ゴルフの「ぜいたく税」はいつまで必要なのか

消費税と二重課税廃止に向け、前進の可能性

ゴルフだけ課税されるのは公平性の観点から疑問が上がっています(写真:プラナ/PIXTA)

 ゴルフ場利用税と国家公務員の倫理規定にある「利害関係者とのゴルフの禁止」の条項の廃止に向けて、自由民主党の有志議員らが11月21日に決議を行った。ニュースなどでご存じの方も多いだろう。この会議には、日本ゴルフ協会はじめ、全国各地区のゴルフ連盟、ゴルフ場など130以上のゴルフ団体の関係者も出席する中で行われた。取材可能な会議だったので、行ってみた。

自民党ゴルフ振興議員連盟の衛藤征士郎会長、自民党ゴルフ利用税廃止検討チームの中曽根弘文座長はじめ、自民党内で関係する5つの合同部会で決議案を提示した。その場で「ゴルフ場利用税の廃止及びゴルフに係る国家公務員倫理規程の見直しを求める決議案」が全会一致で決議された。

積年の鬱憤を晴らすチャンス

冒頭、衛藤会長は「利用税と倫理規定の廃止、2つに尽きる。どう考えてみてもおかしい。2019年に消費税が10%にアップする。根こそぎ、利用税を廃止しなければいけないと思っております。まさにこれは、世界的に見たら異常な国だ、異様な国だ、国辱だと思っています。2020年に東京五輪に向けてやらなければならない。積年の鬱憤もある。チャンス到来」などとあいさつした。

なぜ、ゴルフ場利用税はぜいたく税として課税され続けているのか。以前、「ゴルフはなぜここまで『贅沢』に見られるのか」(2015年11月15日配信)のなかで紹介したが、もともとは戦後つくられた娯楽施設利用税だった。1989年の消費税導入の際にパチンコやボウリングなどは税が廃止されたが、ゴルフだけがゴルフ場利用税として残った。これは「ゴルフはぜいたくなスポーツなので、プレーする人は担税力があるだろう」という考え方だからだ。

その後、18歳未満、70歳以上、障害者らが非課税になったが、ずっと存続していた。利用税はゴルフ場の規模などによって500円から1200円(標準税率800円)が、プレーするたびに取られている。これまで何度も「廃止」が提案されてきたが、そのたびに見送られてきた。1993年には最高の1040億円の税収になるなど、税金としては「優秀」だったのだろう。

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  • NO NAMEe3602c573c3b
    消費税との二重課税は珍しくもない。
    酒税にたばこ税に入湯税、色々あるよ。

    除草剤の環境汚染考えたら仕方ないと思うけどね。
    影響出ているのはゴルフ場以外の広範囲なんですから。
    パチンコもボウリングも環境負荷は桁違いに少ないと思います。
    まぁパチンコは税金かけなくて良いから換金を厳密に禁止して欲しいね。
    up14
    down2
    2017/11/26 06:53
  • NO NAME64d229409527
    ゴルフをやらん人間はゴルフ税を取れと言う
    タバコ吸わない人間はタバコ税を取れと言う
    酒を飲まない人間は酒税を取れと言う

    みんな税金は自分以外の誰かから取ってくれって思ってる
    up11
    down1
    2017/11/26 06:45
  • NO NAME08fb9c19106d
    この記事を読んで、新聞の購読料に軽減税率を!と叫んでいた新聞社各社を思い出したな。
    up6
    down1
    2017/11/26 09:22
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