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石川カラスふん害 観光地守れ 今年は大手町で、テグス張り実験
観光地でのカラスの“ふん害”を防ごうと、金沢市は、同市大手町のお堀通り周辺の建物や樹木にテグスを張る実験を始めた。昨年度までに兼六園周辺で実施した同様の実験では、効果はてきめん。果たして今回は-。(太田理英子) 今回実験を実施したのは、お堀通り沿いの金沢健康プラザ大手町など建物五棟と、マツとサクラ計五本。健康プラザの屋上では、業者が手すりやコンクリートブロックの上に細い棒を設置し、太さ約〇・七ミリのナイロン製テグスを張り巡らせた。来年一月中旬まで設置し、期間中と撤去後、定期的に止まったカラスの数を調べる。 市環境政策課によると、近くの金沢城公園周辺にカラスのねぐらがあるという。夕方に市内外からカラスが一斉に集まり、ねぐらが安全か見張るため、日没までは近くの建物の縁や樹木に止まる。そのため、周辺ではたびたび市民から「路上がふんだらけになっている」「景観対策を取って」と苦情が寄せられてきた。
カラスは樹木などに止まろうとする際に足に物が触れるのを嫌うため、一度テグスに接触すると同じ場所には戻らなくなるという。 市は二〇一五年度から兼六園周辺で同じ実験を実施。昨年度は、一日で平均百八十七羽の姿が確認されていた建物二棟では、テグスの設置中は一日平均九羽にとどまった。一日で計百羽近く集まることもあった樹木六本では、設置中も撤去後の約一カ月間もゼロ羽と、効果がみられた。 健康プラザで市が事前に調査をしたところ、西館と東館では、それぞれ多い時で七十羽近くが確認されている。同課の東俊幸・自然保護係長は「市民や観光客が安心して町を歩けるようになってほしい」と期待している。
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