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独ミュンヘン市、職員のPC環境をLinuxからWindowsに回帰へ。移行費用は約65億円

ベンダーロックインを拒否して14年

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独ミュンヘン市議会が、2003年から市職員のPC環境として採用してきたLinuxを、ふたたびWindowsへと戻す決定を下しました。対象となるPCは約2万9000台にのぼり、UbuntuをもとにしたLinux OS「LiMux」をWindows 10に、そしてオープンソースのオフィススイートLibre OfficeもMicrosoft Officeへと置き換えられます。

2013年、ミュンヘン市はそれまで10年にわたるLinux採用の推進によって1000万ユーロもの費用節約効果があったと説明していました。そしてプロプライエタリなOSであるWindowsからのさらなる脱却を進め、特定ベンダーに縛られないIT施策を行っていくとしていました。

ところが、それからわずか3年のあいだに市の方針は180度変わり、Windowsへの回帰をが報じられるに至りました。これはオープンソース支持派だった前市長に代わって2014年から現市長が「デファクトスタンダードと異なるシステムは互換性とコストに難がある」としてWindows支持を打ち出したため。最終的な結論はこの11月上旬に行われた投票で決定されたとのことです。

なおこれまでLinuxを採用してきたミュンヘン市ですが、実際には少数ながらWindowsマシンも稼働させていました。これは特定の、しかし必要な処理を行うアプリケーションやプリンタなどハードウェアの一部がWindowsしかサポートしなかったため。しかしシステム担当者や市職員の多くはそれでも互換性問題の大半は解消されており、残っているものは大した問題ではないと主張しています。

さらに市の見積もりによると、デスクトップ環境をすべてWindows + Microsoft Officeに移行するには、3年を要し約4930万ユーロ(約65億円)の費用がかかります。それでも、市議会は独自のLinux環境をメンテナンスするよりもWindowsを採用するほうがメリットがあると判断したということです。

いずれにせよ、長年かけて作り上げたものを再び元に(といっても、当時と今のWindowsは別物とも言えますが)戻すとなると、システム設計から仕様詳細の詰め、動作確認といったデスマ案件がこれから大量発生することになりそう。けっきょく一番大変なのは市職員の人たちかもしれません。

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