日馬富士「逃れられない」と引退決意の内幕 追い詰めた貴乃花親方の執念
暴行事件の渦中にあった横綱、日馬富士(33=伊勢ケ浜部屋)がついに引退を決意した。
すでに師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)との話し合いを終え、29日にも記者会見を開き、表明するという。
【写真】険しい表情で福岡国際センターに入る貴乃花親方
ある親方が内情をこう打ち明ける。
「昨夜、『日馬富士はもう、このままではもたない。無理だな』と伊勢ケ浜親方があきらめたという話が流れ始めた。日馬富士は『もう一度、土俵にあがりたい。どんな処分、制裁でも甘んじて受ける』『酒をのんだばっかりに……、こんなことになるとは……』と後悔しきりだったそうだ」
しかし、暴行事件があった酒宴に同席した力士が次々と鳥取県警に呼ばれ、事情を聞かれた。昨日は同席した横綱、白鵬も7時間近く、事情聴取を受けた。
「鳥取県警が非常に厳しい姿勢だったので呼ばれた力士は皆、驚いていた。聴取を受けたある力士らの『ドラマの調べとは違って、細かいことまですごく聞かれる。嘘をついたり、ごまかしたりとかできない』『徹底して聞かれ、大きなことになりそうだ』という声が日馬富士の耳にも入った。その上、貴ノ岩(27=貴乃花部屋)の兄が頭部のケガの写真を公開し、暴行の跡がハッキリしたことも、ショックだったようだ。日馬富士はこれまで、最後はモンゴル力士同士なので、みんな仲間だから何とかなると思っていたが、許してもらえるという事態ではなく、もう逃れることはできないと思ったようだ。そして、『最悪は警察に捕まり、裁判かもしれない。そこまでなったら、とても相撲は無理』と言いはじめた。後援者は『処分が出るまで待て、まだ相撲はとれる』と慰留したが、『警察に捕まるかもしれないんです』『横綱なのにそういうことしてしまった。甘かった』と弱気になり、『責任をとるしかない。もう無理です』と話していたそうだ」(同前の親方)
貴ノ岩への暴行が発覚してから約2週間。次第に追い詰められた日馬富士は鳥取県警、日本相撲協会の危機管理委員会の調査が継続中だが、自ら身を引く覚悟を固めたという。