食べ手である組合員自身が商品を知り、ほかの組合員へと伝えていく、組合員と組合員の「伝え合い」のしくみ。 生協ならではのこの活動を組織化し、より確かな広がりにつなげるべく6年前からはじまったのが、PLA(※1)の取り組みです。
この一環として、PLAによる「お米」に関する講座やイベントが、多数開催されています。
※1 PLAとは
パルシステム・ライフ・アシスタントの略。PLA養成講座を受講し、資格を取得した後、所属する生協が主催する学習会などに講師として活躍する。テーマは石鹸や食など多岐に渡るが、同じ生活者の視点に立って情報発信しているのが特徴。
2012年6月に千葉県内で開催された、幼稚園の「家庭教育学級」での様子
現在9名のPLAがいるパルシステム千葉。そのひとり、内田良子さんは24年前、長男の離乳食をきっかけにパルシステムの前身生協に加入した、ベテラン組合員。組合員活動への参加のきっかけを、内田さんはこう話します。
「引っ越してきたばかりで、何かの形で地域とのつながりも持ちたかったんです。そこでまずは、広報誌づくりのお手伝いに参加して。その後、『食の安全サポーター』という活動を経てPLAに応募しました」。
内田さんも訪れた、JAささかみ(新潟県)の田んぼ
PLAの研修では、米の産直産地、JAささかみ(新潟県)をはじめて見学。「他の参加者の商品知識の深さに圧倒されてしまった」と当時を振り返ります。それでも、「そのとき先輩組合員さんが言ってくれたんです『商品を利用して食べているだけで、立派に産地の努力を支えてるのよ』って」と、内田さん。
このひとことをきっかけに内田さんは「『お米を食べる』という商品利用が育むつながりの大切さを、伝えていきたいと感じた」と話します。
体験談を交えて、和やかに話を進めていきます
内田さんが所属するパルシステム千葉では、今や組合員向けの学習会だけでなく、小学生を対象にした"稲の教室"や、母親向けの"家庭教育学級"など、地域の活動にまで拡大。内田さんをはじめとするPLAたちは毎週末のように、あちこちの会場で活躍しています。
さらにこの秋は“江戸風カフェごはん"や"おかずおにぎりで脳力アップ”など、お米を題材にした企画を計画。9月17日から県内7ヶ所でのイベントが予定されています。
「パルシステムの商品を使って、"これなら今日からでもできそう"と思ってもらえるメニューを考えています。楽しく試食しながら、ごはんのおいしい食べ方を知っていただき、くらしに取り入れてもらいたいんです」(内田さん)
「まずは『これ、おいしい!』が入り口。その後、少しずつ食料自給率などの話も盛り込み、何かひとつでも興味を持ってもらえたら…」と話す内田さん。これからも、内田さんとPLAの活動は、続いていきます。