「食べ物を大切に思う心」 は、食べ物を作る仕事を知り、作る人を知ることで生まれる――そう考えるパルシステムでは、生産者との交流を30年以上の長きにわたって続けてきました。年間1万人以上の交流がつくる「草の根」の活動が、確かな信頼ときずなを築く、パルシステムの産直の原点となっています。
「食べる人」と「作る人」が互いに理解し、ともに行動することで、誰もが安心して生きることができる地域社会を築いていこう――。そんな思いから、パルシステムが産直産地と連携して行ってきた取り組みがあります。たとえば"サンゴの森プロジェクト"や"東北復興支援企画"。こうした活動により、日本の農業や漁業を元気にしたい。そして次の世代にも「いのち」をつなげていきたいと考えています。
東日本大震災、それに伴う原発事故が発生してから1年以上が経過しました。農地の放射能汚染は、依然、産地にとって深刻な問題です。パルシステムでは、「組合員のみなさんに、何としても安心して食べられる食材をお届けしたい」と、産直産地とともにできうる限りの対策に取り組んでいます。
今年、パルシステムは健康を考える2つのツールを発売しました。ひとつは、食事と排泄のリズムをシールで記録する「ごはんシールうんちシール」。「じょうぶなからだを育む本」では有識者のお話や実践レシピから、311以降を生き抜くヒントを探っています。これらツールを通じ、「お米が真ん中!」の食生活がもつ大きな意義を伝えています。
冷害による深刻な米不足をきっかけに、1995年からスタートした、パルシステム独自の取り組み。それが「予約登録米」制度です。この制度は、「安全でおいしいお米を食べたい」という組合員の願いと、「安定的に安全なお米を食べてほしい」という生産者の願いをつなぐ、いわば"約束"です。
パルシステムの組合員は、単に商品を注文し、利用するだけではありません。組合員自身がパルシステムの商品について学び、産地を訪ねたり作り手の話を聞いたりしながら理解を深め、生活者の視点に立ってほかの組合員や地域に伝えていく。そんなPLA活動の中心にも「お米」がしっかりと位置づけられています。
パルシステムと産直産地が、米作りのなかで、長年取り組んできたのが、農薬削減による「安全・安心」、そして「おいしさ」の追求でした。化学合成農薬や化学肥料にできるだけ頼らず、土づくりを大切にし、手間ひまをかけ、決して欲張ることはしない。こうした米作りは、生産者の情熱と、消費者の理解あってのものです。
パルシステムには現在、オリジナル商品として米粉を使ったパンが5種類あります。きっかけは、組合員が参加した、商品開発です。この動きに米の産直産地が加わり、現在は産直の米粉も使われるように。多くの組合員の食卓にのぼり、親しまれています。組合員のおいしい!が、産直産地の田んぼを支える。そんな取り組みが、パンにおいても、広がっているのです。
田んぼにすむ生きものは、小さなミジンコからトキのような大きな鳥まで5,000種以上。いのちの循環のなかで稲が育ちます。生きものの力が、おいしいごはんを育み、また私たちがごはんを食べることが、生きものを育みます。
「飼料米」という言葉をご存知でしょうか。読んで字のごとく、家畜の「飼料」=「エサ」にする米のこと。最近、注目されるようになったこの飼料米の取り組みは、米農家と畜産農家をつなぐ大きな架け橋です。 輸入資源に頼りきってきた畜産のこと、田んぼが減って荒れつつある農村のこと、いっしょに考えてみませんか。