ドライブ中、車内が沈黙してしまった……。
聞こえてくるのは、先ほどまで耳に入っていなかったBGMと車が走る音のみ。閉ざされた空間に数人が居合せる車内では、ほんの一時の会話の空白がやけに目立ちます。
時には無言で過ごすのもありです。しかし、沈黙が長く続くと気まずさが漂うもの。付き合い始めたばかりの恋人とのデートや、先輩・後輩とのお出かけでドライブするなら、会話もたくさん楽しみたいですよね。
今回は、そんなときに使える話題や、上手に車内トークをするためのコツを紹介します。ドライブで会話が続かない人は必見です!
会話は“共感”や“同調”から始まる!
普段、私たちは何気なく「会話」をしています。たくさんの時間や空間を共有している相手なら、お互いのことが理解できているため、あまり会話に困ることはありません。
つまりこれは逆に、あまり知らない仲の場合は、上手くきっかけをつかめなければ会話が弾まないということ。
初対面では特に、お互いに質問などを投げかけながら、取っかかりを探しますよね。このように、会話をする人どうしの取っかかりを作る第1歩が“共感”なのです。
そのテンプレとも言えるワンフレーズが、
「今日は良い天気ですね」
というもの。あくまでも例ですが、このようにシンプルな投げかけは共感を呼びやすく、答える側は「オウム返し」などで同意するだけで共感を示すことができます。
ただしこのような質問・投げかけは、シンプルゆえに反応に困ったり、話を続けにくかったりすることも。答える人は基本のオウム返しにひと言付け加えると、会話が広がりやすくなります。
A「今日は晴れて良かったね」
B「うん。秋晴れで絶好のお出かけ日和だ」
A「先週まで暑かったのに、一気に秋になっちゃったね。秋物の洋服出した?」
普通に話せているときは自然にできていることですが、相手によってはそれが上手くできないこともあります。会話がスムーズに続かないと感じるときは、まず“共感”を意識するようにしましょう。
また、会話の内容だけでなく、話すテンションやリズム、声のボリュームなどを“同調”させると、よりいっそう親近感を抱きやすくなります。これは「ページング」と言われ、スムーズな会話を作る技術のひとつ。
相手が元気なトーンで話しかけてきたら、明るく。落ち着いてしゃべっていたら、自分もその調子に寄せます。やりとりするペースも相手に合わせると、話しやすい雰囲気になります。
表情や目線も重要ですが、運転中にそういったものを合わせるのは難しいので、信号待ちなど、止まっているタイミングで相手のことを伺うのがおすすめです。
覚えておきたいトークのテクニック
■オープンクエスチョン / クローズドクエスチョン
会話は言葉のキャッチボールです。質問や投げかけ、自分の意見などやりとりすることで会話が連なっていきます。
特に自分から投げかけるときに意識すべきことが、「オープンクエスチョン」と「クローズドクエスチョン」の違い。上手く使い分けると相手も答えやすく、会話がはかどります。
【オープンクエスチョン】
オープンな(=広がっていく)質問。さまざまな回答が考えられる。
「お昼はどこ行く?」「休憩はどこのサービスエリアがいいかな」
【クローズドクエスチョン】
クローズな(=狭まる、限定する)質問。基本的にYES/NOで回答することになる。
「お昼はラーメンでいい?」「次のサービスエリアで休憩しようか」
クローズドクエスチョンは答えやすい反面、会話が続きにくいのが特徴。反対にオープンクエスチョンは相手が自由に答えられますが、回答の幅が広すぎて答えづらくなることもあります。
これらは適度なバランスが重要です。話す内容や相手によって、臨機応変に組み合わせて使うようにしましょう。
■会話のネタは「適度に整理すべし」
いつでも使えるトークのネタを備えておくことも、会話のテクニックのうち。営業職の人や雑談上手な人がよく使う話題を、語呂合わせで覚えておきましょう。
【適度に整理すべし】
・て……テレビ
・き……気候(天気)
・ど……道楽(趣味など)
・に……ニュース
・せ……生活(日常生活や衣食住)
・い……田舎(出身地)
・り……旅行(お出かけ)
・す……スター・スキャンダル
・べ……勉強(勉強そのものや知識の話)
・し……仕事
普段の会話も、これらが基本になっていることがしばしば。相手に話題を振り、何か共感できるようなものを見つけたら、そこから会話を広げていきます。
じっくり話すチャンス!あの子との距離を縮める会話【ドライブデート編】
付き合う前のデートや付き合い始めたばかりなら、話せることは無限大。距離を縮めていくために有効な会話のタネを紹介します。
ドライブの車内は2人だけの空間ですので、ゆっくりひとつずつお互いのことを知っていきましょう。
1. 仲良くなったきっかけ
仲良くなったきっかけは2人の初めての共通点ですので、自然に話せるはず。同じサークルや職場で出会ったならその話、趣味を通じて意気投合したのならその趣味について語り合うことができます。
2. 共通の知人
身近に興味深い共通の知人がいるのであれば、その人物について話します。第三者のことは、どちらにとっても気楽な話題のひとつ。ただし、名誉を損なうような話は控えましょう。
3. 旅行
「適度に整理すべし」の“り”。これまで行ったことのある場所の話、行ってみたい場所の話は、今後のデートの布石にもなります。遠出のことだけでなく、ちょっと気になっているスポットなどについて話すのもおすすめです。
4. 食べ物
こちらも、今後2人で過ごす際に重要となる情報です。好きな食べ物からお気に入りの店まで、お互いの嗜好をしっかりチェックしておくと、いざ食事に行くときに役立ちます。
5. 知り合う前のこと
知り合う前のことを話すと、相手についての理解がぐっと深まります。ゆっくり話せる機会なので、いろいろ聞いてみましょう。ただし、根掘り葉掘り聞かれるのは嫌な人もいますので、注意が必要です。
盛り上がるかも?ドライブを有意義な時間にする会話【先輩・後輩編】
次に、性別や人数を問わず、先輩・後輩たちでドライブする際におすすめの会話のタネを紹介します。今まで以上に良い関係を築いてくださいね。
1. コミュニティの最新トピックス
コミュニティの話題は定番ですが、身近であるだけに盛り上がりやすいもの。サークルや職場などで常時飛び交う、いろいろな情報を交換してみましょう。
2. 先輩・後輩と知り合う前のこと
憧れている先輩が、かつてはドジばかりだったことが明らかになったり、落ち着いて見える1年生が高校時代はやんちゃだったり。年齢や所属した時期の差が活かせる話題は、先輩・後輩がそろう空間ならでは。
3. 第一印象
知り合う前の2に対して、こちらは知り合ってからのイメージの変化を語り合います。最初は怖い先輩だと思っていたけれど、実際は……なんて話をすれば、より仲良くなれるかもしれません。
4. 懐かしいものをひたすら挙げていく
同年代でも、年齢が1つ違えば過去の流行に対する見方も異なってきます。ゲーム・漫画や音楽、芸能ネタなど、「それ懐かしいね!」となるようなものについて話しましょう。
5. ゲームをするのもあり
車内に3人以上いる場合は、口頭でできるゲームをするのもよいでしょう。
例としては、「私は誰でしょうゲーム」。1つのお題を回答者以外の全員が共有し、回答者はYES/NOで答えられる質問を繰り返し、制限時間内に自分が何者なのかを推理していきます。
【お題=「クルマ」】
回答者「食べ物ですか?」→「NO」
回答者「乗り物ですか?」→「YES」
回答者「4輪ですか?」→「YES」
回答者「私は『クルマ』ですか!?」→「正解!」
YES/NOだけでは簡単に導けないような、絶妙なお題を設定すると意外に難しくて盛り上がります。ドライバーも含めて楽しめるような、シンプルなゲームがおすすめですよ。
会話を楽しめれば、ドライブが楽しくなる!
車内での会話は、ドライブに欠かせない要素。ドライブをただの移動時間だけに終わらせるのはもったいないですし、楽しくおしゃべりができれば、それだけでドライブは楽しくなります。
しかしトークが重要とは言うものの、笑いをとる必要もなければ、気負う必要もありません。肩の力を抜いて、ドライブの会話を楽しんでくださいね。