我々の世界では、人間が作ったおはぎをうんこでないかレビューすることを「おはぎレビュー」と言う。
おはぎを作っていたつもりがうんこを作ってたなんて事は人間であればよくある。それは大した問題ではなく問題なのは、うんこをおはぎとして客に出し、客がうんこを食べてしまうことである。他にもおはぎレビューを行う理由はあるが、我々がおはぎレビューを行う理由の1つがそれだ。
毎日のようにおはぎのようなうんこを作り、うんこのようなおはぎを作ってしまう不完全な人間である我々にとって、おはぎレビューはなくてはならない存在だ。
なくてはならない存在だからこそ、我々はおはぎレビューについて考え、議論し、学び、より良くしていく必要がある。
「みんなではじめるデザイン批評」という本がある。その本の「批評を理解する」という章には以下のように書かれている。これは、おはぎレビューも同様だと考える。
私たちは全員がスキルやノウハウを持ち寄って、協力し合う必要があるのだ。そしてそのためには、互いに話をしなければならない。何をデザインしているのか、なぜそれを作っているのか、どのように完成させていくのかを議論しなければならないのである。
みんなではじめるデザイン批評―目的達成のためのコラボレーション&コミュニケーション改善ガイド
- 作者: アーロン・イリザリー,アダム・コナー,長谷川恭久,安藤貴子
- 出版社/メーカー: ビー・エヌ・エヌ新社
- 発売日: 2016/05/26
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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おはぎレビューでは、レビュアーとレビュイーがお互いが理解し合う努力が必要であると3年前に書いた。それはおはぎレビューが、レビュアーの指摘によってうんこからおはぎにするのではなく、レビュアーとレビュイーの会話によって、うんこからおはぎに近づけるプロセスであるからだ。
おはぎレビューにおける会話とは、以下のようなものではない。
レビュアー「ここはAが起きるとつらいのでBに直したほうがいいと思います」 レビュイー「修正します」 レビュイー「修正したので確認お願いします」
この場合だとレビュアーの考えしか出ておらず、レビュアーの指摘によってうんこからおはぎにするプロセスと化している。これだとおはぎがうんこになってしまう可能性がある。
おはぎレビューでは、レビュイーが自分の考えを積極的に伝えていく必要がある。
レビュイー「ここはAという理由からBにしました」 レビュアー「なるほど、BだとCになってしまうのでDが良いかと思いましたがどうですか?」 レビュイー「Cに気づいてませんでした。それを考えるとDが良いと思いました!そうします!」
このようにおはぎレビューにおける会話とは、お互いが自分の考えを相手に伝えることである。そうすることで「そうだったのか!」「知らなかった!」を見つけて、うんこからおはぎに近づけていく。
レビュイーとしての自分が最近気をつけているのは、レビュイーの自分から会話を始めるということだ。自分がなぜこの形のおはぎにしたのか・この味にしたのか・また悩んでる事をレビュアーが知る事で、より会話が生まれやすい。
また、言語化することで、自分の考えもまとまるし、コメントとして残す事で後日レビューを見た時に何を考えておはぎを作ったのかわかって良いことだらけだ。