視覚障害者の白いつえ挟んだまま発車 東急田園都市線

視覚障害者の白いつえ挟んだまま発車 東急田園都市線
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東急田園都市線の二子玉川駅で今月17日、電車がホームにいた視覚障害のある男性の白いつえをドアに挟んだまま発車していたことがわかりました。男性は無事でしたが、東急電鉄は「確認を徹底するなど再発防止に努めたい」としています。
東急電鉄によりますと、今月17日、東京・世田谷区にある東急田園都市線の二子玉川駅で、下り電車がホームにいた視覚障害のある男性の白いつえをドアに挟んだまま発車しました。男性がつえから手を放したため、けがはなかったということですが、電車はつえを挟んだ状態で次の二子新地駅まで運行したということです。

当時、男性は運転士に近い先頭車両付近のホームにいて、電車内の乗客に各駅停車か急行かを尋ねていたということで、男性がドアから離れたのをホームのいちばん後ろにいた車掌がモニターで確認し発車しましたが、つえが細かったためモニターで確認できず、ドアに物が挟まったことを検知するセンサーも反応しなかったということです。また、運転士も気がつかなかったということです。東急電鉄は男性に謝罪するとともに、折れたつえを弁償したということです。

二子玉川駅には来年2月にホームドアが設置予定で、東急電鉄は「ホームドアの設置など、視覚障害のある方の事故防止の対策に取り組んでいるが、確認を徹底するなど再発防止に努めたい」とコメントしています。
東急電鉄によりますと、今月17日、東京・世田谷区にある東急田園都市線の二子玉川駅で、下り電車がホームにいた視覚障害のある男性の白いつえをドアに挟んだまま発車しました。男性がつえから手を放したため、けがはなかったということですが、電車はつえを挟んだ状態で次の二子新地駅まで運行したということです。

当時、男性は運転士に近い先頭車両付近のホームにいて、電車内の乗客に各駅停車か急行かを尋ねていたということで、男性がドアから離れたのをホームのいちばん後ろにいた車掌がモニターで確認し発車しましたが、つえが細かったためモニターで確認できず、ドアに物が挟まったことを検知するセンサーも反応しなかったということです。また、運転士も気がつかなかったということです。東急電鉄は男性に謝罪するとともに、折れたつえを弁償したということです。

二子玉川駅には来年2月にホームドアが設置予定で、東急電鉄は「ホームドアの設置など、視覚障害のある方の事故防止の対策に取り組んでいるが、確認を徹底するなど再発防止に努めたい」とコメントしています。

当時の状況は

東急電鉄によりますと、トラブルがあったのは今月17日の午後4時45分ごろで、男性は車両のドアの近くに立って、電車内の乗客に各駅停車か急行かを尋ねていたということです。

この電車は男性が乗りたかった各駅停車でしたが、男性の質問に対し、乗客から返答がなかったため、男性は乗るのを諦めてドアから離れたということです。

車掌は男性がドアから離れるのをモニターで確認し発車しましたが、白いつえが細かったため、つえが挟まったことをモニターで確認できなかったということです。

東急電鉄は20年余り前にすべての駅のモニターを白黒からカラーに変更しましたが、二子玉川駅のモニターはハイビジョン化されておらず、画像が粗いため確認できなかったということです。
また、当時は朝夕のラッシュ時ではなかったため、ホームには駅員や警備員はいなかったということです。

東急電鉄は先月と今月、朝の通勤・通学の時間帯に田園都市線が電気系統のトラブルで長時間止まった問題を受け、老朽化が進む田園都市線の地下部分について、設備の緊急点検を行うといった再発防止策を今月16日に発表していました。

今回のトラブルはこの発表の翌日に起きたもので、報告を受けた国土交通省は東急電鉄に対し、電車の出発時の安全確認を徹底するよう指導したということです。

国土交通省によりますと、視覚障害者のホームからの転落は昨年度69件起き、去年8月には東京メトロの駅のホームから盲導犬を連れた男性が転落して死亡するなど、死亡事故も3件起きています。

転落事故を防ぐため、国土交通省は鉄道各社とともにホームドアの設置を進めていて、2020年度までに利用者の多い都市部の駅を中心に、およそ880の駅で設置する計画です。

また、駅のホームのカメラの機能を向上させるとともに、盲導犬や白いつえをカメラが認識し、視覚障害のある人に複数のスピーカーが音声でドアまで誘導するシステムについて、数年後の実用化を目指し、メーカーとともに開発を進めることにしています。

つえ挟まれた経験「とても恐怖感じた」

全国にある視覚障害者の団体でつくる「日本盲人会連合」などが去年、視覚障害者50人余りを対象に行ったアンケートでは、電車のドアに白いつえが挟まり、そのまま電車が走り出してしまったという経験を過去にしたことがあると答えた人は4人いたということです。

「日本盲人会連合」の部長、藤井貢さんも電車に乗る際に白いつえを挟まれ、そのまま電車が走り出してしまい、つえが壊れてしまった経験があるということで、「つえがなくなった状態でホームに取り残されて、身動きもとれずとても恐怖を感じました」と当時の状況を振り返っています。

視覚に障害のある人は、ほかの乗客が乗り降りしている間は危なくて電車に近づけず、乗客の動きが落ち着いてからいちばん最後に乗り降りすることが多いということです。

さらに、電車に乗り込む際もドアの場所やホームと車両の隙間を確認しながら乗らなくてはならず、発車のベルが鳴り終わっているのに電車に乗り切れていないことも少なくないということです。

藤井さんは「鉄道事業者には電車に乗りきれずに戸惑っている人がいないか、視覚障害者の動きに気を配ってほしいです。周囲の乗客からも『お先にどうぞ』といった声かけをしてもらったり、みんなで気遣いができるようになれば事故は防げると思います」と話していました。

視覚障害者の白いつえ挟んだまま発車 東急田園都市線

東急田園都市線の二子玉川駅で今月17日、電車がホームにいた視覚障害のある男性の白いつえをドアに挟んだまま発車していたことがわかりました。男性は無事でしたが、東急電鉄は「確認を徹底するなど再発防止に努めたい」としています。

東急電鉄によりますと、今月17日、東京・世田谷区にある東急田園都市線の二子玉川駅で、下り電車がホームにいた視覚障害のある男性の白いつえをドアに挟んだまま発車しました。男性がつえから手を放したため、けがはなかったということですが、電車はつえを挟んだ状態で次の二子新地駅まで運行したということです。

当時、男性は運転士に近い先頭車両付近のホームにいて、電車内の乗客に各駅停車か急行かを尋ねていたということで、男性がドアから離れたのをホームのいちばん後ろにいた車掌がモニターで確認し発車しましたが、つえが細かったためモニターで確認できず、ドアに物が挟まったことを検知するセンサーも反応しなかったということです。また、運転士も気がつかなかったということです。東急電鉄は男性に謝罪するとともに、折れたつえを弁償したということです。

二子玉川駅には来年2月にホームドアが設置予定で、東急電鉄は「ホームドアの設置など、視覚障害のある方の事故防止の対策に取り組んでいるが、確認を徹底するなど再発防止に努めたい」とコメントしています。

当時の状況は

東急電鉄によりますと、トラブルがあったのは今月17日の午後4時45分ごろで、男性は車両のドアの近くに立って、電車内の乗客に各駅停車か急行かを尋ねていたということです。

この電車は男性が乗りたかった各駅停車でしたが、男性の質問に対し、乗客から返答がなかったため、男性は乗るのを諦めてドアから離れたということです。

車掌は男性がドアから離れるのをモニターで確認し発車しましたが、白いつえが細かったため、つえが挟まったことをモニターで確認できなかったということです。

東急電鉄は20年余り前にすべての駅のモニターを白黒からカラーに変更しましたが、二子玉川駅のモニターはハイビジョン化されておらず、画像が粗いため確認できなかったということです。
また、当時は朝夕のラッシュ時ではなかったため、ホームには駅員や警備員はいなかったということです。

東急電鉄は先月と今月、朝の通勤・通学の時間帯に田園都市線が電気系統のトラブルで長時間止まった問題を受け、老朽化が進む田園都市線の地下部分について、設備の緊急点検を行うといった再発防止策を今月16日に発表していました。

今回のトラブルはこの発表の翌日に起きたもので、報告を受けた国土交通省は東急電鉄に対し、電車の出発時の安全確認を徹底するよう指導したということです。

国土交通省によりますと、視覚障害者のホームからの転落は昨年度69件起き、去年8月には東京メトロの駅のホームから盲導犬を連れた男性が転落して死亡するなど、死亡事故も3件起きています。

転落事故を防ぐため、国土交通省は鉄道各社とともにホームドアの設置を進めていて、2020年度までに利用者の多い都市部の駅を中心に、およそ880の駅で設置する計画です。

また、駅のホームのカメラの機能を向上させるとともに、盲導犬や白いつえをカメラが認識し、視覚障害のある人に複数のスピーカーが音声でドアまで誘導するシステムについて、数年後の実用化を目指し、メーカーとともに開発を進めることにしています。

つえ挟まれた経験「とても恐怖感じた」

全国にある視覚障害者の団体でつくる「日本盲人会連合」などが去年、視覚障害者50人余りを対象に行ったアンケートでは、電車のドアに白いつえが挟まり、そのまま電車が走り出してしまったという経験を過去にしたことがあると答えた人は4人いたということです。

「日本盲人会連合」の部長、藤井貢さんも電車に乗る際に白いつえを挟まれ、そのまま電車が走り出してしまい、つえが壊れてしまった経験があるということで、「つえがなくなった状態でホームに取り残されて、身動きもとれずとても恐怖を感じました」と当時の状況を振り返っています。

視覚に障害のある人は、ほかの乗客が乗り降りしている間は危なくて電車に近づけず、乗客の動きが落ち着いてからいちばん最後に乗り降りすることが多いということです。

さらに、電車に乗り込む際もドアの場所やホームと車両の隙間を確認しながら乗らなくてはならず、発車のベルが鳴り終わっているのに電車に乗り切れていないことも少なくないということです。

藤井さんは「鉄道事業者には電車に乗りきれずに戸惑っている人がいないか、視覚障害者の動きに気を配ってほしいです。周囲の乗客からも『お先にどうぞ』といった声かけをしてもらったり、みんなで気遣いができるようになれば事故は防げると思います」と話していました。