日銀:ETF含み益過去最高4兆2710億円に拡大-9月末
- ETF保有額は20兆3457億円、当期剰余金は5502億円
- 国債の償却負担は7345億円、利息収入として5972億円計上
日本銀行が保有する指数連動型投資信託(ETF)の含み益が、9月末時点で過去最高の4兆2710億円に達した。28日公表した2017年度上期の決算で明らかになった。
含み益は株価の上昇で今年3月末時点(2兆7692億円)から膨らんだ。保有額は20兆3457億円。量的・質的金融緩和の下、日銀のETFの買い入れ額は現在、年間6兆円となっている。
17年度上期の経常利益は9610億円、当期剰余金は5502億円、9月末の自己資本比率は8.12%(前年度末8.07%)だった。長短金利操作付き量的・質的金融緩和の実施に伴い生じる収益の振幅を平準化するため、債券取引損失引当金を2279億円積み立てた。
政策委員室の高田英樹経理課長の記者説明によると、保有する長期国債を額面を大幅に上回る価格で購入したことによる償却負担は7345億円だった。受入利息は1兆3317億円で、差し引き5972億円が長期国債の利息収入として計上された。
日銀は量的・質的金融緩和の下で、償還時に戻ってくる元本(額面)を大幅に上回る価格で大量の長期国債を購入し、償却原価法による会計処理で、元本を上回る価格で購入した分を償還までに毎年均等に償却している。16年度の償却負担は1兆3076億円と、04年度の現会計法採用以来、初めて1兆円台に乗った。