いろいろ桁違いです。
テンセント(騰訊)、中国のIT企業です。つい先日、時価総額がFacebook(フェイスブック)を超えたことがニュースとなり、その名前を目にした人も少なくないことでしょう。なんせ、時価総額5,300億ドル(約59兆円)ですからね。世界の企業で5番目です。さて、そもそもテンセントってどんな会社なのでしょう?
始まりは?
1998年、OICQというメッセージアプリと共に創業。OICQはその後、ICQアプリからの法的申入れにより、名前をQQに変更。QQとなり急成長するも、そこから3年ほどは利益なし。2000年中期、Soso検索連携、CrossFireやDungeon Fighter Onlineなどのオンラインゲームのライセンスなど、多方面に事業を拡大。2011年、Riot Gamesの買収とWeChatのリリースにより、さらなる成長を遂げます。
中国のソーシャル王
中国のインターネットはテンセントなしでは存在しないと言っても過言ではありません。メジャーなソーシャルメディアやメッセージアプリ(QQ、QwChat、Qzone)は、テンセントが提供。AmazonのAlexaのような、Xiaoweiという名のデジタルアシスタントもいます。モバイル決済システムTenPay、クラウドストレージWeiyun、さらに映画スタジオTencent Picturesまであります。
ゲームで海外へ大きく進出
米国や日本ではテンセントと言えばゲームという印象が強いですね。Riot Games(League of Legendsの制作元)、Supercell(クラッシュ・オブ・クランの制作元)がテンセント傘下にあります。また、Epic Games(ギアーズ オブ ウォーの制作元)、Activision Blizzard(オーバーウォッチやDestinyの制作元)などのメジャーゲーム会社にも巨額投資を行なっています。最近ではFrontier Developments(Elite: Dangerous and Planet Coasterの制作元)への投資や、Snapchatの株式12%を保有するなど、さらに手を広げています。アングリー・バードのクリエイターRovioを買収するという噂まであります。
成長の理由
テンセントが提供するサービスは、どれもたくさんのユーザーを抱えています。例えば、WeChatは、今年5月に月間ユーザー数9億3800万人を達成しています。テンセントの成長の理由には、国内人口が多いのはもちろんですが、中国政府の影響力も挙げられます。世界的に多くのユーザーを持つGoogle(グーグル)やFacebookが中国国内では利用できないことはもちろん、2011年から2015年のEコマースに注力するという5年政策も追い風となりました。
今後の展望
ここ1年の間に、テンセントの株価は200香港ドル(約2,800円)から400香港ドル(約5,700円)へとダブルアップ。会社への期待はますます高まり、「ネット広告の分野でGoogle、Facebook、アリババにも対抗できるのでは?」という声もあがっています。現在、ネット広告収入に注目すると、Facebookは自社収益の97%を占めているのに対して、テンセントはたったの17%。つまり、現段階では、ネット広告収入はテンセントの収益の大きなパートを担っておらず、今後の成長の余地が大きくあるということです。米国内のデジタル広告の60%、世界の50%をGoogleとFacebookが有するとみられることを踏まえると、テンセントがネット広告に注力したときのパワーは計り知れず、ネット広告市場に大きな変化が起こる可能性もあります。
なるほど。つまり、まとめるとテンセントってもーんのすごいわってことです。
Image: Tencent
Sam Rutherford - Gizmodo US[原文]
(そうこ)