「母親」って、本当に高い対人関係スキルが求められる!
そのことに気がついたのは、子供が生まれてからです。
赤ちゃんが生まれて少したつと、子育て広場などへ行くようになります。
そういう場には同じくらいの子供をつれたお母さんがたがいるんですが、そこからが「母親」として対人関係を構築する始まりでしょうか。
今まで友達って、趣味が合うとか共通のバックボーンを持った人がほとんどだと思うんですけど、「母」として交流する相手は、大体の場合ただ「同じくらいの子供がいる」という共通項のみだったりします。
そういう、ほぼ初対面の人とも自然に会話する・・・子供が小さいうちは孤独でママ友が欲しい気持ちはあるものの、まずそこからしてけっこうなハードルでした。
そして子供が幼稚園や小学校に入ってからはさらに本格的に対人スキルを求められます!
大体懇談会などがあるので、そこで子供と同じクラスのお母さんがたとおしゃべりするわけですが、こういう場で偶然隣になった人と、共通の話題を見つけて話すのってなかなか難しいんですよね。
(相手にもよるのですが)妙な沈黙が生まれたり、なんとか頑張って話しても、続かない・・・。
もっと高度なスキルが必要なのは、PTA活動です。
これは初対面のお母さん同士でも協力して仕事しないといけないのですから、軋轢もあるし、相当大変!!!!
前から人見知りだという自覚はあったんですけど、そう言ってもいられないシチュエーションで苦労すること多々・・・。
自分には致命的に足りない、コミュニケーション力をどう身につけるのか。
実は漠然とは思っていても、勉強しようとまでは思っていなかったんですけど、長女がもらってきた本を読んで「なるほど!」と思いました。
「まんがでわかる 超一流の雑談力」
先日中学生の娘が授業の一環でコミュニケーションについて学んだ時、講師の方にコミュニケーションの本を頂きました。
全員配布ではなく、たまたま…当たったみたいです。
子供が熱心に読んでいたのですが、その内容に私も興味を惹かれて読んでみました。
ざっとあらすじを説明しますと、
郵便局に努める麻美は仕事で求められているコミュニケーション力がないためうまく成果が出せず悩んでいる。
そんな時、盆栽を習いに来日したポールと出会って、あらためてコミュニケーションについて考えていく、という展開になっています。
第一印象は会った瞬間に決まる!?
アメリカの心理学者によれば、「人は最初の2秒で相手を値踏みする」そうです。
普通の表情をしているつもりでも、無愛想で気難しそうな顔していませんか?と・・・。
これって、もともとの顔にもだいぶ左右されますよね。
私はおそらく、かなり無愛想な顔をしていると思います。
頑張って笑顔を作ろうとしても、目が笑ってないとか・・・かえって違和感を感じさせそう。
ところで、いつでも笑って見えるように口角を上げる手術が韓国で流行っているとか・・・?あのいわゆる「アヒル口」、日本でもたくさんいましたよね。
私はあんなに口角が上がっている人がけっこういるんだな〜と思っていたんですけど、整形がかなりいたのかも・・・。
とはいえ、第1印象で微笑んで見えるというのは、不自然でない限りは確かにプラスでしょうね。
でも・・・私が本やパソコンの画面を見ながら笑っていると家族から「不気味!」って言われるんです。
笑顔が不気味じゃもう、やりようないよ!
日本人が雑談下手なのは「ハイコンテクスト文化」のせい?
日本では自分がそんなに表現しなくても、相手が自分の意思を組んでくれるだろう「暗黙の了解」的な文化(ハイコンテクスト文化)がある。
反対のローコンテクスト文化の欧米人は「自分の考えをはっきりと伝えないといけない」という前提があり、受け入れてもらうためには「いい表情、いい声をしなさい」と躾けられる。
日本人同士なら(ハイコンテクストで)通っても、これから外国人とも渡り合っていかないといけない場面が増えてくるのなら、日本人は最初から不利。
そういえばハイコンテクスト文化で思い出したのが、話題になった「忖度(そんたく)する」という言葉。
はっきり言葉で示されなくても、意を汲んで行動する。
日本の政治でもこうなんですからね・・・。
そういえば、挨拶くらいは言われていましたが「自分の意見を聞いてもらうために自分の印象を良く見せる」、そんな風な教育って受けたことない。
でも、よくよく考えてみれば、数学の難しい公式なんかは役に立っている人の方がごく少数ですが、コミュニケーション力は仕事だけではなく、生きている以上一生ついて回る問題ですよね。
日本はローコンテクスト社会といっても、やはり仕事やプライベートを円滑にしていくのは人付き合いが欠かせないのですから、対人関係をうまく渡っていくためのノウハウを知っておいた方がいいですよね。
それがほとんど教えられないって、どうなんだろう?
人は簡単には変われませんが、心がけるだけですぐ効果ができるかもと思ったのが以下です。
対策(1)地声ではなくて高めの声で話してみよう
声の印象が良くない人は地声「ド」や「レ」の音階で話している。
それを「ファ」か「ソ」の高い音階に変えてみる。
それだけで印象が変わる。
対策(2)話すは3割、効くは7割
人は誰でも話すのが好き。だから、自分が話すより、相手にたくさん話してもらった方が相手が楽しい、と思ってもらいやすい。
それは確かにそう!
でも、相手から話したいことを引き出すのも、初対面ではコツがいると思いますが。
2例出しましたが、他にもまだまだ「なるほど!」と思うことが色々と書いてありました。
これを実践できていたら、私の母親としての人間関係ももう少しスムーズにいったのかしら・・・。
まんがなので、小学生もすいすい読めてしまいます。
色々な人にオススメしたい1冊でした。
「もっと人を積極的に楽しませたい」と思う人向きの本
ちなみにあと1冊、百田尚樹さんの本も読んでみました。
(前回に引き続きまた百田さん!?と思った方もいるかもしれませんが、私は一度面白いと思うと、その人の書いた本を片っ端から読む癖があるんです。以前は桐野夏生さんでした。)
こちらは、さらに上をいく「雑談力」の付け方解説ですね。
第1章では「つかみ」が大事、常識を揺さぶるような話から入る、数字は重要など、話術の技術に関して述べてあります。
その中でも確かに!と思ったのが「数字」が大事というところ。
例として具体的に挙げられていたのがこちら。
海で一番恐ろしい生き物は「ジョーズ」でモデルにもなったホオジロザメですが、シャチはさらに恐ろしい!
ホオジロザメの平均的な大きさは4~4.8m、体重680~1,100kg(最大で7m ・体重2,500kg)に対し、シャチの最上級の雄では9.8m、体重は10t(10,000kg)!
さらに泳ぐスピードはホオジロザメは時速30kmに対し、シャチは時速70km!!!
魚類のホオジロザメに対して哺乳類のシャチは頭脳面でも圧倒している。
具体的な数字を出すことによって、聞き手のイメージがしやすくなる、とのことでしたが、確かにそうですよね。
他には「自慢話で人を感動させるのは難しい」「失敗談ほど面白いものはない」など、意外と1章は誰でも取り入れやすいことが書いてありました。
さらに第2章から第3章までは、「人を楽しませたいと思う気持ちが大事」など心の持ち方や実践に対して具体的なアドバイスが書いてあります。
「話のストックを作る」というところでは古今東西、色々な話から雑談のネタを取り入れているとのことでしたが、百田尚樹さんは本当に読書家で博識なんだなと改めて思いましたね。
でも意外だったのが、この百田さんが中学のころ勉強が全くできず、誰もが行きたくない、と思うようなレベルの低い高校にも落とされた、ということです!
まさかそんな子供が、将来ベストセラーの小説を何冊も出版できるとは・・・人生ってわからない。
さて最後の章では「親友とする真面目な話」という章なのですが、ここで直接「雑談力」とはあまり関係ないテーマが出てきます。
具体的に言うと、「南京大虐殺」や「従軍慰安婦」が、朝日新聞の記者が作った捏造記事だということ。
しかもその記者は、実在しない(というか、記事を書いた時にはもう亡くなっている)人物だったと・・・。
その記事がきっかけで、中国や韓国に政治利用されたのだ、と朝日新聞を痛烈に批判しています。
・・・なるほど、これが百田尚樹さんがマスコミ(主に朝日)にバッシング、嫌われている理由なんだなとわかりました。
とはいえもし書いてあることが本当だとすると、その影響は今や世界中に及んでいるので相当な責任がありますが・・・。
この2冊を読むだけですぐに雑談力がつくということはありませんが、コミュニケーションについてあらためて考え、そして技術的なノウハウを知るだけでもだいぶ改善されると思います。
ただ単純に読み物としても面白いです。
今まで散々ママさん同士のコミュニケーションで失敗してきた私。
もう少し早く読んでいれば!?
とりあえずもし次に機会があったら、生かしたいと思います・・・。