アマゾンからの競争で小売店の経営が苦しくなることを、アメリカでは「Death by Amazon」といいます。このトレンドを捉えるETF(上場型投信)が先日、アメリカでデビューしました。プロシェアーズ・デクライン・オブ・ザ・リテール・ストアETF(ティッカーシンボル:EMTY)がそれです。
デクライン(decline)というのは没落という意味です。またティッカーシンボルのEMTYは「がらがら」ないしは「カラッポ」の英語であるemptyをもじったものでしょう。
ETFが人気化するかどうかのカギを握るのはネーミングやティッカーシンボルの面白さに左右される部分が大きいです。
さて、プロシェアーズはETFに特化した運用会社で、中堅です。
EMTYは、具体的にどのような内容になっているか? といえば、まず実店舗を展開する米国の小売店で、売上高の過半数を実店舗から上げている企業というのがスクリーニングの基準になります。こうして選ばれた56銘柄を、時価総額ウエイティングではなく、単純平均(=ダウ30と同じノリです)し、指数を算出します。
銘柄的には、アメリカン・イーグル・アウトフィッターズ(AEO)、ギャップ(GPS)、エクスプレス(EXPR)など、お馴染みの小売株が殆ど網羅されています。
その中には事業規模が小さい企業も含まれており、それが単純株価平均で指数化されているので、「小さくて弱い企業」の値動きが誇張されるように指数がデザインされていると言えるでしょう。
このETFはその指数のマイナス1倍、すなわちそれらの株を全部ショートした時と同じ結果を得られるようにデザインされています。言い換えれば、アマゾンによってブッ殺されるこれらの銘柄が、下がれば下がるほど、このETFは儲かる仕組みなのです。その意味でショート(=空売り)型ETFのひとつと言えます。
このETFの問題点は二つあり、その第一は費用比率(0.65%)が高いこと。もうひとつは出来高が薄いことです。今後、このETFに対する認知度が向上すれば、出来高は増えるかも知れません。
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その中には事業規模が小さい企業も含まれており、それが単純株価平均で指数化されているので、「小さくて弱い企業」の値動きが誇張されるように指数がデザインされていると言えるでしょう。
このETFはその指数のマイナス1倍、すなわちそれらの株を全部ショートした時と同じ結果を得られるようにデザインされています。言い換えれば、アマゾンによってブッ殺されるこれらの銘柄が、下がれば下がるほど、このETFは儲かる仕組みなのです。その意味でショート(=空売り)型ETFのひとつと言えます。
このETFの問題点は二つあり、その第一は費用比率(0.65%)が高いこと。もうひとつは出来高が薄いことです。今後、このETFに対する認知度が向上すれば、出来高は増えるかも知れません。
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