日本の相撲スター、日馬富士が引退 暴行問題で
暴行問題の責任を取り、大相撲のグランドチャンピオン、横綱・日馬富士(33)は29日、引退を発表した。きわめて様式化され儀礼を重んじる日本のスポーツは、暴行問題で揺れに揺れてきた。
日本メディアによると、日馬富士は自分より若い幕内力士を手のひらやこぶし、カラオケのリモコンで殴ったとされ、警察の事情聴取を受けている。
記者会見した日馬富士は、「世間を騒がせ、支えてくださった皆さんに迷惑をかけて本当に申し訳ない」などと話した。
角界では近年、暴力問題や暴力団とのつながり、八百長問題などがたびたび発覚し、問題となってきた。
日馬富士は16歳で入門し、2012年に横綱に昇進した。
他の力士との酒の席で、同じモンゴル出身の幕内・貴ノ岩(27)を殴り、入院させたと地元メディアに報道され、今回の引退に至った。
報道によると、貴ノ岩は脳しんとうや頭蓋底骨折などと診断され、入院したという。
日本相撲協会の広報担当によると、日馬富士の師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱・旭富士)が29日に、横綱引退の意向を協会に伝えた。
27日には横綱審議委員会があり、北村正任委員長が「暴力があったということは間違いない」、「非常に厳しい処分が必要という意見が委員会全体であった」と述べた。
いじめに暴力団とのつながり
角界については暴力問題やスキャンダルが相次ぎ表面化してきた。
報道によると2016年には別の親方と力士が、元力士の男性を暴行して片目を失明させたとして約3200万円の損害賠償の支払いを命じられた。
2011年には八百長問題が発覚し、多数の力士が引退もしくは解雇された。
その前年の2010年には、暴力団を胴元とする野球賭博に力士や親方が関わっていると発覚。この時の警察捜査が、翌年の八百長問題発覚につながった。
2010年には日馬富士と同じモンゴル出身の横綱・朝青龍が、泥酔して一般人を殴ったとされる事件が明らかになり、引退した。
2007年には10代の序ノ口力士が親方と複数の兄弟子から暴行を受けた後、死亡した。この元親方は傷害致死罪で懲役5年の実刑判決を受けた。この事件が、角界の厳しい階級制度にあったいじめやしごきの風潮を明るみにした。
(英語記事 Japanese sumo star Harumafuji retires after 'violent assault')