ソフトバンク、直近評価30%下回る額でウーバー株取得提案-関係者

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Photographer: Kiyoshi Ota
  • 直近評価の690億ドルを下回る480億ドルの評価で公開買い付け目指す
  • 一定の既存株主が売却に合意、手続きは最長20営業日要する可能性

ソフトバンクグループなどで構成する投資家グループは、配車サービスの米ウーバー・テクノロジーズの株主に対し、直近の評価(690億ドル=約7兆6700億円)を30%下回る価格で株式を買収する提案を行っている。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。

  条件の非公開を理由に関係者が匿名を条件に語ったところでは、投資家グループは480億ドルという評価に基づき、60億ドル余りを投じてウーバーの既存株主から株式の公開買い付けを行う。ドラゴニア・インベストメント・グループやゼネラル・アトランティックを含むソフトバンク連合は、買い付けが成立すれば、既存株主からウーバー株の14%以上を取得することになり、10億ドル規模の直接投資を合わせると大株主になる。買い付けが完了した段階で、ウーバーの取締役会で2つの議席を獲得する見通し。

  ソフトバンクからの投資を確保することは、就任間もないウーバーのダラ・コスロシャヒ最高経営責任者(CEO)にとって最優先課題となっていた。直近の評価を30%下回るとはいえ、今回のオファーは、多くの初期投資家にとってはかなりの予期せぬ収入を意味する。ただ、十分な数の株主が売却に応じない場合、ソフトバンクは価格を引き上げるか、手を引くこともあり得ると関係者は述べた。

  関係者によれば、公開買い付けは28日開始の予定。一定の既存株主は売却に合意したものの、手続きには最長20営業日を要する可能性があるという。

  ウーバーの広報担当者はコメントを控えている。

原題:SoftBank Is Said to Seek Uber Stock at $48 Billion Valuation (1)(抜粋)

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日銀:ETF含み益過去最高4兆2710億円に拡大-9月末

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  • ETF保有額は20兆3457億円、当期剰余金は5502億円
  • 国債の償却負担は7345億円、利息収入として5972億円計上

日本銀行が保有する指数連動型投資信託(ETF)の含み益が、9月末時点で過去最高の4兆2710億円に達した。28日公表した2017年度上期の決算で明らかになった。

  含み益は株価の上昇で今年3月末時点(2兆7692億円)から膨らんだ。保有額は20兆3457億円。量的・質的金融緩和の下、日銀のETFの買い入れ額は現在、年間6兆円となっている。

  17年度上期の経常利益は9610億円、当期剰余金は5502億円、9月末の自己資本比率は8.12%(前年度末8.07%)だった。長短金利操作付き量的・質的金融緩和の実施に伴い生じる収益の振幅を平準化するため、債券取引損失引当金を2279億円積み立てた。

  政策委員室の高田英樹経理課長の記者説明によると、保有する長期国債を額面を大幅に上回る価格で購入したことによる償却負担は7345億円だった。受入利息は1兆3317億円で、差し引き5972億円が長期国債の利息収入として計上された。

  日銀は量的・質的金融緩和の下で、償還時に戻ってくる元本(額面)を大幅に上回る価格で大量の長期国債を購入し、償却原価法による会計処理で、元本を上回る価格で購入した分を償還までに毎年均等に償却している。16年度の償却負担は1兆3076億円と、04年度の現会計法採用以来、初めて1兆円台に乗った。

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