使い終わったロケットや人工衛星などの「宇宙ごみ」は、秒速7、8キロという猛スピードで地球の周りを回り続けていて、運用中の人工衛星や国際宇宙ステーションに衝突しないか、大きな脅威となっています。
JAXA=宇宙航空研究開発機構によりますと、人類初の人工衛星が1957年に打ち上げられて以来、世界ではこれまでに少なくとも8000機近くの人工衛星が打ち上げられています。
使い終わったロケットや人工衛星は、その後、地球の大気圏に落下して高温にさらされ燃え尽きますが、中にはすぐに落下せず、地球の周りを回りつづけて「宇宙ごみ」となるケースも多くなっています。
さらに「宇宙ごみ」となった燃料タンクが爆発して多数の破片が飛び散ったり、ごみとごみがぶつかってより細かく砕けたりして、「宇宙ごみ」の数は増加傾向にあります。
内閣府やJAXAによりますと、アメリカ軍が地上から行った観測で確認している大きさが10センチ以上の「宇宙ごみ」は、2万3000個以上にのぼっています。また、大きさが1ミリ以上の「宇宙ごみ」は、1億個を超えると推定されているということです。
こうした膨大な数の「宇宙ごみ」は、気象観測や位置情報の提供、それに放送や通信など私たちの生活に欠かせない現役の人工衛星や宇宙船にとって大きな脅威となっています。
宇宙ごみの衝突の速度は秒速15キロにもなり、10センチを超えるものは壊滅的な破壊を引き起こすほか、1ミリほどの宇宙ごみでも衛星の故障を引き起こすことがわかっていますが、効果的な対応策がないのが現状です。
実際に2009年には、宇宙ごみとなったロシアの衛星が、運用中のアメリカの通信衛星に衝突したほか、2011年には、国際宇宙ステーションに宇宙ごみがぶつかる可能性があるとして、当時、長期滞在していた宇宙飛行士の古川聡さんが宇宙ステーションにドッキングしている「ソユーズ宇宙船」に緊急避難する事態も起きています。
また、去年は、ヨーロッパの地球観測衛星の太陽電池パネルに数ミリの宇宙ごみが衝突し、電力の低下が起こっています。
JAXAによりますと、宇宙ごみの増殖を抑制し、継続的に宇宙を利用していくためには、ロケットの上段など大型の宇宙ごみを年間5個から10個程度、除去することが必要だということです。
しかし解決に向けて具体的に宇宙ごみを除去する技術やシステムはまだ実用化されておらず、継続的な宇宙利用を進める上で大きな課題となっています。
宇宙ゴミ観測の超小型衛星 打ち上げ成否不明に
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使い終わった人工衛星やその部品などの「宇宙ごみ」のうち、大きさが1ミリ以下の小さな宇宙ごみの位置や分布を捉える人工衛星を日本のベンチャー企業が開発し、28日、ロシアのソユーズロケットで打ち上げられましたが、衛星からの電波を受信できない状態となっていて、打ち上げが成功したかどうかわからないままとなっています。
宇宙ごみの位置を捉える超小型衛星を開発したのは東京 墨田区にあるベンチャー企業「アストロスケール」で、衛星は、28日午後2時41分、ロシアのボストーチヌイ宇宙基地からソユーズロケットで打ち上げられました。
しかし、予定した時刻になっても衛星からの電波を受信できない状態となっていて、打ち上げが成功したかどうかわからないままだということです。アストロスケールでは、打ち上げを行ったロシア国営の宇宙開発公社「ロスコスモス」と連絡を取りながら、詳しい状況を調べています。
打ち上げられたのは縦横38センチ、長さ60センチほどの超小型の観測衛星で、地上からは観測できない1ミリほどの小さな宇宙ごみの位置や宇宙空間での分布状況を捉える性能があり、会社では人工衛星の防護設計や衝突被害の想定に活用してもらえる観測データを販売するビジネスを展開したいとしていました。
しかし、予定した時刻になっても衛星からの電波を受信できない状態となっていて、打ち上げが成功したかどうかわからないままだということです。アストロスケールでは、打ち上げを行ったロシア国営の宇宙開発公社「ロスコスモス」と連絡を取りながら、詳しい状況を調べています。
打ち上げられたのは縦横38センチ、長さ60センチほどの超小型の観測衛星で、地上からは観測できない1ミリほどの小さな宇宙ごみの位置や宇宙空間での分布状況を捉える性能があり、会社では人工衛星の防護設計や衝突被害の想定に活用してもらえる観測データを販売するビジネスを展開したいとしていました。
宇宙ごみの脅威
使い終わったロケットや人工衛星などの「宇宙ごみ」は、秒速7、8キロという猛スピードで地球の周りを回り続けていて、運用中の人工衛星や国際宇宙ステーションに衝突しないか、大きな脅威となっています。
JAXA=宇宙航空研究開発機構によりますと、人類初の人工衛星が1957年に打ち上げられて以来、世界ではこれまでに少なくとも8000機近くの人工衛星が打ち上げられています。
使い終わったロケットや人工衛星は、その後、地球の大気圏に落下して高温にさらされ燃え尽きますが、中にはすぐに落下せず、地球の周りを回りつづけて「宇宙ごみ」となるケースも多くなっています。
さらに「宇宙ごみ」となった燃料タンクが爆発して多数の破片が飛び散ったり、ごみとごみがぶつかってより細かく砕けたりして、「宇宙ごみ」の数は増加傾向にあります。
内閣府やJAXAによりますと、アメリカ軍が地上から行った観測で確認している大きさが10センチ以上の「宇宙ごみ」は、2万3000個以上にのぼっています。また、大きさが1ミリ以上の「宇宙ごみ」は、1億個を超えると推定されているということです。
こうした膨大な数の「宇宙ごみ」は、気象観測や位置情報の提供、それに放送や通信など私たちの生活に欠かせない現役の人工衛星や宇宙船にとって大きな脅威となっています。
宇宙ごみの衝突の速度は秒速15キロにもなり、10センチを超えるものは壊滅的な破壊を引き起こすほか、1ミリほどの宇宙ごみでも衛星の故障を引き起こすことがわかっていますが、効果的な対応策がないのが現状です。
実際に2009年には、宇宙ごみとなったロシアの衛星が、運用中のアメリカの通信衛星に衝突したほか、2011年には、国際宇宙ステーションに宇宙ごみがぶつかる可能性があるとして、当時、長期滞在していた宇宙飛行士の古川聡さんが宇宙ステーションにドッキングしている「ソユーズ宇宙船」に緊急避難する事態も起きています。
また、去年は、ヨーロッパの地球観測衛星の太陽電池パネルに数ミリの宇宙ごみが衝突し、電力の低下が起こっています。
JAXAによりますと、宇宙ごみの増殖を抑制し、継続的に宇宙を利用していくためには、ロケットの上段など大型の宇宙ごみを年間5個から10個程度、除去することが必要だということです。
しかし解決に向けて具体的に宇宙ごみを除去する技術やシステムはまだ実用化されておらず、継続的な宇宙利用を進める上で大きな課題となっています。
JAXA=宇宙航空研究開発機構によりますと、人類初の人工衛星が1957年に打ち上げられて以来、世界ではこれまでに少なくとも8000機近くの人工衛星が打ち上げられています。
使い終わったロケットや人工衛星は、その後、地球の大気圏に落下して高温にさらされ燃え尽きますが、中にはすぐに落下せず、地球の周りを回りつづけて「宇宙ごみ」となるケースも多くなっています。
さらに「宇宙ごみ」となった燃料タンクが爆発して多数の破片が飛び散ったり、ごみとごみがぶつかってより細かく砕けたりして、「宇宙ごみ」の数は増加傾向にあります。
内閣府やJAXAによりますと、アメリカ軍が地上から行った観測で確認している大きさが10センチ以上の「宇宙ごみ」は、2万3000個以上にのぼっています。また、大きさが1ミリ以上の「宇宙ごみ」は、1億個を超えると推定されているということです。
こうした膨大な数の「宇宙ごみ」は、気象観測や位置情報の提供、それに放送や通信など私たちの生活に欠かせない現役の人工衛星や宇宙船にとって大きな脅威となっています。
宇宙ごみの衝突の速度は秒速15キロにもなり、10センチを超えるものは壊滅的な破壊を引き起こすほか、1ミリほどの宇宙ごみでも衛星の故障を引き起こすことがわかっていますが、効果的な対応策がないのが現状です。
実際に2009年には、宇宙ごみとなったロシアの衛星が、運用中のアメリカの通信衛星に衝突したほか、2011年には、国際宇宙ステーションに宇宙ごみがぶつかる可能性があるとして、当時、長期滞在していた宇宙飛行士の古川聡さんが宇宙ステーションにドッキングしている「ソユーズ宇宙船」に緊急避難する事態も起きています。
また、去年は、ヨーロッパの地球観測衛星の太陽電池パネルに数ミリの宇宙ごみが衝突し、電力の低下が起こっています。
JAXAによりますと、宇宙ごみの増殖を抑制し、継続的に宇宙を利用していくためには、ロケットの上段など大型の宇宙ごみを年間5個から10個程度、除去することが必要だということです。
しかし解決に向けて具体的に宇宙ごみを除去する技術やシステムはまだ実用化されておらず、継続的な宇宙利用を進める上で大きな課題となっています。
宇宙ゴミ観測の超小型衛星 打ち上げ成否不明に
使い終わった人工衛星やその部品などの「宇宙ごみ」のうち、大きさが1ミリ以下の小さな宇宙ごみの位置や分布を捉える人工衛星を日本のベンチャー企業が開発し、28日、ロシアのソユーズロケットで打ち上げられましたが、衛星からの電波を受信できない状態となっていて、打ち上げが成功したかどうかわからないままとなっています。
宇宙ごみの位置を捉える超小型衛星を開発したのは東京 墨田区にあるベンチャー企業「アストロスケール」で、衛星は、28日午後2時41分、ロシアのボストーチヌイ宇宙基地からソユーズロケットで打ち上げられました。
しかし、予定した時刻になっても衛星からの電波を受信できない状態となっていて、打ち上げが成功したかどうかわからないままだということです。アストロスケールでは、打ち上げを行ったロシア国営の宇宙開発公社「ロスコスモス」と連絡を取りながら、詳しい状況を調べています。
打ち上げられたのは縦横38センチ、長さ60センチほどの超小型の観測衛星で、地上からは観測できない1ミリほどの小さな宇宙ごみの位置や宇宙空間での分布状況を捉える性能があり、会社では人工衛星の防護設計や衝突被害の想定に活用してもらえる観測データを販売するビジネスを展開したいとしていました。