- いまゲームやドラマで大人気の“ゾンビ”は、1本の映画から誕生した
- 監督はジョージ・A・ロメロ! かつてないホラー映画はなぜ作られたのか?
- 「ゾンビとは、我々自身」その意味は? 彼が最後に見た“ゾンビ”とは?
どんな番組?
すべての始まりは、今から50年前
アメリカの若者が作った1本の自主映画
『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』
「史上初めてドライブインの渋滞が
外の道路まで続いたんだ」
脚本を担当 ジョン・A・ルッソさん
映画を生み出したのは
ジョージ・A・ロメロ
「人々はみんな座席の上に立ち上がって、
スクリーンに向かって怒鳴っていたんだ」
プロデューサー ラッセル・ストライナーさん
1本の映画に、なぜ人びとは恐怖したのか?
1作目から10年が過ぎてから製作された
第2作『ドーン・オブ・ザ・デッド』
「特殊効果については
何も書かれてなかったんだよ。
だから僕は台本から“死”を考えたんだ」
特殊メイク担当 トム・サヴィーニさん
“ゾンビ”とは、何なのか?
「やっぱ人間がね、人間である以上は
一番怖い対象って人間じゃないですかね」
「バイオハザード」を手がけた
ゲームデザイナー 三上真司さん
“ゾンビ”誕生の裏側に迫る
アナザーストーリー
ゾンビ誕生の衝撃
~なぜ世界は恐怖したのか?
BSプレミアム
番組スタッフから
【番組の見どころは?】
アナザーストーリーズに提案する企画をちょうど考えていた今年7月にジョージ・A・ロメロ監督が逝去されたのですが、新作の準備をしているという噂もあった中での突然の訃報に、個人的に強いショックを受けてしまいました。リサーチも何もかも放り出して「ゾンビ」のDVDを繰り返しみていたいと思ったのですが、そういう訳にもいかず黙々と企画書を書き続けました。提出したのは実は「ゾンビ」の企画ではありませんでした。ファンとしては監督が亡くなったからといってすぐに番組を作ろうという気には全くなれなかったのです。ただ企画書の端にその他に検討していたテーマ案として「ゾンビ」と三文字だけ書き添えました。何故かそう書かずにはいられなかったのです。企画のプレゼンを行った際、その「ゾンビ」の三文字を見た番組チーフプロデューサーが、「これ何?」と聞いてきました。「いや、それはいいんです」と言ったのですが、「いいから説明してみてよ」と言われ、思いつくままに喋り始めた所、思いもよらぬほど熱いプレゼンをしていた自分に気づきました。
「ゾンビ」というと、「低俗なホラー映画に過ぎない」という印象を持っておられる方ももしかしたらおられるかもしれませんが、ロメロ監督のゾンビ映画には、その明快なエンターテインメント性の陰に、常にその時々のアメリカ社会、現代社会への厳しい眼差しが含まれています。そうした監督の視点が、一段深い所で私たちを恐怖させるのだと私は思います。
チーフプロデューサーに背中を押され、取材するならば今しかないと考えました。
しかしロメロ監督のゾンビ映画第1作「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」は私の想像以上に、偶然や思いつきによって生まれた映画だということがわかり、取材は難航しました。取材中に「おれたちは何にも考えてなかったよ」とか「50年も前のことをそんなに細かく聞かれてもなあ」などと何度も言われ、心が折れかけたこともありました。しかし取材を進めていくうちに、そこに激動の時代の中で熱い想いを抱えた若者たちの姿があったことがはっきりと見え始めたのです。
ロメロ監督やその仲間たちがゾンビに託して届けようとしたものを、そのほんの一部でも多くの人に伝えることが出来ればと考えています。
【この番組を取材するなかで新しい発見や、驚いたことはありましたか?』
今回の番組の大きなキーワードの一つが、ゾンビ誕生の背景にある「ベトナム戦争」でした。
ロメロ監督のゾンビ映画第2作で特殊効果を担当したトム・サビーニさんは、1968年から1年間、戦場カメラマンとしてベトナムに赴任しており、その時の経験がゾンビ映画の表現に大きな影響を与えています。今回のインタビューでもサビーニさんにベトナム戦争についてうかがっていますが、ディレクターは50年前の経験を昨日の事のように生々しく語る様子を見て、戦争が彼に与えた深い心の傷を感じずにはいられなかったと言います。サビーニさんの手掛ける衝撃的な表現がどのような現実を反映したものなのか、なぜ時代は彼の過激な表現を求めたのか。そうしたことを感じとってもらいたいと思います。
(プロデューサー 東北新社・西山亮(※ゾンビファン))
番組内容
ホラー映画に革命を起こした“ゾンビ”!1968年に公開された第1作「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」は歴史的名作としてNY近代美術館に永久収蔵されている。究極のエンターテインメント、そこには人種差別やベトナム戦争にアメリカが揺れた時代のメッセージが込められていた。ゾンビとは本当は何なのか?今年亡くなった鬼才ロメロ監督の知られざる思いとは?アメリカの悪夢を描いた若者たちのアナザーストーリー。
出演者ほか
【司会】沢尻エリカ,【語り】濱田岳
チャンネル
- 2017年11月28日(火) 午後9時00分(60分)
- 2017年12月4日(月) 午後6時00分(60分)