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» 2017年11月27日 08時00分 公開

Enterprise IT Kaleidoscope:「Windows 10 Pro for WorkStation」って、結局“誰得”なの? (4/4)

[山本雅史ITmedia]
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 Intelは、2018年には3D XPointを使用したOptane DIMMをリリースする予定だ。Optane DIMMがNVDIMM-P規格に準拠するのか不明だが、サーバでの利用などを考えれば、Windows Serverなどサポートされるため、同じカーネルを使っているWindows 10もサポートされることになるだろう(NVDIMM-P規格は、2018年に策定予定)。

photo Intelが2018年後半にリリースを予定している、Optaneメモリを使った不揮発性メモリ
photo Win10 Enterpriseで搭載されたWDAGは、Win10 WSでは使用できない。このことからも、Win10 WSはWin10 Proの上位版と捉えられる

 将来的には、SMB DirectやNVDIMM-Nのサポートは、Win10 Proから削除され、Win10 WSのみでサポートされていくのだと思われる。そして、Windows Serverでサポートされている幾つかの機能が、Win10 WSに入ってくることになるのだろう。

 とはいえ、Win10 WSは、Enterpriseエディションとも機能が異なる。実際、バージョン番号1709のWin10 WSには、Win10 EnterpriseがサポートしているEdgeブラウザをコンテナ化する「Windows Defender Application Guard(WDAG)」はサポートされていない。管理を重視するエンタープライズ領域をカバーするエディションではないということだ。

「Win10 WS」の先行きは不透明

 ここまでWin10 WSの機能を紹介してきたが、将来的にWin10 WSというエディションが存在するかは、まだ不透明だ。

 Win10 WSが非常にニッチな市場に向けたOSとすれば、将来的には1つのエディションではなく、Win10の追加ライセンスとなる可能性が高い。Win10 Proを超えるCPUコアやメモリを使用するワークステーションは個人ではなく、企業での利用が自然であることを考えると、将来的には、Enterpriseエディションのオプションライセンスになるかもしれない。

 現状、Win10 WSはPCメーカーからのみ提供されるため、ワークステーションにプリンストールされた状態でしか購入できない。よって、OS単体の価格は分からない状況だ。MicrosoftもWin10 WSの価格を明らかにしていない。OSのライセンスとしては“4コアまで”と“4コア以上”に分かれているようで、DellのWebサイトでは、4コア以上のCPUを選択した場合、追加のライセンス料として1万5000円が上乗せされる。

 こうした事情を考えれば、Win10 WSは1つのエディションなのではなく、ワークステーション向けの機能を追加する、オプションライセンスと考えた方がいいだろう。

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