ソフトバンクと日建設計は11月27日、IoTやロボットなどを活用した次世代スマートビルディングの設計開発に向けた業務提携で合意したと発表した。
提携に伴い、共同で実証実験を順次開始する。共同実験の主な概要は、(1)人流解析と環境センサや人感センサなどのIoTセンシングによる新しいワークプレイスデザイン、(2)IoTとロボットの導入を考慮した次世代スマートビルディングの共同検討、(3)各種IoTセンサを活用したビルのライフサイクルマネジメント最適化検証──の3点。
話をもちかけたのはソフトバンクからだという。日建設計は、東京タワーやスカイツリーなど、数々のタワーやオフィスビルの設計で知られる設計事務所だ。
ソフトバンク 代表取締役副社長 兼 COOの今井康之氏は、「建築の世界では、圧倒的にナンバーワンの日建設計にご快諾いただいた。新しい建築のあり方を一緒に研究して作り出していきたい。最先端の技術を使いながら、スマートビルディングをどう作り出していくか。オフィスビルにおける実際の運用費(約60年のライフサイクルコスト)は、建設費の約5倍かかると言われる。ビルを建てたときにその運用まで考えたビルとそうでないビルは圧倒的に価値が変わってくる」と語った。
運用費の削減には、「清掃」「警備」「設備管理」といった部分にIoTやAI、ロボットを活用する考えだ。それにより、40%の削減効果を想定しているという。
たとえば、ソフトバンクが出資する自動走行ロボット技術開発ベンチャー「Brain Corp」の活用もその一つ。広いオフィスでも、道順など1台のロボットが学習したことを複数台で共有できる掃除ロボットによって清掃コストを削減できる。
また、オフィスに整備されたセンサによって、24時間の警備代行が可能になると考える。さらには、エレベーターや各種設備の定期点検も、センサによって常時マネジメントすることで、設備管理のコストも削減可能になるという。
両社は、まず既存のビルをベースに実証実験をスタートし、その知見をもとに今後の新築ビルに取り入れていくとしている。
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