(英フィナンシャル・タイムズ紙 2017年11月23日付)

中国初の「無人運転地下鉄」 試運転を開始 

中国初の「無人運転地下鉄」となる燕内房線(2017年11月3日撮影)。(c)CNS/王龍〔AFPBB News

 ロシアはソビエト連邦時代の60年前に、スプートニクという人工衛星を打ち上げて世界中にショックを与えた。

 ドナルド・トランプ氏が11歳だったときのことだ。自分よりも優れた技術を見せつけられた米国は発奮し、ソ連を上回る資金を技術開発につぎ込み、その過程でインターネットや全地球測位システム(GPS)を生み出した。

 今日のスプートニク・ショックはそれとは対照的で、71歳になった米国大統領を素通りしてしまったように見える。

 中国が2030年までに人工知能(AI)の分野を牛耳る計画をぶち上げているのに、トランプ氏はツイートするのに忙しくて気づかなかったようだ。

 しかし、米国の安全保障にとって、AIにおける中国の野心は北朝鮮の核ミサイルよりも大きな長期的脅威だ。

 北朝鮮の方はおそらく、必ず全滅に追い込むという姿勢を取って封じ込めることができるだろう。一方、米国を追い抜こうとする中国を明らかに阻むものは存在しない。

 ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は先日、「(AIの)リーダーになる者が世界の支配者になるだろう」と語った。

 中国が2020年までに米国に追いつき、2025年までに追い抜き、さらにその後の5年間で世界のAIを支配するという意図を明らかにしたことを受けた発言である。

 米国の主要な科学技術者たちは、中国の野望が実現する公算はあると考えている。「いいかい、あの中国政府がそう言ったんだぞ」。アルファベットのエリック・シュミット会長はそう述べた。