俺の遺言を聴いてほしい

これは俺の遺言だ。

情熱大陸の落合陽一さんの紹介がめちゃくちゃ面白かったので、思ったことをまとめてみた。





2017年11月19日の情熱大陸放送以降、

「カレーをストローで食う男」

としてネットでイジられる天才科学者・落合陽一。

彼のすごさはカレーをストローで食うことだけにとどまらない。

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(画像は全てTVerより https://tver.jp/episode/36839909)

東京大学学際情報学府初の飛び級修了者となり、最先端の研究者に送られるWorld Technology Awardを受賞した。
青色発光ダイオードでノーベル賞を受賞した中村修二氏に次ぐ、日本人二人目の受賞だそうだ。

色々すごすぎて何がすごいんだか常人にはよくわからない

というのが彼の真のすごさなのだろう。

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「音が目に見える」
「プラズマ光に触れられる」
「網膜に映像を直接映す」

という一見すると突拍子もないアイデアのように見えるが、落合陽一氏の発明は全て、デジタルとリアルをつなげる方向に向かっている。

カレーをストローで食ったり、主食がグミだったり、服が全部ヨウジヤマモトだったり、そういう奇抜なところをイジられがちな落合陽一氏だが、彼が奇抜な行動を取る理由はシンプルである。


時間の使い方を効率化するためだ。


「人類がやってきた圧倒的な無駄を排除したい」

と語る落合氏は、自身の生活からも無駄を徹底的に排除している。

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研究しながら食べることができる、という理由でグミを箱買いし、論文を読みながらカレーをストローで食べる。

研究室の学生からグミをもらって喜ぶ落合氏の姿は少年のようであった。

「今日の夕飯にありつけた」

と言ってグミを食べながら論文を読む。

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炭水化物は眠くなるからなるべく摂らない。
研究が夜遅くまでかかるときには研究室のメンバーに差し入れすることがある。

その時はピザではなく寿司を取るそうだ。
その理由は、ピザはダラダラ食べてしまうけど、寿司なら10分、15分でサッと食べて研究に戻ることができるから。

徹底して無駄を排除している落合陽一氏の姿を見て、

「同じ人間なのに生きている時間の密度がまるで違う」

と尊敬せずにはいられなかった。

ストイックなように見えるが、本人にとってはそれが当たり前なのだろう。

「天才」と呼ばれる落合氏だが、湧き出る才能のみで勝負しているわけではないのだな、と思った。


研究室の学生は落合氏の話は一度でわからないと笑いながら話す。

「いつも録音して、後でイヤホンで聴いて全部1回テキストに起こして、分からない単語と1個1個調べないと理解できない」

と言う彼はどこか幸せそうでもあり、誇らしそうにも見えた。

天才の頭脳を理解するにはもっと時間が必要なのかもしれない。

平均睡眠時間は4時間に満たない落合氏。
もちろん、「眠らないことがすごい」というわけではないが、落合氏が面白いのはただでさえ短い睡眠を削ってドラクエをやる時間を捻出していることだ。
なんて楽しそうな人生だろう。

ドラクエをやりながら寝落ちする落合氏はまるで少年のようだった。


落合氏には美人な奥さんがいる。

「初めて会ったときはすごく孤独そうな人というか、さみしそうな人というか、小動物がおびえながら嵐の中で闘っている感じに見えた」

と落合氏について語っている。

夫婦の居酒屋での会話も独特だ。


落合「ハマグリうまい」
嫁「ハマグリおいしいよね〜」

落合「複雑性の極みだよね。わかる?」
妻「......」

落合「人間を頭からケツまで食ったら複雑じゃん」
妻「......」

落合「アユもそうじゃん。ハマグリもそうだよ」
妻「全部食べてるね」

落合「特定の肉だけを集めて食うのはそんなに複雑じゃない」
妻「......」

落合「そういう感じなんだと思うよ」
妻 「(意味がわからない)」


文字に起こしても意味不明な会話を奥様は笑顔で「いつも聞き流してる」と言う。
「結婚生活は長い会話だ」とニーチェは言ったが、時には難しい話を笑顔で聞き流す軽快さも必要なのかもしれない。


一度スイッチが入ると研究室に65時間こもることもある落合氏。
まだ解き明かされていない世の中の謎に科学という魔法でアプローチし、デジタルとリアルをつなげる。

彼の姿をテレビで見て、彼のように自分の時間を生きていきたいと思った。
落合陽一氏の父である落合信彦氏は

「大した命じゃないんだ。燃え尽きるまでやれ」

と子に伝えたという。

三つ子の魂百までというわけではないが、父の教えの通り、命を燃やし尽くすように生きている落合陽一氏の生き様を見て、ある本の一節を思い出した。


「人の一生というのは、たかが五十年そこそこである。
いったん志を抱けば、この志にむかって事が進捗するような手段のみをとり、いやしくも弱気を発してはいけない。
たとえその目的が成就できなくても、その目的への道中で死ぬべきだ。生死は自然現象だからこれを計算に入れてはいけない」
(司馬遼太郎『竜馬がゆく 三 』より)


平成が終わろうとしている今、新たな時代を創ろうとしている落合陽一氏と坂本龍馬の姿が重なった。


「触れるプラズマ光」
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