8先に生まれただけの僕#07[解][字][デ] 2017.11.25
(島津)今の2年生が受験する頃には相当レベルアップしてると思いますよ京明館高校は。
(真柴ちひろ)革命ですもんね島津先生のアクティブラーニングは。
(島津)Findmistakes間違い探し
(生徒)あっ!あった!
(生徒)あった〜!革命って…真柴先生に言ってもらえるとうれしいな!
(鳴海涼介)とにかく志願者が増えれば定員割れなくなるし。
レベルの高い生徒を確保できるわけさ。
(松原聡子)うん。
(島津の声)実はちょっと自信持っちゃったんですよね自分でも。
分かります。
だから今日も思い切って真柴先生を誘えた…。
すいませんお冷や下さい。
(店員)はい。
このまま行けば京明館高校の経営改善黒字化僕のミッションは果たせるよ。
あぁごめん…僕ばっか喋ってたね。
やっと気付いた?サトはどう?忙しい?新規のプロジェクトが始まったの。
大きな仕事だからきっとこれからもっと忙しくなると思う。
またロンドン出張もあるし。
そっか…大変だね。
ねぇ涼君。
ん?結婚するんだよね?私達。
ん?でしょ?そうだよどうしたの?ううん何でもない…。
明日朝いちでうちのクラスの三田さんのお母さんが学校にいらっしゃるんです。
キレイですね真柴先生の指。
指輪はしないんだ…。
何か相談があるって…何でしょうね。
お付き合いされてる方はいるんですか?いません。
じゃあ…。
でも…。
え?
(三田真咲美)一昨日娘が男の人を連れて来たんです。
男の人…。
「彼氏を紹介する」って。
彼氏?ほのかさんが?それが…。
はじめまして真田貴弥と申します
(三田ほのか)バイト先の店長さんよ貴弥君は貴弥君って…付き合ってるの私達あ…おかあさんにはちゃんとご挨拶をしておこうと…ちょっと待って失礼ですけど…おいくつ?年明け1月1日に30になります1月1日が誕生日ってすごくない?すごくない「付き合ってる」って?高校を卒業したら結婚したいのえぇ!?結婚!?大学には行かないで結婚する…って言うんです。
大学に行かない?「バカなこと言わないで」って怒鳴ったら「どうしていけないの?」ってケンカになっちゃって。
その貴弥とかいう男の人は取りあえず帰してひと晩寝れば気持ちも冷めるだろうと思ったら翌朝またケンカになっちゃって。
先生…。
娘はどうなっちゃったんでしょうか?
(柏木)その男性は何やってる人なんですか!だからバイト先の店長です!代官山にあるカフェのチェーン店。
三田さんが…特進クラスの生徒がバイトしてもいいんですか?3年生は禁止なんですけど2年生までは週2日以内なら。
あぁ問題ないんだ。
いやいや大問題でしょう!しかもあの三田さんが…!一体どういう男なんだ!それが真面目そうな礼儀正しい人だって。
(柏木の声)いくら礼儀正しくてもやってることは淫行条例に抵触します!でも結婚を前提にお付き合いしてるなら淫行条例には…。
何言ってんだあんた!あ…失礼しました。
何をおっしゃってるんですか校長先生は!2人が言うにはそういうことはしてないって。
してない?手はつなぐけどそれ以上のことはないって。
そんなバカな!結婚とか言ってるのに…。
本人達はそう言ってるんです!そんな男はこの世にはいない!どうしましょう校長先生…。
生徒指導は真柴先生のほうが上手じゃないですか?私に丸投げ!?丸投げはダメでしょう!ここはやっぱり校長が!いやいやいや…!校長は私達とは違って社会経験が豊富なんですから!ちょこちょこ生徒に分かったふうなことをおっしゃるじゃないですか!今になってそんなことを…!だってそうじゃないですか!
(薫)ああの…今やってた授業アクティブラーニングで進めてたんですけど…。
(重松龍司)先生スマホで調べてもいいですか?ダメよ
(重松風士)何で?学校内はスマホ禁止でしょ?はい電源切って
(薫子)え何でネットで調べちゃいけないの?
(大谷)調べなきゃ議論のしようがないよなだってそういう規則でしょ?
(萌)校長先生がこれからは情報化社会だって言ってたじゃないですか
(萌)情報化社会なのにネット使っちゃいけないっておかしくないですか?矛盾してるよ!屁理屈言わない!
(女子生徒)屁理屈じゃないよえ意味分かんねえいや…もう私どう答えていいのか…。
あの校長先生!ちょ…それは…。
事務長!取りあえず今その件はこっちへ置いといて。
はい。
はい。
何で置くんですか!三田さん…。
母から聞きました。
先生に相談したって。
最初に言っておきますけど私達ホントに何もしてません。
手をつないで歩くだけです。
そう。
信じるよでもね三田さん…。
大学進学しないで結婚するっていうのはどうなのかな?今から決めなくてもいいと思うけど。
うん。
私は特進クラスだから先生方は当然大学に行くと思ってらっしゃったでしょうし私もそう思ってました。
でも私の将来の夢は幸せな家庭をつくることなんです。
いい奥さんになっていい母親になりたいんです。
それにうちは母子家庭です。
私が大学に行かなかったら母だって負担が減るんです。
三田さんのお母さんは経産省にお勤めでしょう?経済的には…。
うちが金持ちだと思ってるんですか?いやいや…。
でもお母さんは反対してらっしゃるんだよ?そう。
「将来はいい人を見つけて幸せな結婚をするのよ」…って言ったのは母です。
真田さんだっけ?彼のどこを好きになったの?全部です。
好きになるのに理由がいるんですか?でも…。
12歳も年上の人だよ?じゃあ何歳差までならいいんですか?年の差婚なんていくらでもあるし高校を卒業してすぐ結婚する人だっているはずです。
法律では16歳から結婚は認められてます。
真柴先生は今いくつですか?え…32だけど…。
どうして結婚しないんですか?どうしてって…そういう人に出会わなかったから…。
私は出会ったんです。
(明日香)やっぱ反対された?されたって気持ち変わんないから。
(明日香)私は応援してるよほのか。
あんなこと僕高校生の時考えたこともなかったですよ。
何を言っても聞く耳持たないところは子供なのかな。
あっ…三田さん父親がいないから年上の男性に憧れるんでしょうかねぇ?ねぇ!え?あすいません聞いてませんでした。
何でもないです。
お待たせしましたフルーツワッフルです。
すいません。
はい。
ごゆっくりどうぞ。
店長ってどなた?店長ですか?
(店員)あっあの背の高い人です。
あの人?いらっしゃいませ。
イケメン…。
(柏木)アハハハハ…!ハハ…!あっ…!あっ松原さん!あっ…。
(柏木)ハハハハ…。
鳴海校長とはデートされてないんですか?え?あれ?「デート」って言わないの?今の人は。
最近あんまり会えてません忙しくて。
あぁ…校長も忙しいからなぁ。
学校説明会まではうまく行ってたんですがまた問題が起きちゃって…。
問題?外部の人には言えません。
やっぱり学校って大変なんですね。
まぁ校長今テンパってるからなぁ。
2年の生徒が29の男と付き合ってるんですよ。
大学も行かないで卒業したら結婚するって。
学年で一番優秀なコなのに…。
外部の人に言っちゃいけないんじゃなかったでしたっけ?忘れろ〜忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ…。
フゥ…。
何のため息?え?鳴海校長に会えないから?松原さんの中に何かモヤモヤしたものがあるんなら聞いてあげますよ。
だてに落語を聴きまくってるわけじゃない!落語とは業の肯定である。
悩みがあって当たり前。
さぁ。
彼とは…。
鳴海校長ですね?結婚の約束をしてるんです。
ええ。
でも不安なんです。
何が?彼と距離ができてしまったっていうか…。
あぁ職場が変わったから?それに…。
全部吐き出したほうがいい!学校には女性の先生もいらっしゃいますし。
やっぱり気にしてるんですね〜真柴先生のこと。
あっそういうわけじゃ…。
確かに最近あの2人何かにつけて絡んでますからね。
あぁ…絡んでるって変な意味じゃありませんからね?大丈夫ですって!校長と教師です!それでも不安?何か形が欲しい。
形?結婚の約束ってことは…婚約してるってことですよね?ええ。
どうして指輪をくれないの?えっ!鳴海校長から婚約指輪もらってないんですか?はい。
口約束だけ?そう。
あちゃ〜!そりゃまずい〜!えっ…まずいですか?いえいえ…おいしいおいしい。
あっ…。
でもそんなこと言えないし…。
私が言いますよ。
いやいやいやいや…。
言います!いいです!言いたい!やめて!私が自分で言いますから!
(聡子の声)「電話くれる?話したいことがあるの」。
電話?お疲れさまです。
お疲れ。
校長先生ですか?私達がここに来た理由は…お分かりですよね?はい。
ほのかさんのお母さんはとても困惑してらっしゃいます。
私達も。
卒業したらすぐに結婚したいと言いだしたのは彼女です。
最初は反対しました。
大学は行ったほうがいいんじゃないかって。
でも彼女が…。
ほのかさんはまだ17歳です。
真田さんはもう大人なんですから彼女が何と言おうと諭してあげるべきじゃないんでしょうか。
僕もそう思います。
僕もそこそこの大学は出ています。
でも社会に出たらそんなの関係ないって思いました。
今は店長ですけど来年の4月から僕は本社勤務になります。
このカフェをチェーン展開している弊社は今年上場しました。
僕は正社員ですから。
それはあなたの生き方であって三田さんとは…。
違いますよね?彼女には彼女の生き方…。
(真田)僕が言いたいのは今ほのかと結婚してもそして子供が生まれてもすぐに養えるってことです。
僕は堅実に生きているつもりです。
彼女に後悔はさせません。
何も言えないあんなふうに言われたら…。
すごいちゃんとした人だったし。
でも違う。
何が違うかはよく分からないけどとにかく…違うと思うんです絶対に。
え?ごめんなさい…僕もまだちょっと考えまとまってなくて。
お腹すきません?帰りどっか寄って行きません?校長先生とですか?他に誰と?でも…。
校長先生にはいらっしゃるんですよねその…。
オープンキャンパスの時校内でお話しされてるの見掛けました。
あぁ…彼女は大丈夫です。
お付き合いされてる方ですよね?婚約者です。
ホントに平気ですから行きましょう。
いや!大丈夫です私お腹すいてないんで。
いや昼から全然…。
ホントに!ここで失礼します!お疲れさまでした。
お疲れさまでした。
(警備員)おはようございます。
・おはようございます・・おはよう!・おはようございます。
おはようございます。
(河原崎)おはようございます郷原先生。
(郷原)おはよう…。
(文恵)おはよう郷原ちゃん。
ございます…。
まだスネてんの?機嫌直してくださいよもう。
スネてないよ別に。
ホントは話し相手がいなくて寂しかったんでしょ。
あたし達しか友達いないんだから郷原ちゃん。
だから僕は本社の人と直で…。
直って誰よ?飲みに行ったり遊びに行ったりしてるんですか?それはないけど…。
どうせ利害関係でつながってるだけでしょ?あたし達は友達じゃない!僕はね郷原先生の好きなものもちゃんと知ってますよ?あの猫の肉球とか回転寿司とか。
あたし達とか。
そう!あ泣いてる。
泣いてない!それはあり得ないっしょ!我々が議論するとかそういう問題じゃありませんよ!そうよ!17で30の男と結婚なんて…。
厳密に言えば卒業してからですよ。
それに相手はまだ29。
卒業する頃には30でしょ。
頭ごなしに否定しても問題解決にはなりませんよ。
それに今「自分達が議論することじゃない」…とおっしゃいましたが僕の方針はお分かりですよね?杉山先生。
え?生徒と正面から向き合おうとしない先生は…。
あたしは…向き合ってます!僕も。
僕も。
自分達が議論することじゃないって言ったのは郷原先生よ。
そうだ!えぇ?いっときの気の迷いじゃないですか?優秀っていったってまだ高校生ですし。
(日菜子)でも12歳も年上ですよ?ファザコンなんじゃないの?あり得るかも。
三田さんはおとうさんがいらっしゃらないから年上の男性に憧れがあるのかもしれません校長先生。
それは僕が真柴先生に…。
別にいいです。
あの今日はこの議題だけなんでしょうか?彼女は賢いコですから冷静に説明すれば分かると思います。
18歳で結婚するということがどういうことか。
(沙織)そう。
親の反対を押し切って結婚すれば孤立につながります。
子供が生まれて子育て。
ママ友はみんな年上。
友達は大学で勉強したり遊んだりでも自分には自由な時間がない。
そうですよね…。
暗い話ですけど実際それが現実でした。
「でした」?じゃあこうしたら?とにかく受験はして大学には入ってくれとそこだけ説得すればいいんですよ。
どういうことですか?分かんない。
うちとしては合格実績が残るじゃありませんか。
うんそっから先は結婚するなり何なり本人の自由!でもそれは…。
生徒と正面から向き合ってることになるんでしょうか?ならない。
なるわよ!三田さんは特進クラスの生徒なんだから私達と彼女の接点は大学合格でしょ?それ以外の幸福論は語る必要がないわ。
それ以外の幸福論?彼女が真剣な恋愛をしてるって言うなら私達は何も口を出せないってことよ。
いいこと言うなぁ杉山先生…!無理やり別れさせたって恨まれるだけ。
いいこと言う!何だかなぁ…。
いや確かにそうかもしれませんね。
あのスマホ問題は…?やっぱりこういうのは少し様子を見たほうがいいんじゃないでしょうか。
クールダウンする時間を与えてあげて。
私もそう思います。
じゃあスマホ問題を。
市村先生?はい。
今はちょっと混ぜ返さないで。
はぁ?何で私は後回しなのよ。
僕も相談に乗りますから真柴先生。
ありがとう。
島津先生!そもそもアクティブラーニングはあなたが始めたんでしょう?授業中にスマホ使わせていいんですか?生徒達は生まれた時からネットがある世代ですよ。
デジタルネーティブです。
(薫)ええええ。
でも学校のルールでは禁止されている…。
(薫)そこなんですよ…。
僕には分かりません。
あ?ハァ…。
あぁため息つかないで真柴先生。
島津…!あんたも色ボケしてんじゃないの?
(後藤田)今回の受注額は850万ポンド。
日本円で12億です。
原油の運用はランド・トレード社に発注しようと思っています。
(後藤田)大きなプロジェクトなのでミスがないよう細心の注意を払って進めて行きますので。
(加賀谷)運用はうちでやれ外に出さなくてもできるだろう。
でも…。
(後藤田)スタッフが足りません。
俺が掛け合って営業企画部から出してやる。
稼げる仕事をわざわざ他に回す必要はない。
(後藤田)はい。
できるさ。
お前ら2人が中心になって進めて行けば。
その代わり3回でも4回でも出張していい。
2人でロンドンに飛んで早く話を進めろ。
(後藤田)分かりました。
仕事に戻れ。
(後藤田)失礼します。
(加賀谷)松原は残れちょっと話がある。
はい。
君にはこれからどんどん仕事を任せて行くよ。
ハハハハ…。
うちはできる社員なら女性だろうが関係なくチャンスを与える会社だ。
まさか寿退社なんてしないよね?松原君。
私が鳴海さんと婚約してることご存じなんですか?鳴海と婚約?あ…知らなかった。
(友梨子)フッ…しらじらしい。
(加賀谷)アハハハ…!いやいやおめでとう!アハハハ…!しかしそれはそれこれはこれだ。
鳴海はもう京明館の人間なんだから俺がそこに気兼ねする理由はないよな?私を忙しくさせて彼との距離が今よりもっと広がればいいって思ってらっしゃるんですか?ハハハ…!何言ってんだ。
そうすれば彼も仕事どころじゃなくなるって。
松原君。
だって鳴海さんのことが嫌いなんですよね加賀谷専務は。
そんなに感情的になるな。
俺は君と鳴海の仲を裂きたいわけじゃない。
ただ将来有望な男は周りにたくさんいるのにどうして鳴海なのか俺には理解できんなぁ〜。
分からなくて結構です!返信してよ…。
(加賀谷)後藤田。
松原に手出していいんだぞ。
は?
(加賀谷)うっ…!うっ…!ハァ…。
せっかく俺がセッティングしてやってんだからロンドンでものにしろよ〜。
いや待ってください専務!松原君は鳴海の婚約者なんです!俺のワイフは俺の先輩と付き合ってたんだよ。
それを俺が略奪したんだ。
当時の専務の娘を…うっ!男はそのぐらいじゃなきゃダメだ!
(後藤田)あっ!うぅ…。
えっ週末に?向こうがOKって言ってるからすぐにロンドンに出張だ。
大丈夫だよね?松原君。
加賀谷専務に何か言われたんですか?後藤田さん。
君も一緒に聞いてたじゃないか!早く話を進めろって言われただろ。
はい。
大きなプロジェクトなんだからどんどん進めて行こう。
分かりました。
じゃあ。
(男子生徒)さよなら!さよなら〜!真っすぐ帰んのよ〜!
(男子生徒)は〜い。
(男子生徒)先生さようなら。
さようなら〜!
(店員)お待たせしました。
ありがとうございます。
(ドアベル)
(店員)いらっしゃいませ。
あの…。
はい。
京明館高校の先生ですよね?はい。
この前オープンキャンパスでお見掛けしました。
私涼君…。
鳴海校長先生と同じ会社の者です。
あ!私もお見掛けしました。
あの…校長先生と校内でご挨拶されてましたよね?はい松原と申します。
真柴と申します。
どうぞお座りになって…。
いえご挨拶だけで。
私はこれで。
そうですか。
やっぱり…。
せっかくだから…。
ですよね。
(店員)お待たせしました。
何かお忙しそうですよねいろいろと。
あぁ…教師は意外に忙しいんです。
2年生の女のコが29歳の男の人と付き合ってるとか…。
えっ校長先生から聞いたんですか?えっ…あっいえ違います。
婚約されてるんですもんね。
はい。
(振動音)もしもし。
真柴先生問題が起きました。
問題?三田さんの件がSNSで話題になっています。
炎上っていうんですか?炎上?明日朝いちで校長室来てもらえますか?分かりました。
お願いします。
すいません。
校長先生からですか?はい。
まだ学校に残って仕事されてるみたいで。
私より真柴先生と一緒にいる時間のほうがずっと長いですよね。
お仕事中すいませんでしたじゃあ私はこれで。
あ…。
「涼君」…。
(ドアが開く音)
(真咲美)ただいま。
カレーちゃんと温めて食べた?サラダ…おっ食べてるね。
どうしたの?まだ8時前じゃん。
うん今日ね早く上げてもらったの。
ほのかとちゃんと話をしようかなと思って。
何?おかあさん確かにほのかには幸せな結婚をしてほしいって言ったよ。
でもねその前にもっといろんなこと…。
(ほのか)ママ。
私はママのこと尊敬してるよ。
すごく勉強して経済産業省に入って私を産んで。
結婚しないで子供を産むのはきっといろいろ言われたんだろうけど…。
ちゃんと仕事続けながら私を一人で育ててくれて…本当に感謝してるの。
(ほのか)でもね…。
私はやっぱりパパが欲しかった。
ママが悲しむと思って今まで言ったことなかったけど。
私は…私みたいなつらい思いを自分の子供にさせたくないの。
誰がこんなことを…。
うちの生徒かも。
え?子供達は残酷なんです。
心配したり応援したりするふりをしながら裏では話のネタにしてたりするんです。
確かにネットで盛り上がるには格好の話題だ。
ほっとくわけにはいきませんこれはイジメです。
もう分かってます…!学校説明会はうまく行ったのにこんなのが拡散して学校の評判に響いたら確実に受験生は減りますよ!どうしたらいいんでしょう…。
やっぱり僕達の意識に問題があるんだと思うんです。
え?ひとを愛することは大事だと言いながら恋愛はダメだと言ったりこれからは情報化社会だと言いながら授業でスマホを使うことはダメだと言ったり。
それは生徒達は矛盾してるって言いますよ。
教師が迷ってちゃダメなんです!校長。
はい。
スマホの話は市村先生の前でしなくちゃ。
ですよね。
(男子生徒)ちょっとこれ見せて。
(生徒達の話し声)
(ドアが開く音)おはよう〜。
(生徒達)おはようございます。
ケータイの電源切って。
(大和田)はい。
みんなも知ってると思うけど隣のクラスで授業中にスマホで調べものをしてはいけないのか…という問題が出ました。
これについては先生達で議論して結論を出します。
(沙里依)私達の意見は聞いてくれないんですか?
(山田)そうだよ先生だけで決めるのはおかしいと思います。
分かりました。
校長先生に伝えてみんなの意見をどこまで反映させるのか考えていただきます。
ただみんなの意見がそのまま通るとは期待しないでね。
みんなは高校生です。
ちゃんと分別があるのかどうかまだ分からない年頃だから。
みんなにとってスマホは当たり前にある存在かもしれないけど授業中にSNSでお喋りしたり授業中でなくてもネットで誰かを誹謗中傷したりしてはいけない。
それが私の言っている「分別」です。
今そういうことをしてる人がいるよね?実際。
私はすごく悲しい。
やりきれない。
せっかく京明館が変わろうとしてるのにこんなことで台無しにしたいの?イジメのニュースみんなも見るでしょ?そういうの面白がれる?イジメで自殺と聞いてひどいと思わない?
(大和田)意味がよく分かんないんですけど。
(美咲)何でそんなに感情的になってるの?先生。
感情的になんかなってません。
(愛)なってるよ。
(菜月)何で急に自殺とか出て来るわけ?それは…。
(森)自殺はダメなの?
(朱里)そりゃダメでしょ!
(加瀬)何言ってんだお前。
・大輝ヤバ!・自殺したいの?お前。
いや芥川龍之介も川端康成も自殺してんじゃん。
俺らダメな奴らが書いたの習ってるわけ?ちょっと…!
(相田)確かにそうだよな!
(相田)太宰治も自殺してるし!・確かに!・やめなさい!!どうしてここでふざけられるの?せっかくいい学校になって来たと思ったのに。
みんなもしっかりして来たと思ってたのに…!
(ほのか)心配しなくて大丈夫です先生。
私は自殺なんかしませんから。
好きになった人がたまたま12歳年上だっただけじゃん。
みんなだって25歳くらいになって40歳の人を好きになっちゃうかもしれないじゃない。
男子だってむちゃくちゃ年下の人と結婚しちゃうかもしれないでしょ。
全然おかしいことじゃないよ。
私はこんなことでからかわれても落ち込んだり自殺したりなんかしません!
(由衣)ごめん…私ちょっとついて行けない。
俺も。
(愛)ほのかは大人なんだよ頭いいんだよ。
(三鷹)そうだよ頭良過ぎるんだよ。
そんなに頭いいんだから大学行けばいいじゃん。
もったいないよ。
私の夢は幸せな家庭をつくることだから。
(亜美)それって専業主婦?何が悪いの?もうやめましょうみんな。
(加瀬)だったら勉強するなよ。
お前がいい成績取るから俺らの順位が下がるんだろ!そうだよ!勉強すんなよ!主婦になる人が勉強しちゃいけないの?やめなさい!!何?
(加賀谷希美)だから京明館に行きたいの私。
(加賀谷雅子)オープンキャンパス見ていい学校だと思ったんですって。
オープンキャンパス?
(萌)はい!拍手と歓声私も悪くないと思ったわ。
お前も行ったのか?ママと一緒に学校説明会にも行ったし。
京明館高校の成長は生徒の成長であり教師の成長です
(希美の声)校長先生の話聞いて…。
もしうちに入学していただけるようでしたら親身になって指導させていただきますはい
(希美の声)個別相談も受けたし。
何で俺に黙って…!希美お前北高に行きたいんじゃなかったのか?京明館に変えた。
どういうこと…!だってあなた忙しくて話聞いてくださらなかったから!別にパパの意見なんかどうでもいいし。
どうでもいい?
(ドアが開く音)
(加賀谷瑠美)おかえりなさいパパ。
ハハハ…瑠美そんなカッコで出て来るなよ…。
京明館はあなたの会社の学校じゃないですか。
そこに自分の娘が行きたいって言ってるんだから。
偏差値44だぞあそこは。
北高は46。
じゃあ北高行けよ!お風呂入っちゃいなさい希美。
おねえちゃんはパパの言うことをちゃんと聞いてたから天下の本郷女子大付属に入れたんだぞ。
妹のほうは京明館って…恥ずかしいと思わないのか!どこに行こうが私の勝手でしょう!だからパパに相談なんかしなくていいって言ったんだよ。
待て!希美!希美!
(瑠美)私上には上がんないよ?パパ。
へ?本郷女子大には行かない。
ちょ…ちょっと待って瑠美?えっ…付属に入って上に上がらないって…。
女子ばっかはつまんないんですって。
え?もう…本人達の好きにさせればいいじゃない!バカ言うな!いつもいないくせに急に出て来て偉そうなこと言ったってあの子達からすればおいあんた誰?出しゃばって来んなよ!…って感じですよあなた!フフフ!ハァハァハァ…!
(柏木)真田さんわざわざお越しいただきありがとうございます。
いえ。
(柏木)今回の件に学校関係者が口を挟んでいいものかどうか実は我々の間でも議論がありました。
ですが三田ほのかさんのお母さまが話し合いには先生方も加わってほしい…とおっしゃいまして。
まぁこういう場を設けた次第でございます。
本日はお忙しいところ申し訳ございません。
今日はできるだけ感情的にならずに論点を整理してお話しできたらと思います。
まず真田さんにお尋ねしたいんですが…。
はい。
お2人が真面目に交際されているということはよく分かりました。
でも…やっぱり彼女はまだ17歳です。
どうしてそんなに早く結婚したいんですか?結婚することで彼女の将来の選択肢を奪うことになる…というふうには思わないんですか?私はそんなこと…。
今は真田さんに。
結婚を望んでくれたのは彼女です。
僕にはそれを断る理由はありません。
それはずるいと思います。
真田さんは大人なんですからやっぱり責任はあなたにあるんじゃないですか?だからってずるいって…!あなたは黙って聞いていなさい。
どうしてよ!結局みんなで貴弥君を責めるために集まってるんじゃない!違う!違うよ三田さん。
(柏木)それは違うよ。
僕達は真田さんを責めたいんじゃない。
確かめたいんだ真田さんの気持ちを。
どうして学校が彼女のプライベートに踏み込んで来るんでしょうか。
ハハ…。
僕には先生方が彼女に大学を勧めるのは学校の進学実績を上げたいだけなんじゃないかって感じて。
そうなの?違います。
(柏木)いやそれは違いますよ。
そういうふうにおっしゃる先生もいらっしゃいました。
でもここにいる我々は三田さんの将来のことを真剣に考えているつもりです。
そんなこと考えなくていいです。
卒業したら僕が彼女を幸せに…。
三田さんは私の生徒です。
自分の生徒が幸せになってほしいと思うのは当然です!大学を受験させたら終わり卒業させたら終わりなんてそんなふうには割り切れませんよ。
(柏木)真田さん。
本当に結婚が絶対条件なんですか?え?だったらその理由は何ですか?彼女の生活や人生の全てにあなたはどれほどの責任を持てるんですか?責任は持てます。
僕は堅実に生きて来たつもりです。
彼女が高校生だということも分かっています。
だからおかあさんに対して顔向けできないようなことは絶対にしていません。
仕事がありますので今日はこれで失礼いたします。
堅実な生き方というのは上場企業の正社員だということをおっしゃってるんだと思いますが僕はそれが堅実だとは思いません。
僕も上場企業の正社員です。
ほんの何か月か前までは営業の最前線で働いていました。
そしてまさか高校の校長になるなんて思ってもいませんでした。
僕は今ここにいますが出向を言い渡された時点で会社を辞めていたかもしれない。
学校という職場を受け入れられなくて別の生き方を探していたかもしれない。
だから…堅実な人生なんてないんですよ。
(ほのか)校長先生。
私は貴弥君が好きなだけです。
だから…!だから君には大学を受験してもらいたいんだ。
経済的な意味も含めて自分の人生の全てを相手に委ねるのは危険だと思う。
どういうことですか?だから…誰かに頼らないと生きて行けないのは良くないっていうか…。
専業主婦を否定するんですか校長先生は。
違う!私は…彼に頼って生きて行こうなんて思ってません!ほのか…。
ステキなことだと思うよ?三田さんがいい奥さんに…いいお母さんになりたいって思うのは。
私の母だって専業主婦だし。
うちもです。
正直私達がすごく悩んでるのは…あなただから。
三田さんだからよ。
校長先生は一般論で大学に行くべきだっておっしゃってるわけじゃないと思うの。
一般論って分かるよね?はい。
三田さんはとっても優秀でたくさんの可能性を持ってる。
それを今結婚することと引き換えに捨てるのはもったいないってどうしても思ってしまうの。
彼に頼るどころか何かがあった時に彼を支えるだけのスキルを持てる人なのあなたは。
だからもっともっと自分を成長させてから結婚しても遅くないんじゃない?協力しながら自立する。
自立しながら協力するってやつですね。
おかあさんだって頑張って自立されたから君をここまで育てて来れたんじゃないのかな。
真田さん。
本当に彼女のことを思っているのなら考えてください。
進学を断念させるのが彼女の幸せに本当につながるのか。
むしろ受験を応援してあげるほうが本人にもおかあさまにもそしてご自分にもメリットがあるんじゃないでしょうか。
2017/11/25(土) 22:00〜22:54
読売テレビ1
先に生まれただけの僕#07[解][字][デ]
わたし幸せになります!成績トップ女子生徒の結婚宣言に職員室は大紛糾!
詳細情報
出演者
櫻井翔
蒼井優
瀬戸康史
木南晴夏
森川葵
平山浩行
池田鉄洋
多部未華子
井川遥
荒川良々
秋山菜津子
高嶋政伸
風間杜夫
番組内容
学校説明会を成功させ、入学志願者増加に手応えを感じる鳴海(櫻井翔)。しかし、学校の運営に夢中になるあまり、聡子(多部未華子)と会っていても学校の話ばかり。一方、ちひろ(蒼井優)は三田ほのか(山田佳奈実)の母親から、ほのかが卒業後は進学せず結婚したいと言っていると相談を受ける。鳴海とちひろはほのかから話を聞くも決意は固く…。その頃、加賀谷(高嶋政伸)は鳴海と聡子の仲を引き裂こうと策略を巡らせていて…
監督・演出
【演出】
水田伸生ほか
【プロデューサー】
次屋尚
高橋史典
原作・脚本
【脚本】
福田靖
音楽
【主題歌】
「Doors 〜勇気の軌跡〜」嵐(ジェイ・ストーム)
【音楽】
平野義久
制作
【製作著作】
日本テレビ
【制作協力】
ケイファクトリー
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
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