現在、NYのJFK空港。これから日本に戻る。

何か月も前から決まっていた予定だったが、想像以上に様々な出会いや偶然があり充実した滞在だった。また戻って来なければいけなさそうだが、これはありがたい限りだ。

さて、この滞在中、心残りだったのが25日に行なわれていた維新の党大会に出席できなかったことだ。
もちろん、党にもNYにビジネスで行くことは伝えてあるし、選挙のはるか前から決まっていた予定なので問題はないのだが、埼玉をはじめ維新のことを心から愛し信じている仲間たちと、苦しい決断を下しながら維新を支え引っ張る執行部とのやり取りを目の前で見ることが出来なかったのは少し残念でもあった。

日本維新の会。私の所属するこの政党の一番難しい点は『大阪維新の会と日本維新の会が混在している点』に帰結すると私は考えている。したがって党大会で出た様々な意見も、それに対して執行部が返した返答も、またそれぞれの立場として正しく説得力のあるものであったと感じている。

埼玉維新の幹事長も務める青柳氏が言いたかったことは、大阪以外の全維新のメンバーが切実に感じているところ。要は松井代表は
「党勢拡大には一人一人が汗をかき、地道に努力するしかない」
と言う訳だが、そのことはみんなすでに分かっていて、その上で、
「一人一人の努力『ごとき』ではどうしようもないほどに苦しい」
という「大阪以外」の実情を伝えたかったのだろうと思う。

この中間、素晴らしいニュースが入った。

私も一緒に戦った千葉維新の仲間である星健太郎氏が、なんと2枠に対して6人が立候補するという激戦を制して、見事市川市議選に当選をしたのだ!
これは本当に立派な戦いで、興味のある方は調べてほしいが、維新政治塾1期性の星氏の能力が存分に生かされた素晴らしい選挙結果だったと考えられる。

が、実はこの戦い、一つ言わなければいけない点がある。

星氏は言わずとも知れた維新の仲間であり、我々の大切な同志である。今後もそうだ。しかし、今回の市議選、星氏は

無所属

で戦った。
先日の衆院選。維新の公認候補者として戦った星氏は1万票を少し超える得票を得たが、当然法定得票数に満たずに惨敗。私同様に供託金没収という結果であった。

あれからたった1か月だ。

星氏はもともと能力の高い候補者である。彼が「無所属」で出たところ…得票数は2万票近くにまで跳ね上がり、他候補を破り見事当選を勝ち取ったのである。

維新の看板を下げただけで、得票数が倍に跳ね上がる。
これが実は関東の維新の現実。多分、大阪の維新のみんなには想像もつかないだろが、これが大阪以外がみんな感じている現実。

私も何度ポスター貼りをしている時に言われたか。
「維新?あぁ、じゃあ剥がしてくれ。あんたがテレビ出てたから貼ってもいいと思っただけだ」

政党名を聞かれ、維新です、と答えた段階でほぼ剥がせと言われる。
これが事実。
青柳氏や埼玉参院維新の沢田氏が代表して言っただけで、青柳氏の思いは大阪以外のメンバーはみんな心底感じている。



が、難しいのは松井代表の言っていることも正しいということなのだ。ここが維新の難しいところ。維新の党勢拡大のカギは私はここにあると感じている。

少し例え話をする。

もし、ジャニーズ顔で年収2千万円あってスポーツ万能な出世街道驀進中の営業マンが合コンに来たとしよう。彼が言った。
「合コンで女の子にもてるなんて考えないさ。まずは自分らしく、気負わずに誠実に接するだけさ」
その彼の隣に、顔はどう見てもブサメン。少し小太り。スポーツは苦手でクラスでは今までの人生、全て日陰の存在だったイケてない営業マン君が座っていたとしよう。

目の前には深キョン似のステキ美女がいる。

こんな子と付き合えたらいいよな…。そう考えたさえないブサメン君が言った。
「合コンで女の子にもてるなんて考えないさ。まずは自分らしく気負わずに…」

言い終わるまでにシカトされて終わりだ。そんなブサメン。

努力しろよ、おい、と。
その腹、へっこめろよ、と。
死ぬ気でオシャレして、身体鍛えて、魅力的な男性になってから出直して来いよ、と。

ポンコツ君が「自分らしく」とか言ってるのは「ただの負け犬の遠吠え」である。ポンコツはポンコツらしく足掻くしかないのだ。その合コン、深キョンを持ち帰れるの20000%イケメン君である。イケメン君は「自然なまま」でオッケーなのだ。それが現実。

何が言いたいかがお分かりだろうが、つまりこういうことだ。

維新は…

大阪維新と日本維新の会は…

このイケメン君とポンコツ君が『混在している』のが最大の難点なのだ!

大阪における維新は国の自民党と同じく「与党」なのだ。「普通」に「ちゃんと」やれば、それでメディアも取り上げるし、何より与党なので「政策実現」が出来る。なので
「一歩一歩誠実に、個人が努力して信頼を勝ち取って…」
という活動でバッチリ正解だ。
今後もその路線でいって絶対に正しい。そもそも維新は「政策」は確実に全政党で1番いいのだから。

が、「国政」日本維新の会はNHKの調査を見ても分かる通りで、そもそも支持率1.2%とか1.3%の政党である。自民党は40%の政党だ。

普通にやって太刀打ちできるレベルのゾーンに「全っ然」入ってないのである。星健太郎氏の例を挙げるまでもなく、普通にやれば、もはや看板を外した方がはるかに得票数が上がるレベルの支持しかないのだ。

そもそも「全く別物」である大阪維新の会と日本維新の会。地域政党と国政政党。全然違う。
しかし、我々は維新の旗のもとに集まった仲間だ。
なので、当然一緒にやる。
つまり本拠地である大阪の理論で戦うのも当然。

すると、ブサメン君の遠吠えを全国的に展開することになる。

と、いうのが党大会で出た意見だ。本当に難しい。


◆ではどうしたらいいのか

では維新は今後どのようにしたらいいのか?
松井代表の言葉で一点だけ「補足できる点」がある。

「支持拡大に魔法はない」

これはその通り。
が、付け加えるのであれば「フィールド」が「選挙」に限られ、その「選挙」を「日本人」が投票するという行為に限られている以上「最低レベルのテクニック」は確実に存在する。
ビジネスにおけるマーケティングリサーチやブランディング。少ない資金であってもいわゆる集中と選択を徹底的に行えば、現段階よりも改善は可能と見る。

特に政党としての維新は「ブランディング」に大失敗している典型例である。

共産党たちの展開する『自民党の補完勢力』という下らないレッテル貼りに完全に無抵抗のまま、世間のイメージはすっかり定着してしまった。「維新は自民党にシッポを振っている弱小政党」というブランディングを共産党が展開し、それが成功している。

が、ここに活路はある。

そもそもそれはただのレッテルだし大ウソ。
メディア戦略を徹底し、情報戦略を仕掛ける人間がちゃんといれば維新の支持率は確実に上昇する。

ハッキリ言おう。

今の維新は実力通りに評価されていない。
なので政策は確実にいいことを言っている上に実行までしているのに、そもそもそれが知られていない。

情報の世界には情報の論理が存在している。私はまさにその部分を補完できると思っていた。が、申し訳ない話だが力及ばず落選。今のままでは力になることが出来ない。

テレビのニュースにはテレビのニュースの選ばれ方がある。
ネットニュースはネットの、紙媒体には紙媒体の…それぞれ選ばれ方が存在している。
私は良いも悪いも、様々な失敗と成功(しかも大成功と大失敗)を経験してきた自負がある。
本来、維新の政策は正しいので、「知ってもらえれば」支持は今よりは拡大できる。これは絶対に出来る。それくらい勿体ない。

維新に足りないのは情報メディア戦略だ。
政策などは今のままで絶対にいいので、とにかくそれ。
支持拡大に魔法はないが、政策を知ってもらう【工夫】は確実に存在する。

帰国したらまた本部と話せる機会もあるようだし、1ミリでも前に進めるように、維新が日本に浸透するように努力していければと思う。