大相撲で、平幕貴ノ岩(27=貴乃花)へ暴行を加え、負傷させた横綱日馬富士(33=伊勢ケ浜)が29日、福岡県太宰府市内の太宰府天満宮で引退会見を開き「私はお酒を飲んで事件を起こしたことはない。自信を持って言えるのは、人を傷つけたり、酒癖が悪いと言われたことは1回もありません」と断言した。主な一問一答は以下の通り。
-思い出に残っていること
日馬富士 たくさんの思い出があります。この場を通じて、戦ってきた力士の仲間たちへ申し訳ないって伝えたいです。初土俵で序の口で優勝したことが…初戦を忘れちゃダメなので、そのことが思い出の中にありながら、その気持ちを忘れないで今まで頑張ってきました。
-師匠、90キロに満たない少年を横綱に育てた。どんな土俵人生だった?
伊勢ケ浜親方 とにかく稽古、稽古ですね。どこが痛い、あそこが痛いと弱音を吐かずに、ずっと頑張り続けて今日までやってきたんじゃないですかね。その相撲を見てもらうことで、皆さんに喜んでもらいたいんじゃないかなと思います。
-師匠の涙はどう感じた?
日馬富士 今から10年前に父を亡くして…そして僕のお父さんであり、憧れの師匠でもあり、いつも親方とおかみさんに恩返ししたい、喜んでいただきたいな、評価していただきたいという気持ち…いい息子としていたいなという気持ちが本当に強かったです。ただ、この17年、積み重ねてきた僕の生き方が、最後にこんな世間を騒がせたことで、本当に親方に申し訳ないという気持ちでいっぱい。これからも自分なりに恩返しして、相撲の名を傷つけないよう、ちゃんとした生き方をして恩返ししていきたい。
-今回のことがなかったら引退後、協会に残って大相撲を支えていこうという思いはあったか??
日馬富士 相撲があっての私なので、相撲道に恩返しして生きていきたいという気持ちがありました。
-今後の人生を、どう生きていきたい。
日馬富士 親方とおかみさんの17年の教えのもとで、相撲道で学んだことを生かして、人様に迷惑をかけないように、ちゃんとした生き方をして頑張っていくつもりでいます。
-今、貴ノ岩に思うことは?
日馬富士 貴ノ岩関にケガを負わせて、心も多分、傷ついていると思いますので。心から…礼儀と礼節を忘れず、ちゃんとした生き方をして頑張っていただきたいです。
-九州場所2日目までは土俵に上がっていた。その時の気持ちは?
日馬富士 普通に相撲に集中して、頑張っていました。こうして新聞に出ることも、その時は分からなかったので。(10月)26日に彼が僕のところに謝りに来て、「叱ってくれるお兄さんがいてくれることに感謝するよ。気を付けて頑張るよ」と言って握手して別れたわけですから、ことが大きなことになっているとは知らなかった。
-他の解決方法、事態の収拾の仕方はあったのでは?
伊勢ケ浜親方 それは、皆さんがどういうふうに思うかじゃないでしょうか? 私は、よその部屋の力士に指導し、それが行きすぎてしまった部分に対しては、やはり横綱の権威、名を汚したのではないか? と私は思う。その責任は絶対、取らなければいけないんじゃないかなと思います。
-師匠は財団法人の理事としてこれまでの対応をどう評価する? 対応の遅れという声もあるが?
伊勢ケ浜親方 私は全部、筋道を通して、きちんとやってきました。それだけです。何の対応ですか? 私は知って、すぐ謝罪しましたよ。部屋でもしました。私が行くと言って、また断られた時もありましたけど、そういうことはきちんとやっていました。
-ことの重大さをどう認識する?
日馬富士 今回のことで、彼のためになる、そして僕は正しいことをしているという気持ちが強すぎると、行きすぎることもあるんだなと思いました。本当に…はい。それだけです。
-お酒を飲んで精神面はどうなるか?
日馬富士 私は今まで、お酒を飲んで何かの事件を起こしたことはありません。それは一緒にいる人が評価してくれることなので。ただ自信を持って言えるのは、お酒を飲んで人を傷つけたり、暴れたり、酒癖が悪いと言われたことは今まで1度もないです。お酒を飲んだからこその事件ではないんです、これは。
-これまでもこのような行きすぎた指導はあったか? もしくは相撲界では見たことがあるか
日馬富士 私は、こうした指導はしたことはありません。すみません…あとは。ないです。相撲は土俵の上で、けいこ場で教えていく相撲道なので、はい。