孤独のグルメって知っているか?最近流行っているドラマだって。何でも中年のサラリーマンが、ただただ独り言を呟きながら飯を食っているだけのマンガ。「うん!これはうまい…そんな気がする」とか言って、一人でボケて、一人でツッコむ。常に独り芝居。マンガの中だけならいいけど、リアルは結構きつい。おっさん一人、カウンターで「うん!これは!」って言ってたら、おつむがイカてると思われる。でも30代の私としてはやってみたい気もする。そんな気がするんだ。
出典:『孤独のグルメ』原作者・久住昌之が語る谷口ジローへの思い
中野坂上にある立ち飲み屋に行ってきた
さーてリアルな本物の孤独のグルメってやつを体験するとするか。飲み物はとりあえず生ビール。でもってマグロ刺しとホッキ貝刺し、かつおたたきを注文した。なぜかって?メニューを見れば、ね、安いからさ。「すいませーん」愛想のない店員の引きつった愛想笑いをつまみに、まずは生ビールを一口。「かー!このために生きているようなもんですわ!」と心の中で叫ぶ。
店内はまだ時間が早いというのに無口なおっさんたちと、後ろには若いカップルもいた。女の乾いた笑い声が響く。孤独なおっさんたちはテレビモニターを凝視する。新聞を読んでいる親父もいた。私はテレビを見ながら、後ろのカップルの声を聞く。いや、気になってしまうのだ。聞えてくるものはしょうがない。若いっていいな、私はそんなことを考えながら生ビールを飲み干した。
リアルな孤独のグルメはきつい
店内にお客が多くなってきたので早々に店を出た。味なんて覚えちゃいない。本当は生ビールを後2~3杯は飲みたかったが、我慢した。それは金が無いからだ。金が無いなら飲まなきゃいいんだ。わかっている。でも孤独のグルメを演じて見たかったのさ。別にいいじゃないか。
散歩がてら、帰りに新宿方面を歩いた。新宿西口のイルミネーションがキレイだった。世間はクリスマスムード一色。私は寒さとは別の意味で身体が震えた。
まとめ
20代の若者の外出が減っているのは、このイルミネーションとクリスマスソングが原因ではないのか。本当に孤独な独身者にクリスマスほどきつい贈り物はない。見る者によって、この通りは天国でもあり、地獄でもあるのだ。それは3日間カレーが続いた朝のカレーうどん。ご飯をうどんに変えたからって、私の舌はごまかされやしないんだ。絶対に、絶対に、絶対にだ。だって私はグルメなんだから。一人暮らしで大鍋にカレーはきつい。ぜんぜん減らない。最後はカレーだけを胃袋に流し込むハメになる。そして思うのさ、なぜ私はカレーを作ったのだろうかってね。クリスマスに孤独のグルメごっこは、ヤメな。下手したら死ぬぞ。