サラリーマンでも「ソーシャルレンディング」で金貸しになれる?(2017.11.27)

■連載/ファイナンシャル・プランナー山崎俊輔の「フィンテック入門」
フィンテックと個人のつながりについて考えている本連載、今回はソーシャルレンディングを取り上げてみます。
■ソーシャルレンディングとは何か
フィンテックのひとつとして、ソーシャルレンディングがあります。これは、お金を借りたい個人や企業と、お金を貸したい個人や企業をマッチングさせる仕組みのことです。
仮にあなたに「貸してもいい」と思えるお金があったとしても、借りたいと思う相手をみつけること、返済能力に応じた金利設定を行うこと、また返済期日に取り立てを行うことは個人がなかなかできることではありません。もちろん国内でそれを業務としてやろうとすれば貸金業法にもとづく免許も必要です。
(講談社現代新書の「月給百円のサラリーマン」(岩瀬彰著)によると戦前の会社員はしばしば同僚相手に金貸しをやっていたそうで読んでいておもしろいのですが、さすがに今はNGでしょう)
しかし、海外で金融システムが未成熟である地域では、銀行が十分な資金と与信能力を持っておらず、お金を借りて事業を興したいという人に十分にお金が回っていない実態があるとされます。
フィンテックの活用により、ITが金融の利便性を向上し、もっと個人にとって利便性の高いものとなれば、こうした人たちにお金を貸してあげられるかもしれません。そういう提案は魅力的に思えます。
ただし、私たちにとっては「貸す」としてのソーシャルレンディングはあっても「借りる」としてのソーシャルレンディングはおすすめしません。いくつか募集をしているサイトを見る限り、金利は高く(最大年17.8%であれば消費者金融や銀行系カードローンと変わらない)、さらに別途契約手数料を取るようです(例えば借入額の4%相当)。返済の振込手数料も自己負担になる場合、さらに返済の実質的負担額は増加します。これなら普通に借金すれば十分ですし、普通に借金できない人はなおさら手を出すべきではありません。
あくまで、個人が手軽に「お金を貸す」しくみとして、ソーシャルレンディングを考えてみます。
ソーシャルレンディング最大手の「maneo」
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