよう責任を持ちたい」と引退の理由を話しました。

横綱 日馬富士は巡業中の先月25日の夜、鳥取市内の飲食店で平幕の貴ノ岩を殴ってけがをさせたとして、警察が傷害の疑いで調べています。日本相撲協会は事実関係の調査が終わり次第、処分を決める方針ですが、日馬富士は処分を待たずに、29日午前、相撲協会に引退を届け出て、33歳で現役を退くことになりました。

日馬富士は、29日午後2時すぎから福岡県太宰府市で師匠の伊勢ヶ濱親方とともに会見に臨み、問題が発覚した今月14日以来、15日ぶりに取材に応じました。

日馬富士は会見の冒頭「このたび貴ノ岩関にけがを負わせたことに横綱としての責任を感じ、本日をもって引退させていただきます。相撲ファン、相撲協会、後援会の皆様、伊勢ヶ濱親方に大変迷惑をかけたことを心から深くおわび申し上げます」と述べ、およそ20秒にわたって深々と頭を下げました。

そして、引退を決断した理由について「横綱としてやってはいけないことをやってしまった。親方に横綱の名前を傷つけぬよう責任を持ちたいと伝えた」と話しました。

また、貴ノ岩に暴行したいきさつについては「先輩の横綱として、礼儀と礼節がなっていない後輩にそれを教えるのが義務だと思っている。これからのことを思って僕がしたことが行き過ぎたことになった」と話しました。

暴行の詳しい内容についても質問がありましたが、師匠の伊勢ヶ濱親方が「捜査中のことなのでここでは答えられない」と話すにとどまりました。

16歳のころから日馬富士を師匠として育ててきた伊勢ヶ濱親方は「本人が1番悪いんです。本当に申し訳ありませんでしたというしかありません。ただただ支えて頂いたファン、相撲協会の皆さんに心からおわびします」と涙ながらに話しました。

日本相撲協会 八角理事長「意思尊重し引退届受理」

横綱 日馬富士の引退について、日本相撲協会の八角理事長は「肉体と精神の力を振り絞って、長年にわたり土俵を務めてくれた日馬富士がこのような形で土俵を去ることは協会としましても大変な損失であり、非常に残念です。しかし、どのような理由があろうとも暴力を肯定することはできません。日馬富士の意思を尊重し、引退届を受理致しました。今回の暴行問題では協会の危機管理委員会で、今後も事実の解明に向け全力を挙げる所存です」というコメントを出しました。

横審委員長「相撲協会は再発防止に知恵と努力を」

横綱 日馬富士の引退を受けて、横綱審議委員会の北村正任委員長は「事実確認の調査が終わっていないこの段階で、審議委員会全体の見解をまとめる必要はないと考える」としたうえで、個人の感想として「今回の出来事は誠に残念なことであり、相撲協会は一丸となって再発防止に知恵と努力を重ねてほしい」とコメントしました。

大関 高安「全力で相撲に取り組む」

愛媛県西予市で開かれている相撲の催しに参加した大関 高安が記者団の取材に応じました。

この中で高安は日馬富士の引退について「僕はこれからも全力でファンの皆様のために相撲に取り組むだけです。横綱には僕が関取になる前から目にかけてもらい、たくさん稽古をつけてもらったし、本場所でも何回も戦った方なので、そういったものをしっかり考えて内に秘めて結果を出して恩返ししたい」と話しました。

そのうえで「相撲を愛してくれる皆さんに元気になってもらえるよう、日本の国民の皆さんのために相撲を取って相撲の伝統を守るのが僕たちのつとめなので、大関として自覚をもって取り組んでいきたい。相撲界が新年によいスタートを切れるよう力士の1人として責任を果たしたい」と話しました。

スポーツ評論家 玉木正之さん「引退に値する」

大相撲の横綱 日馬富士がみずからの暴行問題の責任をとって現役を引退したことについて、スポーツ評論家の玉木正之さんは「まだ全盛期という中での引退は残念だが、暴行問題で横綱としての品位をけがしたことは引退に値するのでしかたないと感じた」と話しました。

そのうえで、日本相撲協会に対しては「きょうの引退会見でも日馬富士がなぜ暴行に至ったのかよくわからなかった。相撲協会にはリーダーシップを持って、原因も含め全容を解明してほしい」と話していました。

また、相撲界で暴力の問題が繰り返されていることについては、「相撲は張り手を使ったりぶつかり合ったりする格闘技なので、暴力に対して少し慣れがあり、教育の名の下(もと)にすぐ手が出てしまう。暴力の体質が身にしみてしまっているので、簡単にはなくならないと思うが、相撲協会は理事長を中心として各部屋に通達を繰り返すなど暴力をなくす努力をすべきだ」と話していました。

官房長官「事実関係解明を」

菅官房長官は午後の記者会見で、「日馬富士関と言えば、低い姿勢からの鋭い立ち合い、そして闘志あふれる取り組みでファンをわかして、今の力士の中では軽量級ではあるが、角界最高の地位まで昇りつめた。引退はまさに残念という言葉に尽きる。暴力はどのような場合であっても決して許されるものではなく、日本相撲協会は速やかに事実関係をきちんと解明するとともに、二度とこうしたことが行われることがないように、しっかりと対応して頂くことが基本だ」と述べました。