サーバ向けのハードウェアなら、例えばIntelが提供するXeon Scalable ProcessorのPlatinum(以下Xeon Platinum)は8ソケット以上のシステムを構成できるし、Xeon Goldなら最大4ソケットまで使える(Xeon SilverとBronzeは最大2ソケット)。
ちなみに、Xeon SilverとBronzeでは最大コア数が制限される。Xeon Silverは最大12コア/24スレッド、Bronzeは最大8コア/16スレッドだ。最大メモリ容量については、Xeon SPシリーズ共通で、1ソケットあたり768GB(メモリの種類に依存)となる。
AMDのEPYCは、1つのCPUにクライアントPC向けCPUで使用しているRyzen(Zenコア)を4つ搭載したマルチチップモジュール(MCM)だ。Intelと異なり、最大2ソケットしか使えないものの、MCMにより、EPYCは最大32コア/64スレッドを実現できる(ソケットあたり最大2TBのメモリ)。
こうしたCPUに対応する製品を考えてみると、例えばDell EMCのXeon Platinum/Goldを使用した「PowerEdge R940」がある。CPUやメモリ、ストレージなどの構成にもよるが、価格は最低でも1800万円ほどだ。確かにWin10 WSの真価は発揮できるだろうが、この価格のサーバを従業員向けのワークステーションとして利用するのは、さすがに現実的ではない。
Win10 WSがプリインストールされた2ソケット ワークステーションとしては、「Dell Precision 7920(7820)」がある。Xeon Goldを使用した2ソケット ワークステーションが50万円ぐらいから購入できるため、エンジニアリング ワークステーションなどの用途で数多く導入できるだろう。
CPUコアやスレッド数だけで考えれば、4ソケットをサポートするというWin10 WSのメリットは生かせない。2ソケットのワークステーションならば、Win10 Proでも問題ないためだ。最大メモリ容量でも差はあるものの、CADやCAMなどのアプリケーションでも、Win10 Proがサポートする2TBもあれば、十分な動作が期待できる。
OS | CPUソケット数/論理プロセッサ(LP)数 | 最大メモリ容量 |
---|---|---|
Windows 10 Home(32bit) | 1ソケット/32LP | 4GB |
Windows 10 Home(64bit) | 1ソケット/256LP | 128GB |
Windows 10 Pro/Enterprise/Education(32bit) | 2ソケット/32LP | 4GB |
Windows 10 Pro/Enterprise/Education(64bit) | 2ソケット/256LP | 2TB |
Windows Server 2016 Datacenter(64bitのみ) | 512LP | 24TB |
Windows 10 Pro for WorkStation(64bit版のみと思われる) | 4ソケット/LPに関しては不明 | 6TB |
サポートしているCPUソケット数と最大メモリ容量を比べた。比較対象として、Windows Server 2016の仕様も加えている |
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